おっさんはただのおっさんだった

モモん

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第一章

家を買おう

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ギガンテスの討伐処理も終わり、俺たちは宿でくつろいでいた。

「あーあ、これで風呂があれば最高なんだけどな」

「風呂って?」

「この国にはないみたいなんだが、俺の国ではお湯につかる習慣があってな。
こういう、疲れたときなんかゆっくり浸かると気持ちいいんだ」

「それって、出汁をとるの?」

「違う違う、単純に浸かるだけだ」

「それくらいなら、私の土魔法と火魔法でできると思うけど」

「裸になるんだぞ。
どこでもいいってわけにはいかないだろ」

「沐浴みたいなものね」

「沐浴なんてあるのか」

「聖騎士は体を清めるのに聖水に浸かるのよ」

「それって、衣装を着たままだろ」

「当り前じゃない」

「違うんだよな。
あの解放感はわかんねえだろうな」

「露出狂?」

「ちげーよ!」

「変態?」

「うっ……」

「そこは否定できないのね」

「若干、思い当たる部分もあるな……」

「あるのかい!」

「おめーに言われたくねえよ」

「あら、やーだ。何のことかしら」

「オネエは可愛いからいいのよ。
変態のオジサンなんて需要ありませんから」

「ぐっ……」



俺たちはギガンテスを含めて、Aクラスの依頼を受けまくった。
そして、俺たちは揃ってAクラスに昇格した。

「Sクラスも受注できるようになったんだが、Sは難易度が桁違いらしい。
当面はAクラスで行こうと思うんだがどうだろう」

「それでいいんじゃない。
別に困っているわけじゃないしさ」

「それよりも、この際だから家を買っちゃったほうがいいんじゃないかしら」

「家なんか買えるもんなのか?」

「借りてもいいんだけど、返す時に面倒だからね。
自分たちの家なら、おじさんが言ってた風呂っていうのも作れるよ」

「よし、家を買おう!」


俺たちは商業ギルドに行き、手ごろな物件がないか問い合わせた。

「今、空いている物件ですと、商店が3軒と貴族の別荘が2軒ですね」

「貴族の別荘って、いくらぐらいなんですか?」

「金貨1000枚と1200枚です。
ちなみに、商店なら金貨500枚ですけど」

金貨1枚を5万円で換算すると5千万円になる。

「分割払いはできるの?」

「失礼ですが冒険者様ですよね」

「はい」

「Aクラス以上なら分割もお受けできるのですが」

「一応、全員Aクラスです」

「でしたら大丈夫ですよ」

俺たちは下見させてもらうことにした。
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