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第1章 魔虫ヘルワーム編
地獄の13丁目 アルカディア・ボックス
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ヘルワームの世話にも慣れてきたが、一つ困っていることがある。これはベル、ローズ、そして俺と共通して困っていることなのだが、ヘルワームは特に死肉を好むため食べ残しの腐臭が凄い。それはもう凄い。しかも何日かかけて食べあさるもんだからどんどん腐敗が進んでいくので俺はティッシュで鼻栓をして作業をしていた。ローズはその姿がなぜかツボにハマったらしく初日は顔を合わせてくれなかった。
魔王様は魔法で何とかしてくれるかと思いきや、ローズと一緒に笑い転げていてしばらくその姿を見たいからとかいう理由でいまだに対処はしてもらっていない。もうすでにその姿を見慣れてクスリともしないにも関わらずだ!
そしてカブ吉は最近話せるようになり、正月以降は会話を楽しみながら世話をしている。目の前で臭いなどと言おうものなら触手のツッコみが飛んでくる。
カブタンはというともうそろそろ脱皮するころだ。この三が日の内には成長を遂げた姿を見られることだろう。
「ローズさんはここに来てから人間界へは遊びに行ったりしてるんですか?」
「夜中に少し出てみたりしたけどまだいい男には巡り合えてないわ。と言うかキーチローの邪心が美味しすぎて……」
「はあ、そういうもんですか」
「デボラ様の魔力はよほど純度が高いのね。こんな良質な邪心にはそうそう巡り合えないわね」
ローズの目がキラリと光っている。貞操の危機というか純朴な青年のハートが狙われているというかとにかく俺は掘り下げないことにした。
「この臭いさえなければもっと世話が楽なのに……」
言うが早いか触手の鞭が飛んできた。
「何を言うてんの! この臭いがええんやんか! 今度僕のご飯分けてあげよか?」
「いや、遠慮しとくよ。エイジング加工と言い張られても食べる気はない」
「ようわからんけど、おいしいのに……」
「俺はまだ人間でいたい」
「はたで見てると一人で話してるようにしか見えないから不思議な光景ね」
確かにヘルワームたちの声が聞こえないとただのイタイ人だ。これももっと簡単に共有できれば助かるんだけどなぁ……。
「あ、カブタン……そろそろやで! たぶん!」
「ほんとか!? よし、見てくる!」
そう言うと俺は隣の房へ移動した。
「あ、確かに! ローズさん! 魔王様とベルさんに連絡できますか?」
「はいはーい」
「カブタンの背中に筋が入ってます!」
魔王様とベルの到着を待たずしてカブタンの背中が割れ始める。中からはやはりカブ吉と同じ乳白色のカブタンが出てきた。
さぁ、お話ししよう! カブタン!
「コラ、なにメンチきっとるんじゃボケ」
「…………え?」
「お前、そこのお前や!」
「か、カブタン?」
「おい、ガキの頃の食事に野菜混ぜたん覚えとるか?」
「は、はい。虫と言えばキャベツかなと思って」
「土はアカンて散々訴えたけど、次に出してきたのが野菜て! ちょっとそこに立てぇ!」
「は、はい」
「次に出してきたあの肉。あれなんや!」
「ぶ、豚の肉でして……」
「アレはエエ。アレは旨かった」
「何よりです……」
「ええか? 食いモンの恨みは怖いんやで? よーく覚えときや?」
「はい……」
――――――思ってたんと違う!!!!!!!
「あの、言葉遣いがカブ吉と違って少しお荒いと申しますか……」
「何か文句あるんか?」
「イエ、ダイジョーブッス」
「ほな、ええ」
愛情かけて育てたペットとの初会話を楽しみにしていたのだが、俺の前に現れたのは大阪で活躍する街金かと思うほどに荒く、そして粗暴な輩だった。
「キーチロー? なぜ、カブタンの前で正座している?」
「で、デボラ様……」
「あ、デボラ様や」
魔王様は小脇にヘルワームを抱えて立っていた。
「見ろ! キーチロー! 一匹だが色が少し薄い個体だ! もしかしたらメスかもしれん! もうすでに脱皮も終えているっぽいぞ!」
俺はカブタンの方を見た。
「おお! メスのお仲間やんけ! 俺はまだ交尾できんけどそばにおいてくれや!」
「何やこの下品なヤツ。うちこんな奴と一緒に居りとうないわ」
俺はカブタン応援派だったが少し胸がスッとしたような気がした。
「カブタン、女の子には優しくしないと!」
どうやらカブタンは少しダメージを受けたようだ。クルリと後ろを向いてしまった。
「メスか! メスなんだな!? ええい。なんて言ってるか解らん! もどかしいな! 何か方法は……」
魔王様はグルグルとその場を回りはじめ、考え込んでいるようだ。
「そうだ! 箱庭に名前を付けよう!」
魔王様の言っていることがさっぱり理解できていない俺は少し遅れてやってきたベルに聞いてみることにした。
「名前って急にデボラ様は何を言い出したんです?」
「モノに名前を授けるとやがて魔力を帯びるようになり、様々な機能が付加されることがあります」
「ほお、ソレはすごい!」
「うーん……。名前なぁ」
「デボラ様がこの箱庭をどんなふうにしていきたいかってイメージでつけてみたらどうですか?」
「ウーム……」
「……うん。決めたぞ!」
しばらく悩んだ後、魔王様は声を上げた。
「汝、只今よりアルカディア・ボックスと名乗るがよい!」
魔王様が叫ぶと箱庭の中の地獄が一瞬、光に包まれたかのように輝きそして元に戻った。
「我はこの箱庭を魔物たちの理想郷にしたいのだ! これ以上相応しい名前は無いだろう!」
「へぇ。なんかカッコいい名前ですね」
「名前が決まると俄然、任務にハクがつきますわね。デボラ様!」
「なんと美しい響き……。デボラ様はやはり聡明叡知であらせられる」
「よし、この魔力とキーチローをリンクして【転送】の応用で……」
「一体何が始まるんです?」
「キーチローの聞いた言葉が話した本人の上に浮かぶようにした。これで、我々も会話に参加できるぞ!」
「コレ、俺の思ってる言葉浮かびませんよね!?」
「そうしてやってもよいのだがな」
魔王様はいたずらっぽい笑顔で答えた。
「やることなすこと魔王様過ぎる!」
「さて、名前を与えてやったから外見も少し変わっているかもしれん。ちょっと見に行こう!」
俺たちが箱庭の外に飛び出ると、確かに箱庭の様子は一変していた。
元々、木箱の蓋がないようなものに地獄の風景らしきものが見えていたのだが、今はどちらかと言うと宝箱のように豪奢な装飾が付き、扉型の蓋もついている。
「ふむ。いい感じだな。少し遊び心を加えるか!」
魔王様が手をかざすと箱に文字が刻まれた。
――Et in Arcadia ego――
「どういう意味です?」
「コレか? コレはな、シャレでお洒落だ」
「なるほど、全然わかりません」
「そのうち解るさ!」
「よし! 今日はやりたいことをやったから帰る! あとは任せた!」
そういうと魔王様はとっとと帰ってしまったのであった……。
魔王様は魔法で何とかしてくれるかと思いきや、ローズと一緒に笑い転げていてしばらくその姿を見たいからとかいう理由でいまだに対処はしてもらっていない。もうすでにその姿を見慣れてクスリともしないにも関わらずだ!
そしてカブ吉は最近話せるようになり、正月以降は会話を楽しみながら世話をしている。目の前で臭いなどと言おうものなら触手のツッコみが飛んでくる。
カブタンはというともうそろそろ脱皮するころだ。この三が日の内には成長を遂げた姿を見られることだろう。
「ローズさんはここに来てから人間界へは遊びに行ったりしてるんですか?」
「夜中に少し出てみたりしたけどまだいい男には巡り合えてないわ。と言うかキーチローの邪心が美味しすぎて……」
「はあ、そういうもんですか」
「デボラ様の魔力はよほど純度が高いのね。こんな良質な邪心にはそうそう巡り合えないわね」
ローズの目がキラリと光っている。貞操の危機というか純朴な青年のハートが狙われているというかとにかく俺は掘り下げないことにした。
「この臭いさえなければもっと世話が楽なのに……」
言うが早いか触手の鞭が飛んできた。
「何を言うてんの! この臭いがええんやんか! 今度僕のご飯分けてあげよか?」
「いや、遠慮しとくよ。エイジング加工と言い張られても食べる気はない」
「ようわからんけど、おいしいのに……」
「俺はまだ人間でいたい」
「はたで見てると一人で話してるようにしか見えないから不思議な光景ね」
確かにヘルワームたちの声が聞こえないとただのイタイ人だ。これももっと簡単に共有できれば助かるんだけどなぁ……。
「あ、カブタン……そろそろやで! たぶん!」
「ほんとか!? よし、見てくる!」
そう言うと俺は隣の房へ移動した。
「あ、確かに! ローズさん! 魔王様とベルさんに連絡できますか?」
「はいはーい」
「カブタンの背中に筋が入ってます!」
魔王様とベルの到着を待たずしてカブタンの背中が割れ始める。中からはやはりカブ吉と同じ乳白色のカブタンが出てきた。
さぁ、お話ししよう! カブタン!
「コラ、なにメンチきっとるんじゃボケ」
「…………え?」
「お前、そこのお前や!」
「か、カブタン?」
「おい、ガキの頃の食事に野菜混ぜたん覚えとるか?」
「は、はい。虫と言えばキャベツかなと思って」
「土はアカンて散々訴えたけど、次に出してきたのが野菜て! ちょっとそこに立てぇ!」
「は、はい」
「次に出してきたあの肉。あれなんや!」
「ぶ、豚の肉でして……」
「アレはエエ。アレは旨かった」
「何よりです……」
「ええか? 食いモンの恨みは怖いんやで? よーく覚えときや?」
「はい……」
――――――思ってたんと違う!!!!!!!
「あの、言葉遣いがカブ吉と違って少しお荒いと申しますか……」
「何か文句あるんか?」
「イエ、ダイジョーブッス」
「ほな、ええ」
愛情かけて育てたペットとの初会話を楽しみにしていたのだが、俺の前に現れたのは大阪で活躍する街金かと思うほどに荒く、そして粗暴な輩だった。
「キーチロー? なぜ、カブタンの前で正座している?」
「で、デボラ様……」
「あ、デボラ様や」
魔王様は小脇にヘルワームを抱えて立っていた。
「見ろ! キーチロー! 一匹だが色が少し薄い個体だ! もしかしたらメスかもしれん! もうすでに脱皮も終えているっぽいぞ!」
俺はカブタンの方を見た。
「おお! メスのお仲間やんけ! 俺はまだ交尾できんけどそばにおいてくれや!」
「何やこの下品なヤツ。うちこんな奴と一緒に居りとうないわ」
俺はカブタン応援派だったが少し胸がスッとしたような気がした。
「カブタン、女の子には優しくしないと!」
どうやらカブタンは少しダメージを受けたようだ。クルリと後ろを向いてしまった。
「メスか! メスなんだな!? ええい。なんて言ってるか解らん! もどかしいな! 何か方法は……」
魔王様はグルグルとその場を回りはじめ、考え込んでいるようだ。
「そうだ! 箱庭に名前を付けよう!」
魔王様の言っていることがさっぱり理解できていない俺は少し遅れてやってきたベルに聞いてみることにした。
「名前って急にデボラ様は何を言い出したんです?」
「モノに名前を授けるとやがて魔力を帯びるようになり、様々な機能が付加されることがあります」
「ほお、ソレはすごい!」
「うーん……。名前なぁ」
「デボラ様がこの箱庭をどんなふうにしていきたいかってイメージでつけてみたらどうですか?」
「ウーム……」
「……うん。決めたぞ!」
しばらく悩んだ後、魔王様は声を上げた。
「汝、只今よりアルカディア・ボックスと名乗るがよい!」
魔王様が叫ぶと箱庭の中の地獄が一瞬、光に包まれたかのように輝きそして元に戻った。
「我はこの箱庭を魔物たちの理想郷にしたいのだ! これ以上相応しい名前は無いだろう!」
「へぇ。なんかカッコいい名前ですね」
「名前が決まると俄然、任務にハクがつきますわね。デボラ様!」
「なんと美しい響き……。デボラ様はやはり聡明叡知であらせられる」
「よし、この魔力とキーチローをリンクして【転送】の応用で……」
「一体何が始まるんです?」
「キーチローの聞いた言葉が話した本人の上に浮かぶようにした。これで、我々も会話に参加できるぞ!」
「コレ、俺の思ってる言葉浮かびませんよね!?」
「そうしてやってもよいのだがな」
魔王様はいたずらっぽい笑顔で答えた。
「やることなすこと魔王様過ぎる!」
「さて、名前を与えてやったから外見も少し変わっているかもしれん。ちょっと見に行こう!」
俺たちが箱庭の外に飛び出ると、確かに箱庭の様子は一変していた。
元々、木箱の蓋がないようなものに地獄の風景らしきものが見えていたのだが、今はどちらかと言うと宝箱のように豪奢な装飾が付き、扉型の蓋もついている。
「ふむ。いい感じだな。少し遊び心を加えるか!」
魔王様が手をかざすと箱に文字が刻まれた。
――Et in Arcadia ego――
「どういう意味です?」
「コレか? コレはな、シャレでお洒落だ」
「なるほど、全然わかりません」
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