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食事を終えて宿に戻り、部屋でティファと二人切りになる。
鬼門達といる事自体に余計な気を配らなければならない為、どっと疲れが出るが、ティファと二人切りならその疲れも癒される。
寝る用意を済ませ、ティファをベッドに入れる。
「明日は宿屋のキッチン借りて、パンとか色々作るけど、ティファも一緒に来て手伝ってみる?」
カルラの言葉にティファはパッと表情を輝かせるが、段々その表情を曇らせる。
自分では役に立たないかも知れないと思ったのだろう。
役に立つ所か足を引っ張ったらどうしよう、失敗しかしなかったら……?
住んでた街では侍女達に、散々何も出来ない手を出すなと言われてきたのだ。カルラの手伝いはしてみたいけど、迷惑しか掛けなくて、嫌われたらどうしようと不安になるのは当然だ。
「大丈夫よ、ティファでも出来るわ。ティファはこれから、色々覚える事が出来るのよ。失敗したって構わないわ、誰だって最初は失敗する事の方が多いんだから。こういった事は楽しんだ者勝ちよ♪」
ティファが変な心配をしていそうなので、カルラは思った事を口にする。多分、昔弟が心配していた不安と同じだろうと。
ヒースもカルラによく引っ付いていたが、一緒にしようと誘うと、大丈夫?失敗しない?嫌になったりしない?とカルラに聞いてきた事もあったから。
カルラが本当に楽しそうな顔を見せるから、ティファもホッとして頷いた。
「じゃあ、ゆっくり休んで明日も頑張ろう。おやすみ、ティファ」
カルラの言葉に頷き、ティファは目を閉じる。
それを見守り、カルラもベッドへと潜り込んで就寝する。
翌朝、買い物に行く事を伝え、一緒に来るかと問い掛ければ、ティファは頷くので守護者達に声を掛けてから市場に向かう。
一通り揃えて宿屋に戻り、キッチンを借りる。
男三人もキッチンに入られると邪魔でしかないので、ヒューリーだけ入ってもらう。
(三人の中で、ヒューリーが一番マシなのよね。エンヤさんは煩い、ザアイさんは公害声。しかもザアイさんは不器用と見たわ。野外調理で野菜の皮を剥かせようとしたら、食べる部分が殆ど無い状態だったもの。エンヤさんは器用だけど、文句が多くてウザったい。消去法でいくとヒューリーしかいないから仕方ないけど、働かな過ぎでしょ、守護者の癖に)
料理関連はヒューリーに仕込むが、守護者として役に立ってるのか、疑問に思うカルラだった。
鬼門達といる事自体に余計な気を配らなければならない為、どっと疲れが出るが、ティファと二人切りならその疲れも癒される。
寝る用意を済ませ、ティファをベッドに入れる。
「明日は宿屋のキッチン借りて、パンとか色々作るけど、ティファも一緒に来て手伝ってみる?」
カルラの言葉にティファはパッと表情を輝かせるが、段々その表情を曇らせる。
自分では役に立たないかも知れないと思ったのだろう。
役に立つ所か足を引っ張ったらどうしよう、失敗しかしなかったら……?
住んでた街では侍女達に、散々何も出来ない手を出すなと言われてきたのだ。カルラの手伝いはしてみたいけど、迷惑しか掛けなくて、嫌われたらどうしようと不安になるのは当然だ。
「大丈夫よ、ティファでも出来るわ。ティファはこれから、色々覚える事が出来るのよ。失敗したって構わないわ、誰だって最初は失敗する事の方が多いんだから。こういった事は楽しんだ者勝ちよ♪」
ティファが変な心配をしていそうなので、カルラは思った事を口にする。多分、昔弟が心配していた不安と同じだろうと。
ヒースもカルラによく引っ付いていたが、一緒にしようと誘うと、大丈夫?失敗しない?嫌になったりしない?とカルラに聞いてきた事もあったから。
カルラが本当に楽しそうな顔を見せるから、ティファもホッとして頷いた。
「じゃあ、ゆっくり休んで明日も頑張ろう。おやすみ、ティファ」
カルラの言葉に頷き、ティファは目を閉じる。
それを見守り、カルラもベッドへと潜り込んで就寝する。
翌朝、買い物に行く事を伝え、一緒に来るかと問い掛ければ、ティファは頷くので守護者達に声を掛けてから市場に向かう。
一通り揃えて宿屋に戻り、キッチンを借りる。
男三人もキッチンに入られると邪魔でしかないので、ヒューリーだけ入ってもらう。
(三人の中で、ヒューリーが一番マシなのよね。エンヤさんは煩い、ザアイさんは公害声。しかもザアイさんは不器用と見たわ。野外調理で野菜の皮を剥かせようとしたら、食べる部分が殆ど無い状態だったもの。エンヤさんは器用だけど、文句が多くてウザったい。消去法でいくとヒューリーしかいないから仕方ないけど、働かな過ぎでしょ、守護者の癖に)
料理関連はヒューリーに仕込むが、守護者として役に立ってるのか、疑問に思うカルラだった。
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