出会いと別れと復讐と

カザハナ

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 カルラの美形嫌いは根が深い。子供の頃から散々嫌な目に合ってるのだ。

 ただ、そんなカルラにも、一人だけ別格の美形が存在した。

 (ヴィート兄さんになら巻き込まれてもいいけど、他の鬼門の人達に巻き込まれるのは無理だわ。ストレスにしかならない。……ヴィート兄さん、今どうしてるかな)

 ヴィートは、カルラにとって家族同然であり、カルラを子供の頃から可愛がってくれてた大好きな人だった。

 家族を亡くし、カルラが唯一頼ろうとした存在。

 でも、ヴィートに会う前に、カルラは捕まってしまった。“あいつ等”に。

 そして、カルラはずっと囚われ続けていたのだ。最悪の環境で。

 カルラは、魔力研究所に捕まった人体実験モルモットの内の一人だ。

 いつ死んでもおかしくない薬物投与を数え切れない程繰り返され、生死の境を幾度も彷徨さまよい、死なないギリギリの状態を保たされた挙げ句、他のモルモットとなった能力者の実験や薬で狂わせる場面を見せ付けられたり、能力者達がガラス越しで犯され続けるのを見せ付けられたり。産まれた子供が研究所で使えなければ能力者達の目の前で平然と処分する。それが魔力研究所の連中のやり方だ。

 カルラだって子供を産む道具とされただろう。カルラの能力が魔力目視解析でなければだが。

 魔力目視解析の能力者は魔力をその身に巡らせる。その為、放出型の能力者とは違い、体内に高濃度の魔力が流れていて、無理矢理犯せば相手が高濃度の魔力によって死に至る。

 それを魔力研究所はカルラと同じ能力者によって突き止めていたのだ。

 魔力研究所はカルラと同じ、魔力目視解析の能力者を過去に何度か捕まえ、貴重な魔力目視解析者を殺してしまっているのだ。カルラは死なせないよう一応注意していたようだが、死なせなければいいという見解な為にカルラを幾度も生死の境へと追い込んだのだ。

 それが自身の破滅になるとも知らずに。

 (もう、普通の平穏な生活は出来ないけど、ヴィート兄さんには幸せになってほしい。私の事なんて忘れて、未来のお嫁さんを見付けて頑張って生きていってほしい。私はもう、人とは違う化け物だから……)

 カルラは復讐の為に生きると決意した時、人では持ち得ない能力を覚醒させた。

 本来魔力は能力者の生命に負担が掛からないよう制御されてるものだが、カルラは生死の境を幾度も彷徨った為にリミッターが壊れてしまい、生命力や寿命を魔力変換してしまえるのだ。

 そして、薬物投与を繰り返されたのも要因の一つで、カルラは内に眠る膨大な魔力が、使う事のない眠っていた能力を表面化覚醒し、普通ではあり得ない程の化け物じみた能力を手に入れた。助けた他の能力者からも、化け物と呼ばれる程の能力を。
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