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~港町エルト・デ・ルム~
いざ中央〈デ・トルト〉大陸へ
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翌日の朝にいつもの時間にここで集まり出港する事にして、僕とジムじいちゃんは別れた。明日からは中央大陸に向けての船旅だ。通常一番近い港までは大体5ディフェル(※5日)程。ジムじいちゃんの船なら2~3ディフェルで着くんじゃないかな?
とにかく、夕方まではまだまだ時間があるので久しぶりにエルト・デ・ルムの中を散策する。
港町とだけあって、様々な魚介類を取り扱う店や屋台を巡り、ちょっと買い食い♪うん。やっぱ新鮮で美味しい!
いつでもこの大陸に、帰って来ようと思えば帰って来れるけど、暫くは帰って来ないだろうから、今日ぐらいは満喫しないとね♪
翌朝、皆と一緒にジムじいちゃんの船へと向かった。そして、ジムじいちゃんの船を見て驚いてる。
「修理って、こんな大きな船だったの?!」
いや、船の規模で言えばこれは小回りの利く中型船。まぁ中型船でもかなり大きいタイプだけど、兄さんにそれが分かる気はしない。
「うわ~、俺ここに来て色んな船見たけど、格好良いなぁ。この船に乗るのか?」
「そうだよ。あれが僕とジムじいちゃんで修理した船。もう直ぐ来ると……あ、来た来たジムじいちゃん。ジロウムって名前のじいちゃんで、前にも見たでしょ。あの人」
僕がジムじいちゃんに見えるように片手を挙げれば、ジムじいちゃんも僕に合わせて片手を挙げる。
「あの人、この大陸じゃああんまり知られてないけど、乗り物とか船専門のかなり有名な技師だよ。まさかこんな所で会うなんて思ってもみなかったけどね」
「何でそんな人知ってるのさ……。君、この大陸出身者でしょ」
「何度も言わせんな。僕は兄さんより旅は長いっての」
「はあ?!ラファールって僕より旅が長いの?!」
僕は兄さんの旅してる月日の短さに吃驚したけどね。実質でいっても僕の方が上だよ。僕は5ファルレ(※5才)の時から1ティファルム(※1年間)の内半年以上は旅に出てる。つまり、僕は2ティファル半以上旅してるから、2ティファルの兄さんよりも半年以上は長いんだよね。
「僕はまだ子供だけど、一応兄さんよりは長いよ。だからこそ、兄さんの方が異常だって事、分かってるの?」
僕は兄さんに冷たい視線を向ける。とその時、ジムじいちゃんが到着。
「どうしたんじゃ?」
「ジムじいちゃん、聞いてよ、この兄さんジムじいちゃんと同じ中央大陸出身者なんだけど――」
ジムじいちゃんにこれまでの事を簡単に説明する。
「――あー……儂もラルと同意見じゃし、ラルの言い分の方が正しいな。儂は30ティファル以上前からちょくちょく旅をしとるが、そんな儂でも東大陸は今回が初めてじゃ。冒険者ではない儂でも東は狂暴な魔物が多く危険と知っておるし、ヘグルス(※重力)変換機器を壊す馬鹿は初めて見たわ。儂からすれば、中央の恥と言っていいぐらいじゃぞ……」
「そ……そこまで?!」
「当然じゃ!ヘグルス変換機器のような頑丈で壊れ難い物を壊すなんぞ、設計者と制作者に謝らんか!これは市販の物の中でも長年使われとる画期的な機器じゃ。普通の使い方をすれば壊れたりせんわ!」
あ、ジムじいちゃんも同じ事思ってたや。だよね~♪機械扱う立場からしたら設計者と制作者に謝れって思うよね~。まぁそれはともかく。
「ジムじいちゃん、説教は後で存分にしてあげて。僕はこの二人に船の中とか色々見せたいんだよね♪何せこの二人は船旅初めてなんだよ~!アーヤ、このアキーシィヤはエルト・デ・ルムは数回来た事あるけど、セス、セレヴィスは旅自体が初めてで、船の上に乗る事自体初めてだから、早く乗せさせてあげてよ」
「おお、そうか!初めてか!よしよし、色々見せてやろう。船は良いぞ~♪」
よし。ジムじいちゃんを船に誘導出来た♪セスは船を間近で見たくてウズウズしてたから、これで良し!ずっとここに居ても仕方ないもんね。船に乗って出港しなくちゃ冒険は始まらないからね!
「ジムじいちゃん、僕はこの船の性能が見たい!強化した部分とか、すっごく気になる!」
「そうじゃな、儂も気になるからこの二人に中を案内したら、直ぐにでも出そう!どこまで上がったか楽しみじゃ♪」
「二人って、あの、僕は……」
「兄さんはあちこち触るの禁止!」
「ちょっ、ラファール?!」
「当たり前じゃ!ヘグルス変換機器のような物を壊すような奴なんぞ、本来乗せたくないわ!」
「いや、僕は機械音痴じゃないよ?!」
「「信用出来るか!」」
ジムじいちゃんと僕の声が見事にハモったけど、当然だと思う。前科が前科だし、全く信用ないから。それと、ジムじいちゃんの説教は多分後でたっぷりあると思うから、頑張れ。
僕達はこの日、船に乗り込み出港した。そして、揺れを軽減する事も強化したから、僕達は快適な船旅を満喫しながら、僕の想定内の日数で中央大陸に着く事になった。
とにかく、夕方まではまだまだ時間があるので久しぶりにエルト・デ・ルムの中を散策する。
港町とだけあって、様々な魚介類を取り扱う店や屋台を巡り、ちょっと買い食い♪うん。やっぱ新鮮で美味しい!
いつでもこの大陸に、帰って来ようと思えば帰って来れるけど、暫くは帰って来ないだろうから、今日ぐらいは満喫しないとね♪
翌朝、皆と一緒にジムじいちゃんの船へと向かった。そして、ジムじいちゃんの船を見て驚いてる。
「修理って、こんな大きな船だったの?!」
いや、船の規模で言えばこれは小回りの利く中型船。まぁ中型船でもかなり大きいタイプだけど、兄さんにそれが分かる気はしない。
「うわ~、俺ここに来て色んな船見たけど、格好良いなぁ。この船に乗るのか?」
「そうだよ。あれが僕とジムじいちゃんで修理した船。もう直ぐ来ると……あ、来た来たジムじいちゃん。ジロウムって名前のじいちゃんで、前にも見たでしょ。あの人」
僕がジムじいちゃんに見えるように片手を挙げれば、ジムじいちゃんも僕に合わせて片手を挙げる。
「あの人、この大陸じゃああんまり知られてないけど、乗り物とか船専門のかなり有名な技師だよ。まさかこんな所で会うなんて思ってもみなかったけどね」
「何でそんな人知ってるのさ……。君、この大陸出身者でしょ」
「何度も言わせんな。僕は兄さんより旅は長いっての」
「はあ?!ラファールって僕より旅が長いの?!」
僕は兄さんの旅してる月日の短さに吃驚したけどね。実質でいっても僕の方が上だよ。僕は5ファルレ(※5才)の時から1ティファルム(※1年間)の内半年以上は旅に出てる。つまり、僕は2ティファル半以上旅してるから、2ティファルの兄さんよりも半年以上は長いんだよね。
「僕はまだ子供だけど、一応兄さんよりは長いよ。だからこそ、兄さんの方が異常だって事、分かってるの?」
僕は兄さんに冷たい視線を向ける。とその時、ジムじいちゃんが到着。
「どうしたんじゃ?」
「ジムじいちゃん、聞いてよ、この兄さんジムじいちゃんと同じ中央大陸出身者なんだけど――」
ジムじいちゃんにこれまでの事を簡単に説明する。
「――あー……儂もラルと同意見じゃし、ラルの言い分の方が正しいな。儂は30ティファル以上前からちょくちょく旅をしとるが、そんな儂でも東大陸は今回が初めてじゃ。冒険者ではない儂でも東は狂暴な魔物が多く危険と知っておるし、ヘグルス(※重力)変換機器を壊す馬鹿は初めて見たわ。儂からすれば、中央の恥と言っていいぐらいじゃぞ……」
「そ……そこまで?!」
「当然じゃ!ヘグルス変換機器のような頑丈で壊れ難い物を壊すなんぞ、設計者と制作者に謝らんか!これは市販の物の中でも長年使われとる画期的な機器じゃ。普通の使い方をすれば壊れたりせんわ!」
あ、ジムじいちゃんも同じ事思ってたや。だよね~♪機械扱う立場からしたら設計者と制作者に謝れって思うよね~。まぁそれはともかく。
「ジムじいちゃん、説教は後で存分にしてあげて。僕はこの二人に船の中とか色々見せたいんだよね♪何せこの二人は船旅初めてなんだよ~!アーヤ、このアキーシィヤはエルト・デ・ルムは数回来た事あるけど、セス、セレヴィスは旅自体が初めてで、船の上に乗る事自体初めてだから、早く乗せさせてあげてよ」
「おお、そうか!初めてか!よしよし、色々見せてやろう。船は良いぞ~♪」
よし。ジムじいちゃんを船に誘導出来た♪セスは船を間近で見たくてウズウズしてたから、これで良し!ずっとここに居ても仕方ないもんね。船に乗って出港しなくちゃ冒険は始まらないからね!
「ジムじいちゃん、僕はこの船の性能が見たい!強化した部分とか、すっごく気になる!」
「そうじゃな、儂も気になるからこの二人に中を案内したら、直ぐにでも出そう!どこまで上がったか楽しみじゃ♪」
「二人って、あの、僕は……」
「兄さんはあちこち触るの禁止!」
「ちょっ、ラファール?!」
「当たり前じゃ!ヘグルス変換機器のような物を壊すような奴なんぞ、本来乗せたくないわ!」
「いや、僕は機械音痴じゃないよ?!」
「「信用出来るか!」」
ジムじいちゃんと僕の声が見事にハモったけど、当然だと思う。前科が前科だし、全く信用ないから。それと、ジムじいちゃんの説教は多分後でたっぷりあると思うから、頑張れ。
僕達はこの日、船に乗り込み出港した。そして、揺れを軽減する事も強化したから、僕達は快適な船旅を満喫しながら、僕の想定内の日数で中央大陸に着く事になった。
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