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カルラが街に戻った時、街は大変な騒ぎとなっていた。
それもそうだろう。街の大切な収入源で有り、街の発展を向上させるのに欠かせない、潤沢な魔石の宝庫で有る採掘場だったのだから。
因みに、カルラが姿を借りた女研究員が捕まる事は無い。
カルラが覚醒した際に、その研究所に居た女で、カルラの担当では無かったが、カルラに幾度も投薬をした研究所員の一人だからだ。
その彼女も今頃は、カルラの記憶改竄と言う洗脳と強力な物質変化で、家畜の姿を取らされている為、逃げ続けているか、家畜として強制労働させられている事だろう。
家畜として食べられてる可能性も有るが、カルラとしては、そこまでの面倒を見る気は無いので、どうでもいい事だ。
宿屋に着くと、ティファが抱き抱えられながらお出迎えしてくれた。
ティファ的には、前回同様走り寄りたい所だろうが、今の街の様子だと、ちょっとした事でもいざこざに巻き込まれる危険性が有る為、ザアイがティファを抱えていた。
「お帰りなさい、カルラさん。ご無事で何よりです」
「何だか大変な事になってるわね。変な事に巻き込まれない内に、この街から去りましょう」
「そうですね。それが良いです」
本当ならばこの騒ぎだからと、ティファを連れて逃げてくれていた方が良かったのだが、一応旅や一般の常識を彼等に教え込んでいる最中だからと、カルラは自分に言い聞かせる。
今は護衛と言う面以外では全く頼りにならない三人だが、暫くはカルラから常識を学ばせて置かなくては、この先ティファが可哀想だと思うからこそ、現状維持で旅の同行者になっているのだ。
カルラとしては一刻も早く、彼等に常識を叩き込み、一人旅を再開させたいと言うのが本音だろう。
魔力研究所の本部に近付けば近付く程に、魔力持ちで有り、神の愛し子で有るティファは、あの研究所に実験体として、狙われる危険性が増えるのだから。
この先、この街では魔石の価格が高騰し、この街の魔石を奪ったであろう魔力研究所は敵視され、容疑者を捕まえる事も出来ずに責められる上、魔石の供給量が極端に無くなるのだから。
元々魔力研究所の関係者はあのゲートを通らないし、容疑者となるのは魔力の高い者達だが、カルラがゲートの性能を書き換え、ほぼ無効果したような物なのだから、旅人や商人達が疑われる事は少ないだろう。
あれ程の潤沢な魔石を全て石にするだなんて、一般人に出来る訳が無いのだから。
そうしてカルラはティファ達を連れて、何食わぬ顔でこの街を後にした。
それもそうだろう。街の大切な収入源で有り、街の発展を向上させるのに欠かせない、潤沢な魔石の宝庫で有る採掘場だったのだから。
因みに、カルラが姿を借りた女研究員が捕まる事は無い。
カルラが覚醒した際に、その研究所に居た女で、カルラの担当では無かったが、カルラに幾度も投薬をした研究所員の一人だからだ。
その彼女も今頃は、カルラの記憶改竄と言う洗脳と強力な物質変化で、家畜の姿を取らされている為、逃げ続けているか、家畜として強制労働させられている事だろう。
家畜として食べられてる可能性も有るが、カルラとしては、そこまでの面倒を見る気は無いので、どうでもいい事だ。
宿屋に着くと、ティファが抱き抱えられながらお出迎えしてくれた。
ティファ的には、前回同様走り寄りたい所だろうが、今の街の様子だと、ちょっとした事でもいざこざに巻き込まれる危険性が有る為、ザアイがティファを抱えていた。
「お帰りなさい、カルラさん。ご無事で何よりです」
「何だか大変な事になってるわね。変な事に巻き込まれない内に、この街から去りましょう」
「そうですね。それが良いです」
本当ならばこの騒ぎだからと、ティファを連れて逃げてくれていた方が良かったのだが、一応旅や一般の常識を彼等に教え込んでいる最中だからと、カルラは自分に言い聞かせる。
今は護衛と言う面以外では全く頼りにならない三人だが、暫くはカルラから常識を学ばせて置かなくては、この先ティファが可哀想だと思うからこそ、現状維持で旅の同行者になっているのだ。
カルラとしては一刻も早く、彼等に常識を叩き込み、一人旅を再開させたいと言うのが本音だろう。
魔力研究所の本部に近付けば近付く程に、魔力持ちで有り、神の愛し子で有るティファは、あの研究所に実験体として、狙われる危険性が増えるのだから。
この先、この街では魔石の価格が高騰し、この街の魔石を奪ったであろう魔力研究所は敵視され、容疑者を捕まえる事も出来ずに責められる上、魔石の供給量が極端に無くなるのだから。
元々魔力研究所の関係者はあのゲートを通らないし、容疑者となるのは魔力の高い者達だが、カルラがゲートの性能を書き換え、ほぼ無効果したような物なのだから、旅人や商人達が疑われる事は少ないだろう。
あれ程の潤沢な魔石を全て石にするだなんて、一般人に出来る訳が無いのだから。
そうしてカルラはティファ達を連れて、何食わぬ顔でこの街を後にした。
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