出会いと別れと復讐と

カザハナ

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 女達の話し合いにうんざりしたカルラは、毎回これに付き合っているのかと、呆れた目で三人を見る。例によって、エンヤは本気で嫌そうな顔をしてはいるが、止めようとする素振りは無い。

(そんなに嫌なら対策立てれば良いでしょうが。私の今の身長じゃあ見えないけど、近くにいる男性に声を掛けてその人に案内して貰うとか……。別に彼女達でなきゃいけない訳でも無いってのに……)

 カルラとしては、何故そんな事すら分からないのかと呆れるばかりだ。

 とは言え、カルラが突っ込めば、確実にカルラが敵意を向けられる事は間違いない為、馬鹿らしいと思いながらも、付き合わなければならないカルラにとっては苦痛の時間だ。

 漸く話し合いが終わったのか、十人程の女性達に連行される形で、ヘルドさんと呼ばれるお宅に訪問する事になる。

 交渉は彼女達に任せて置くことにしたカルラ。投げ遣りと言っても良いだろう。何せ、話し合いに一時間近くを要したのだから。


「何日でも使って良いそうですよ!何なら住み着いちゃって下さいよ♥」

「急ぐ旅だから一日だけで結構です」


 後ろからカルラが言えば、睨まれる。

 周囲も光りが消えているし、魅了の効力は既に無い。


「貴女には聞いて無いわ。ねぇ、少しぐらい良いじゃないですか」

「お嬢が言ったように、急ぐ旅だから、ごめんね」

「そうなんですかぁ?残念です~」

「じゃあ、もう少しお話しさせて下さ~い!折角知り合えたんだし、これも何かの縁ですよ!」


(帰れ!もしくは、その鬼門共を連れて外で話せ!!私は興味無いから、好きなだけ話して構わないけど、私やティファを巻き込むんじゃないわよ!余所でやれ余所で!!)

 キャイキャイと煩過ぎて、カルラは苛立ちが募る。

 これが今後続くと考えるだけで、頭が痛い。今の内にこっそりと姿を眩ました方が良いのではないかと思うものの、ティファの事を考えるとそうもいかない。

(こんな時ぐらい、私に突っ掛かるように、この煩い女達に文句を言いなさいよ!!この腰抜け!)

 思わずエンヤを後ろから睨み付け、もう一度カルラが声を掛ける。今度は怒りを乗せて。


「頭が痛いから、薬を飲んで寝たいの。煩くするなら出ていって。もしくは、今から村を出て野宿するわ。別にあたし一人が出て行っても良いわよ?あたしは元々この三人と旅がしたくてしている訳じゃないの。あたしがいなくて困るのはその三人の方だから」

「「「なっ?!!」」」

「帰って貰うから!お嬢は大事な同行人で、居なくなられたら困るからね!!そう言う事だから帰って貰えるかな?!彼女には、ただでさえ無理を言って同行して貰ってる状態なんだから、これ以上機嫌を損ねたく無いんだよ!ただでさえ僕達は嫌われてるのに、悪化させないでくれる?」

「誰もがこの、残念美形を狙ってるなんて思わないでよね。こんな疫病神、いつでもくれてやるわよ!!」

「お嬢、酷い!」

「煩い、このポンコツ美形共!!彼女達の相手をしたいなら外でやれ!」


 カルラは女性達に、子供と思えぬ怒気と威圧感を与えて、ビビらせてやった。
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