110 / 116
105
しおりを挟む
「……えっと、こいつ等どうしようか?」
本来、ザアイに聞く筈の言葉だが、ヒューリーはカルラに聞いた。
これ以上の駄目出しはされたく無いからだ。
(私だけなら、記憶操作や改竄しまくって、ポイするんだけど、こいつ等の前でして、変に疑われても困るのよね~。さて、どうしようかしら?)
「縛り上げて放置で良いんじゃないかしら?野獣に襲われた場合は自業自得だし、同業者だろうと同じだし。他人を襲って自分等は襲われないなんてご都合主義も良いとこだわ。勿論、腕が有るならアジト壊滅させるって手も有るけど、ティファの安全重視なら、放置が一番だもの。あなた達が居るなら、万が一追加が来ても、大丈夫なんでしょう?」
取り敢えず、念の為に、確認も入れて置く。
彼等の実力は高いと判っているが、それを子供の姿をしたカルラが言えば、藪蛇になる可能性が高い。
子供の頃、カルラの住んでた宿に、たまに顔を見せてくれた、顔に大きな傷の有るお客さんは、多分、彼等と同じか、それ以上に強かった気がする。
とは言っても、子供の記憶。
変に美化したり、普通だろうと、その時は物凄く強く見えたりという事も有ったりするので、あくまでも気がするとしか言えないが。
カルラは何度か顔に大きな傷の有るおじさん、グレンに、鬼門が絡んで来てる時、何度も助けて貰ったからだ。
(何しろ子供の頃の記憶だし、あの時は、強いおじさん!としか思わなかったからなぁ)
そんな事をカルラが思っていると、ヒューリーが力強く頷いた。
「うん。それは大丈夫だよ。さっきの腕ぐらいなら、エンヤ一人でも、余裕で倒せるし」
「じゃあ、この辺に転がした後は、早々にこの場を去りましょう。これ以上留まって追加に来られても時間が勿体無いし、相手をする必要が無ければ、その方が楽だもの」
そう言って、カルラは次の街を目指した。
次の街は、魔力研究所の恩恵を受ける街で、街中が機械で埋め尽くされている場所だ。
そうは言っても、近くに大きな魔力研究所が有る訳でも無く、要は、魔力研究所に多大な資金を送り、その見返りに、魔力研究所から、便利な機械装置を融通して貰っていたりする場所だ。
この街の周辺には、良質の鉱山が有るらしく、そこから数々の魔石や宝石が取れるそうだ。
(その資金源を、私の能力で全部屑石に変えたら、どうなるのかしらね?)
魔力研究所の資金源、なんて物の供給は、本来無くて良い物よね?どうせこの先潰す物なんだからと、カルラは内心で自己完結させた。
本来、ザアイに聞く筈の言葉だが、ヒューリーはカルラに聞いた。
これ以上の駄目出しはされたく無いからだ。
(私だけなら、記憶操作や改竄しまくって、ポイするんだけど、こいつ等の前でして、変に疑われても困るのよね~。さて、どうしようかしら?)
「縛り上げて放置で良いんじゃないかしら?野獣に襲われた場合は自業自得だし、同業者だろうと同じだし。他人を襲って自分等は襲われないなんてご都合主義も良いとこだわ。勿論、腕が有るならアジト壊滅させるって手も有るけど、ティファの安全重視なら、放置が一番だもの。あなた達が居るなら、万が一追加が来ても、大丈夫なんでしょう?」
取り敢えず、念の為に、確認も入れて置く。
彼等の実力は高いと判っているが、それを子供の姿をしたカルラが言えば、藪蛇になる可能性が高い。
子供の頃、カルラの住んでた宿に、たまに顔を見せてくれた、顔に大きな傷の有るお客さんは、多分、彼等と同じか、それ以上に強かった気がする。
とは言っても、子供の記憶。
変に美化したり、普通だろうと、その時は物凄く強く見えたりという事も有ったりするので、あくまでも気がするとしか言えないが。
カルラは何度か顔に大きな傷の有るおじさん、グレンに、鬼門が絡んで来てる時、何度も助けて貰ったからだ。
(何しろ子供の頃の記憶だし、あの時は、強いおじさん!としか思わなかったからなぁ)
そんな事をカルラが思っていると、ヒューリーが力強く頷いた。
「うん。それは大丈夫だよ。さっきの腕ぐらいなら、エンヤ一人でも、余裕で倒せるし」
「じゃあ、この辺に転がした後は、早々にこの場を去りましょう。これ以上留まって追加に来られても時間が勿体無いし、相手をする必要が無ければ、その方が楽だもの」
そう言って、カルラは次の街を目指した。
次の街は、魔力研究所の恩恵を受ける街で、街中が機械で埋め尽くされている場所だ。
そうは言っても、近くに大きな魔力研究所が有る訳でも無く、要は、魔力研究所に多大な資金を送り、その見返りに、魔力研究所から、便利な機械装置を融通して貰っていたりする場所だ。
この街の周辺には、良質の鉱山が有るらしく、そこから数々の魔石や宝石が取れるそうだ。
(その資金源を、私の能力で全部屑石に変えたら、どうなるのかしらね?)
魔力研究所の資金源、なんて物の供給は、本来無くて良い物よね?どうせこの先潰す物なんだからと、カルラは内心で自己完結させた。
0
お気に入りに追加
132
あなたにおすすめの小説
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
幼い頃に魔境に捨てたくせに、今更戻れと言われて戻るはずがないでしょ!
克全
恋愛
「カクヨム」と「小説家になろう」にも投稿しています。
ニルラル公爵の令嬢カチュアは、僅か3才の時に大魔境に捨てられた。ニルラル公爵を誑かした悪女、ビエンナの仕業だった。普通なら獣に喰われて死にはずなのだが、カチュアは大陸一の強国ミルバル皇国の次期聖女で、聖獣に護られ生きていた。一方の皇国では、次期聖女を見つけることができず、当代の聖女も役目の負担で病み衰え、次期聖女発見に皇国の存亡がかかっていた。
【完結】あなたに知られたくなかった
ここ
ファンタジー
セレナの幸せな生活はあっという間に消え去った。新しい継母と異母妹によって。
5歳まで令嬢として生きてきたセレナは6歳の今は、小さな手足で必死に下女見習いをしている。もう自分が令嬢だということは忘れていた。
そんなセレナに起きた奇跡とは?
人質姫と忘れんぼ王子
雪野 結莉
恋愛
何故か、同じ親から生まれた姉妹のはずなのに、第二王女の私は冷遇され、第一王女のお姉様ばかりが可愛がられる。
やりたいことすらやらせてもらえず、諦めた人生を送っていたが、戦争に負けてお金の為に私は売られることとなった。
お姉様は悠々と今まで通りの生活を送るのに…。
初めて投稿します。
書きたいシーンがあり、そのために書き始めました。
初めての投稿のため、何度も改稿するかもしれませんが、どうぞよろしくお願いします。
小説家になろう様にも掲載しております。
読んでくださった方が、表紙を作ってくださいました。
新○文庫風に作ったそうです。
気に入っています(╹◡╹)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる