出会いと別れと復讐と

カザハナ

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 子供でも、男に媚びを売る子もいるし、それが美形となれば尚更だ。ましてや、自分を護る立場にいるのなら、同性に近付いてほしくない女の子も多いだろう。

 その点ティファは、彼等が他の人と話す事を嫌がる素振りもないし、彼等に依存しているような感じでもない。どちらかと言えば、彼等の方、特にエンヤがティファに依存しているような感じがする程だ。

 初めてエンヤ達と出会った夜、エンヤはカルラに敵意剥き出しで言った。


「お前がティファをティファと呼ぶな!」


 カルラはその言葉に、何言ってんだこいつ?と思った所、エンヤがその表情を読み、馬鹿にしたような顔で説明する。


「ティファは愛称だ。ティファーラと呼べ!」


 そうエンヤに言われたティファは最初、キョトンとしていたが、そういうものかとカルラがティファを見て繰り返す。


「ティファーラ……」


 そうカルラが言った瞬間、ティファが理解したのか、泣きそうな顔をする。それを見たカルラはエンヤを冷めた目で見ると、エンヤは物凄く焦っていた。


「って呼ばれたい?それとも、ティファ?」


 カルラがそう言えば、前半で首を横に振り、後半で首を縦に思いっ切り振っていた。

 その後、ティファはカルラの服を握りしめ、エンヤを涙目で恨めし気に見上げていた為、エンヤが落ち込んでいたが、これこそ自業自得だろう。

 それ以降カルラはティファを愛称で呼んでいるが、さすがにあれ以降、エンヤはティファの愛称に付いて口を挟まなくなった。

 とは言うものの、彼は何かに付けてカルラを敵視する。カルラにとっては迷惑な程に。

 (この男に睨まれようと、痛くも痒くも恐くもないけど、鬱陶しいのよね。ティファが絡むと特にだけど、その異常性に気付いていないのかしら?)

 カルラは、ティファの歩調に合わせて歩いていると、後ろを歩いていたエンヤが苛立ちの声を上げる。


「お前、もっと速く歩けないのか?!」

「あたしは、ティファに合わせてるんだけど?そもそも、一番小さなティファに合わせて歩くのは当然だし、大人と子供の足の速さが違うのも当たり前よね?それとも、足が長いと自慢でもしているつもりなのかしら?」

「~~っっ!!ティファ、疲れただろ、抱き上げてやる」


 そう言うと、エンヤは強制的にティファを抱き上げた。

 それを見たカルラが立ち止まり、エンヤを睨み上げる。


「エンヤさん、ティファの努力を無駄にしないでくれる?これからも旅を続ける気なら、ティファを甘やかし過ぎないで。そんな事ばかり続けてると、ティファの為にならないわ」
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