おっさんはただのおっさんだった

モモん

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第一章

冒険者に復帰

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 先代の残した資料の中に、魔道具の初級・中級・上級の資料があった。
俺は、初級から読み解いていく。
まず、魔道具を使うには魔力が必要だ。うん、これは分かる。
俺は先代が作ったという魔力測定器なるものを探し出し使ってみた。
結果は、魔力量5だった。
どれどれ……成人男性の平均は魔力量100で、魔道具を使うには最低でも魔力量10が必要……
ダメじゃん、おれ魔道具すら使えねえよ。

 それでも、メンバーの使う魔道具を作れば……
魔道具の書き込みは、コンピュータのプログラミングと同じ感じで、少し見ただけで眩暈がしてきた。
おれ、情報処理苦手だったんだよ。

 俺は、魔道具の制作を早々と断念した。
理想としては、魔力弾を打ち出す自動小銃みたいなのを期待していたんだが……
そしてそれは先代の作ったものが保管されていた。
理想通りのものだが、俺には使うこともできない。

「エリス、これ使ってみるか」

「なにこれ?」

「魔法じゃなくて、直接魔力の弾を打ち出す魔道具。
魔力量を50使うらしいんだが、これで魔力量を測ってみな」

「ここに手を乗せればいいのね」

「ぐっ、魔力量3546……問題なく使えそうだな」

「へえ、面白そう。ちょっと試してみようよ」

「ああ、外へ行こうか」


「ここを持てばいいのね」

「ああ、引き金を引けばグリップから自動的に魔力を吸い上げるんだってさ」

「どれどれ」

ダダダダダッ!

「おじさん! これすごいよ!」

「そうか、よかったな……」


 シルビア用の力を増幅する刀と、オネエ用の杖も見つけた。
オネエ用の杖は、回復役でも攻撃に参加できる重力制御用のグラビティーロッドというものだった。

「おじさん、こんなの凄すぎ!」

「よかったな……」

 なんだろう、この敗北感は……
この屋敷といい、各種の魔道具といい、先代たちはホントに凄いと思う。
俺は、それを探し出して提供する。それだけでも立派なもんだと思うよ。
その結果、メンバーはパワーアップして、俺だけが取り残された感じか……

 この屋敷には魔道具の馬車もあった。
馬車というか車だな。
これにより、郊外というハンデはなくなった。
屋敷の機能を一通り確認できたので、俺たちは冒険者家業に復帰する。

「Sクラス中心でいいんだな」

「大丈夫ですよ」

 シルビアが問題ないと応えてくる。
俺たちはSクラスの中でも、難易度の高いアンデッド討伐を受注した。

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