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後日談
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それから、他愛の無い……と言っても、この国に関する事や、他国に付いてどういった考えを持っているのかが知りたいので、それ等の質問や、普段どんな事を習っているのかも聞いてみる。
色々と話してみれば、レオンとの会話がさくさくと、何のストレスも無く進む事に内心驚く。
ショーン国では腹違いの兄妹や、その兄妹の取り巻き達に絡まれ、度々会話をしていたが、理解度が低かったり、言葉が通じなかったりする事も多かった。
実兄とはあまり話さなかった事も有り、年の近い者で、これ程ストレス無く話せる者は、初めてだと思えるくらい。
優秀だけど、ちょっと残念な所が有ると言っていたジルギリスの言葉と今までのレオンの行動に、思わず納得してしまう程だ。
平和な国だから、仕方の無い事なのだろうかと考えるエリオールに対し、レオンもエリオールとの会話が、楽しくて仕方無い。
国内の令嬢達との会話は、中身の無い、情報としては薄い内容の話ばかりだったのだ。
例えば、貴女の領地の特産品は何ですか?と聞いてみても、答えられない令嬢も居るし、貴女の領地は王都からではどの方角ですかと聞いても、それすら答えられない令嬢も居る。
レオンが趣味はと聞かれ、読書ですと言い、好きな本の題名を言えば、自分もですと答える癖に、感想を聞けば答えに窮したり、話題を逸らそうとする令嬢も居るのだ。
それがエリオールの場合は、打てば響くように、ちゃんとした答えが返ってくる。
しかも、ディーラン国内や近隣国の事を話題に出しても、難なく答えてくれるのだ。
同い年の令息でも、これ程ストレス無くスムーズに会話が出来る者は、殆ど居ないと言っても良いだろう。
学院の勉強等、今まで王宮で習っていた事ばかりなので、難しいと思う事は無く、話の合わない令息も多い。
側近にするには、年が近い方が良いと思われているようだが、別に年が近く無くても支障は無い。
確かに年が離れ過ぎていれば、側近として採用出来る期間は短いが、だからと言って、無能を採用するよりは良いので、年の差ぐらいは問題無い。
それに、年が近く優秀だからと側近にした所で、性格や相性、考え方や志し等、合わなければ仕事に支障を来す事も出てくるだろう。
それは側近に限らず、妃にも当て嵌まる。
とは言え、それは理想であって、実際は時代や政略と言った様々な要因が加わる為、理想と掛け離れる事も多々有るのだが。
だからこそ、レオンにとって、エリオールの存在は貴重であり、理想そのもの。
その上、好みのど真ん中なのだから、他の者に取られない為にも、必死で好感度を上げなければならない。
エリオールに好かれる為にはどうしたら良いのか、レオンは必死で考えるのだった。
色々と話してみれば、レオンとの会話がさくさくと、何のストレスも無く進む事に内心驚く。
ショーン国では腹違いの兄妹や、その兄妹の取り巻き達に絡まれ、度々会話をしていたが、理解度が低かったり、言葉が通じなかったりする事も多かった。
実兄とはあまり話さなかった事も有り、年の近い者で、これ程ストレス無く話せる者は、初めてだと思えるくらい。
優秀だけど、ちょっと残念な所が有ると言っていたジルギリスの言葉と今までのレオンの行動に、思わず納得してしまう程だ。
平和な国だから、仕方の無い事なのだろうかと考えるエリオールに対し、レオンもエリオールとの会話が、楽しくて仕方無い。
国内の令嬢達との会話は、中身の無い、情報としては薄い内容の話ばかりだったのだ。
例えば、貴女の領地の特産品は何ですか?と聞いてみても、答えられない令嬢も居るし、貴女の領地は王都からではどの方角ですかと聞いても、それすら答えられない令嬢も居る。
レオンが趣味はと聞かれ、読書ですと言い、好きな本の題名を言えば、自分もですと答える癖に、感想を聞けば答えに窮したり、話題を逸らそうとする令嬢も居るのだ。
それがエリオールの場合は、打てば響くように、ちゃんとした答えが返ってくる。
しかも、ディーラン国内や近隣国の事を話題に出しても、難なく答えてくれるのだ。
同い年の令息でも、これ程ストレス無くスムーズに会話が出来る者は、殆ど居ないと言っても良いだろう。
学院の勉強等、今まで王宮で習っていた事ばかりなので、難しいと思う事は無く、話の合わない令息も多い。
側近にするには、年が近い方が良いと思われているようだが、別に年が近く無くても支障は無い。
確かに年が離れ過ぎていれば、側近として採用出来る期間は短いが、だからと言って、無能を採用するよりは良いので、年の差ぐらいは問題無い。
それに、年が近く優秀だからと側近にした所で、性格や相性、考え方や志し等、合わなければ仕事に支障を来す事も出てくるだろう。
それは側近に限らず、妃にも当て嵌まる。
とは言え、それは理想であって、実際は時代や政略と言った様々な要因が加わる為、理想と掛け離れる事も多々有るのだが。
だからこそ、レオンにとって、エリオールの存在は貴重であり、理想そのもの。
その上、好みのど真ん中なのだから、他の者に取られない為にも、必死で好感度を上げなければならない。
エリオールに好かれる為にはどうしたら良いのか、レオンは必死で考えるのだった。
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