12 / 33
第一章
ある冒険者の死
しおりを挟む
俺は礼にオネエを食事に誘った。
「あら、うれしいけど今日はあの子たちも酒場で待ってるから、また今度ね」
オネエはそういって酒場に向かった。
なんというか清々しい。
俺にとって、この2本の影響は大きかった。
湾曲しているほうは、ショーテルとククリナイフの中間のような作りで、俺の戦い方にマッチしていた。
例えば、小さい獲物なら内側の刃で首を刈り、大きい獲物に対しては切っ先で搔き切る。
長めの短剣は、単純な威力の増加だけでなく、リーチが20cmほど長くなった感じだ。
Bからもらった短刀を加えて、3種類の短剣が俺の武器となった。
このおかげで、一度の遠征でオーク3頭も容易くなり、俺はいつしかBクラスに昇格した。
エースのパーティーも同じ時期にBクラスに昇格したようだ。
「おっさん、これからギガンテスの討伐なんだが一緒にどうだい」
「悪い、もう受注しちまった」
「そうか、じゃ、またな」
俺が討伐から戻るとノッポ・チビ・オネエの三人がカウンターで手続きをしていた。
だが様子がおかしい。
エースもいない。
「あっ、おじさん」
「どうした、エースは?」
「オネエは力なく首を横に振った」
「そうか」
俺は、自分の完了報告を済ませてからオネエに声をかけた。
「で、お前らはどうするんだ」
「俺とチビは引退して、里に帰ることにした」
「そうか、元気でな。
オネエは?」
「まだ決めてない」
「そうか、気持ちの整理がつくまで、俺と一緒にいくか」
オネエは力なく首肯した。
「何かしてた方が、気が紛れるもんね」
こうして、俺はオネエとパーティーを組むことになった。
冒険者になってから大したケガはしてないし、連れていくだけのつもりだったのだが……
戦闘に入った途端、オネエの魔法が自分にかかったのを感じる。
力・スピード・体力がグンと上がるのだ。
バフというのだろうか、ともかく体が軽く力が漲ってくる。
「オネエの魔法すげえよ」
「そう、よかった」
オネエは現代のイッ〇ーさんのような感じだ。
髪は金髪ショートで、もう少し痩せていればいい女といえる。
「おじさんは色々と聞いてこないのね」
宿で食事中にオネエはそう切り出してきた。
「ん、ああ、オネエはオネエだろ、それでいいんじゃないか」
「僧侶の学校って、男の子ばっかりでしょ」
「そうなんだってな」
「最初は冗談で女言葉使ってたら、こっちの方が楽になっちゃってさ」
「俺の国には、女装が趣味ってやつも多いぞ」
「私も女装してみたいな」
「いいんじゃないか。
いい女になると思うぞ」
「いいの?エースはそれだけはやめろって」
「言葉だけってのも中途半端だろ」
「お化粧してもいい?」
「ああ、やってみな」
この遠征から戻った翌日、オネエは飛び切りの美女に変身した。
「あら、うれしいけど今日はあの子たちも酒場で待ってるから、また今度ね」
オネエはそういって酒場に向かった。
なんというか清々しい。
俺にとって、この2本の影響は大きかった。
湾曲しているほうは、ショーテルとククリナイフの中間のような作りで、俺の戦い方にマッチしていた。
例えば、小さい獲物なら内側の刃で首を刈り、大きい獲物に対しては切っ先で搔き切る。
長めの短剣は、単純な威力の増加だけでなく、リーチが20cmほど長くなった感じだ。
Bからもらった短刀を加えて、3種類の短剣が俺の武器となった。
このおかげで、一度の遠征でオーク3頭も容易くなり、俺はいつしかBクラスに昇格した。
エースのパーティーも同じ時期にBクラスに昇格したようだ。
「おっさん、これからギガンテスの討伐なんだが一緒にどうだい」
「悪い、もう受注しちまった」
「そうか、じゃ、またな」
俺が討伐から戻るとノッポ・チビ・オネエの三人がカウンターで手続きをしていた。
だが様子がおかしい。
エースもいない。
「あっ、おじさん」
「どうした、エースは?」
「オネエは力なく首を横に振った」
「そうか」
俺は、自分の完了報告を済ませてからオネエに声をかけた。
「で、お前らはどうするんだ」
「俺とチビは引退して、里に帰ることにした」
「そうか、元気でな。
オネエは?」
「まだ決めてない」
「そうか、気持ちの整理がつくまで、俺と一緒にいくか」
オネエは力なく首肯した。
「何かしてた方が、気が紛れるもんね」
こうして、俺はオネエとパーティーを組むことになった。
冒険者になってから大したケガはしてないし、連れていくだけのつもりだったのだが……
戦闘に入った途端、オネエの魔法が自分にかかったのを感じる。
力・スピード・体力がグンと上がるのだ。
バフというのだろうか、ともかく体が軽く力が漲ってくる。
「オネエの魔法すげえよ」
「そう、よかった」
オネエは現代のイッ〇ーさんのような感じだ。
髪は金髪ショートで、もう少し痩せていればいい女といえる。
「おじさんは色々と聞いてこないのね」
宿で食事中にオネエはそう切り出してきた。
「ん、ああ、オネエはオネエだろ、それでいいんじゃないか」
「僧侶の学校って、男の子ばっかりでしょ」
「そうなんだってな」
「最初は冗談で女言葉使ってたら、こっちの方が楽になっちゃってさ」
「俺の国には、女装が趣味ってやつも多いぞ」
「私も女装してみたいな」
「いいんじゃないか。
いい女になると思うぞ」
「いいの?エースはそれだけはやめろって」
「言葉だけってのも中途半端だろ」
「お化粧してもいい?」
「ああ、やってみな」
この遠征から戻った翌日、オネエは飛び切りの美女に変身した。
0
お気に入りに追加
2
あなたにおすすめの小説
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
敗戦国の姫は、敵国将軍に掠奪される
clayclay
恋愛
架空の国アルバ国は、ブリタニア国に侵略され、国は壊滅状態となる。
状況を打破するため、アルバ国王は娘のソフィアに、ブリタニア国使者への「接待」を命じたが……。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる