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~デ・フォン領域~
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簡易鎧の性能を見る為に、アル兄に上級クラスの魔法を鎧に放って貰う。
結果、アル兄の魔法は跳ね返り、鎧は無傷。まぁ服は予想通り、ボロボロになったけどね。
「うん、こんな物だね」
「待てこら!こんな物じゃねぇだろ!部屋ん中、ボロボロじゃねぇか!何だこれ、どうなった?!」
「問題無いよ、想定内だから。大体アル兄に反射した分は中級分ぐらいかな?」
因みに、アル兄に反射した魔法はアル兄が問題無く自身の魔力に変換吸収した。
「そうですね、大体そんな物です。残りは部屋に分散したようですが」
「一応、魔法が放たれて鎧に当たった場合、魔法を放った相手に半分以上反射するのと、その残りは反対側を1メーゼ(※1m)程残して分散するようにしてる。剣とか物理攻撃は反射はしないけど、鉄鋼石も混ぜ込んでるから、鉄鋼石が斬れる人じゃないと壊せないし、耐火性もあるから、火属性の武器を使用しても簡単に壊れる事はないよ」
「守備範囲は変えられないのですか?」
「一応変えられるよ。ジオーヌ、来て来て」
「は……はい」
ジオーヌのボロボロになった服の下にある鎧の縁にある板状を指差す。
「そこをスライドさせて、中のダイヤルで5メーゼまでなら無効範囲になるよ。後、分散させずに全反射も可能」
「成程。それを盾で作る事は可能ですか?」
「出来ない事もないけど……盾の場合伸縮性がいらないと思う。それに、登録機能を外すと盗られる可能性が出てくるよ。アル兄や特部の兄さん達が使用するなら盗られる心配はないけど、普通の騎士団員達だと倒されたり盗られちゃったりしたら、特部の兄さん達ぐらいしか倒せなくなるよ。するならガンレットや手袋辺りかな?」
「そうですね。確かに盗られた場合のリスクが高過ぎるので、登録機能は必須ですね」
相手の装備品を盗るのは人間だけじゃないからね。魔物も種類によっては人の武器防具を盗ったり奪ったりして使用するタイプもいる。僕がメカに使用者登録機能を付けるのはそういった理由もあったりするからだ。
因みにヘグルス変換機器に登録機能は付いて無いけど、アーヤやセスがスリにあったとしても、盗った馬鹿はその場で身動きどころか立ち上がる事すら出来なくなるから、暫くそのままで罵るも良しだ。
「ジオーヌ、ちょっと屈んで」
ジオーヌに屈んでもらい、更にスライドするように弄って登録機能を起動させる。
「ん、これでジオーヌ以外は着れなくなったから。後、着脱に関してはリクも登録するからここに指を置いて」
「普通はその登録機能すら付けられないがな。本っ当、規格外の想定外め……」
「そんな事言われてもなぁ。師がドワーフなら普通に教わると思うけど」
「師がドワーフの時点で有り得ねぇんだっつの。ドワーフと知り合う事だけでも難しいってのに、堅物や偏屈、気難しいのが多いと言われるドワーフが、自分等の技術を他種族に教えるなんて奇跡だぞ!」
「ん~?でも僕、そう言われるタイプの人と相性良いよ?」
そもそも、僕もそう言われるタイプの人達好きだしね。だって、そう言われる人達って芯がぶれないんだよね。絶対とか必ずって言えるような拘りを持ってて、それを曲げない妥協しないって人達だから。
「それに、そう言うリクもそのタイプだよね?」
「~~~っっ」
にっこり笑顔で聞く僕に、否定の言葉は返って来ない。うむ、自覚があるとみた。そりゃそうだよね~、でなきゃとっくにジオーヌの製作なんて諦めてるよ。
「まぁ、リクの場合、折れない者同士で折り合いが着かなそうだけど」
「……見てきたように言うんじゃねぇよ」
「否定しないって事は図星だね。まぁ、これからはジオーヌがいるんだから、どうとでもなるんじゃない?」
「私、ですか?」
「うん。ジオーヌはファーグ商会で、交渉術も心得も教わったでしょ?あれ、相手が商人以外でも有効だからね。ああ、それと通信機の方もリクとジオーヌで登録しとこう。登録しとけば登録者本人以外、外す事も着ける事も、使う事すら出来なくなるからね。ただし僕は製作者だから、一応初期登録してるけどね」
登録は、初期と確定、仮がある。初期と確定は範囲や効果の設定変更出来るけど、仮は着脱のみで弄れないようになっている。初期は確定と仮、確定は仮の登録が可能だ。初期は完成後、直ぐにいれるものだから、製作者が登録するようになってる。
「……半分呪いのアイテムになってやしねぇか?」
「そんな事言うと、今度外せないアイテム作ってリクに着けるよ?」
「作れんのかよ……」
「呪い擬きなら?呪いのアイテムは神聖魔法や聖水とかで、外れたり壊れたり、別物になったりするけど、僕のは何やっても壊れないし外せないからね」
「……呪いより質が悪ぃな……」
「そう?識別なら間違いようがなく出来ると思うし、アイテムの機能にもよると思う。まぁ、ずっと持ってても、重くも邪魔にもならないアイテム限定になるけどね」
「……作んなよ?いらねぇからな、そんな物」
「分かったよ」
まぁ今ん所、使う用途が無いからね。使う用途の無い物を作るより、自分用の簡易鎧や製作中のメカを作ってる方が需要があるし楽しいからね。
「それより、ここの惨状どうすんだ?」
リクがボロボロになった部屋を気にしてるけど、ちゃんと想定内だから、心配しなくていいんだよ。
結果、アル兄の魔法は跳ね返り、鎧は無傷。まぁ服は予想通り、ボロボロになったけどね。
「うん、こんな物だね」
「待てこら!こんな物じゃねぇだろ!部屋ん中、ボロボロじゃねぇか!何だこれ、どうなった?!」
「問題無いよ、想定内だから。大体アル兄に反射した分は中級分ぐらいかな?」
因みに、アル兄に反射した魔法はアル兄が問題無く自身の魔力に変換吸収した。
「そうですね、大体そんな物です。残りは部屋に分散したようですが」
「一応、魔法が放たれて鎧に当たった場合、魔法を放った相手に半分以上反射するのと、その残りは反対側を1メーゼ(※1m)程残して分散するようにしてる。剣とか物理攻撃は反射はしないけど、鉄鋼石も混ぜ込んでるから、鉄鋼石が斬れる人じゃないと壊せないし、耐火性もあるから、火属性の武器を使用しても簡単に壊れる事はないよ」
「守備範囲は変えられないのですか?」
「一応変えられるよ。ジオーヌ、来て来て」
「は……はい」
ジオーヌのボロボロになった服の下にある鎧の縁にある板状を指差す。
「そこをスライドさせて、中のダイヤルで5メーゼまでなら無効範囲になるよ。後、分散させずに全反射も可能」
「成程。それを盾で作る事は可能ですか?」
「出来ない事もないけど……盾の場合伸縮性がいらないと思う。それに、登録機能を外すと盗られる可能性が出てくるよ。アル兄や特部の兄さん達が使用するなら盗られる心配はないけど、普通の騎士団員達だと倒されたり盗られちゃったりしたら、特部の兄さん達ぐらいしか倒せなくなるよ。するならガンレットや手袋辺りかな?」
「そうですね。確かに盗られた場合のリスクが高過ぎるので、登録機能は必須ですね」
相手の装備品を盗るのは人間だけじゃないからね。魔物も種類によっては人の武器防具を盗ったり奪ったりして使用するタイプもいる。僕がメカに使用者登録機能を付けるのはそういった理由もあったりするからだ。
因みにヘグルス変換機器に登録機能は付いて無いけど、アーヤやセスがスリにあったとしても、盗った馬鹿はその場で身動きどころか立ち上がる事すら出来なくなるから、暫くそのままで罵るも良しだ。
「ジオーヌ、ちょっと屈んで」
ジオーヌに屈んでもらい、更にスライドするように弄って登録機能を起動させる。
「ん、これでジオーヌ以外は着れなくなったから。後、着脱に関してはリクも登録するからここに指を置いて」
「普通はその登録機能すら付けられないがな。本っ当、規格外の想定外め……」
「そんな事言われてもなぁ。師がドワーフなら普通に教わると思うけど」
「師がドワーフの時点で有り得ねぇんだっつの。ドワーフと知り合う事だけでも難しいってのに、堅物や偏屈、気難しいのが多いと言われるドワーフが、自分等の技術を他種族に教えるなんて奇跡だぞ!」
「ん~?でも僕、そう言われるタイプの人と相性良いよ?」
そもそも、僕もそう言われるタイプの人達好きだしね。だって、そう言われる人達って芯がぶれないんだよね。絶対とか必ずって言えるような拘りを持ってて、それを曲げない妥協しないって人達だから。
「それに、そう言うリクもそのタイプだよね?」
「~~~っっ」
にっこり笑顔で聞く僕に、否定の言葉は返って来ない。うむ、自覚があるとみた。そりゃそうだよね~、でなきゃとっくにジオーヌの製作なんて諦めてるよ。
「まぁ、リクの場合、折れない者同士で折り合いが着かなそうだけど」
「……見てきたように言うんじゃねぇよ」
「否定しないって事は図星だね。まぁ、これからはジオーヌがいるんだから、どうとでもなるんじゃない?」
「私、ですか?」
「うん。ジオーヌはファーグ商会で、交渉術も心得も教わったでしょ?あれ、相手が商人以外でも有効だからね。ああ、それと通信機の方もリクとジオーヌで登録しとこう。登録しとけば登録者本人以外、外す事も着ける事も、使う事すら出来なくなるからね。ただし僕は製作者だから、一応初期登録してるけどね」
登録は、初期と確定、仮がある。初期と確定は範囲や効果の設定変更出来るけど、仮は着脱のみで弄れないようになっている。初期は確定と仮、確定は仮の登録が可能だ。初期は完成後、直ぐにいれるものだから、製作者が登録するようになってる。
「……半分呪いのアイテムになってやしねぇか?」
「そんな事言うと、今度外せないアイテム作ってリクに着けるよ?」
「作れんのかよ……」
「呪い擬きなら?呪いのアイテムは神聖魔法や聖水とかで、外れたり壊れたり、別物になったりするけど、僕のは何やっても壊れないし外せないからね」
「……呪いより質が悪ぃな……」
「そう?識別なら間違いようがなく出来ると思うし、アイテムの機能にもよると思う。まぁ、ずっと持ってても、重くも邪魔にもならないアイテム限定になるけどね」
「……作んなよ?いらねぇからな、そんな物」
「分かったよ」
まぁ今ん所、使う用途が無いからね。使う用途の無い物を作るより、自分用の簡易鎧や製作中のメカを作ってる方が需要があるし楽しいからね。
「それより、ここの惨状どうすんだ?」
リクがボロボロになった部屋を気にしてるけど、ちゃんと想定内だから、心配しなくていいんだよ。
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