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後日談
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アナスタシアに、断っても良いとは言われたが、それだと話は先送りになるばかりなので、レオンにお受けすると返事を返すと決め、その事をアナスタシアにも報告する。
そうしてレオンとの顔合わせの日になった。
「エリオール姫、こちらの急な申し出を受けて頂き、有難うございます」
レオンがエリオールに頭を下げる。
「その……お恥ずかしい話ですが、この国の令嬢、特に婚約者の居ない令嬢や、年の近い令嬢達は、私の……と言うよりは、王太子の婚約者になりたがり、今は体調を崩して療養中の祖母が居ますが、過去にその祖母の茶会で、祖母からの呼び出しに顔を出せば、参加していた令嬢達から、媚びたり言い寄られた挙げ句、私が退出した後でも互いに罵り合ったりして、争いが絶えず、煩わされていたので、突然婚約者候補を連れて来たと言われて、どう対応していいのか、悩んでもいたのです。それに、祖母が勝手に婚約者候補として令嬢達を招いていた事も有り、私がエリオール姫と何度も顔を合わせた場合、それを聞き付けた令嬢達が、エリオール姫に何かしでかしそうでも有り、心配で……」
(それはわたくしが、ぬるま湯に浸かりきった令嬢達に、なす術も無く負けるとお思いで?)
エリオールはこれでも、あのショーン国で、殺されそうな目に合いながらも、負ける事は一度も無かった。
負けたら、死を覚悟しなければならないような国で、腹違いの妹は、常にマウントを取ろうと、言葉巧みに周囲を嗾けてきたり、周りを巻き込んだりするのが得意なのだ。
そんな妹を正論で難なくあしらっていたのは、間違い無くエリオールだ。
そんなエリオールが、平和な国でぬくぬくと育った令嬢に、喧嘩を売られて負ける要素等、有る筈も無い。
そもそもエリオールは、身内だろうと、心配されると言う出来事自体が、殆ど無かったと言える環境だ。
心配=弱い、もしくは無能、未熟。不安の顕れ、不信感。
エリオールの頭を過るのは、そんな言葉の意味でしか無い。
これがレオンでは無く、アナスタシアやリラ、ジルギリス達のような年上の大人達に言われたならば、別の言葉の意味合いも浮かんだだろう。
しかし、レオンは同年代。
正式な顔合わせは、今日が初めて。
大国の王太子からすれば、小中国の姫等、自国の貴族達に負けると思われていたのだと、エリオールは認識した。
レオンにそんな思惑は毛頭無いが、そうと認識したエリオールが、内心面白く無いのは仕方が無いだろう。
ただ、レオンの祖母は、碌でも無い人物だと聞いている。
その祖母がジルギリスの手の者に、療養と言う名の監禁生活を強いられている事も聞いているのだ。
勿論その理由も。
王家にとって、重要な役割を担っているなら未だしも、優秀ですら無いただの国母だと聞いて、監禁されてる事に納得したエリオールだった。
そうしてレオンとの顔合わせの日になった。
「エリオール姫、こちらの急な申し出を受けて頂き、有難うございます」
レオンがエリオールに頭を下げる。
「その……お恥ずかしい話ですが、この国の令嬢、特に婚約者の居ない令嬢や、年の近い令嬢達は、私の……と言うよりは、王太子の婚約者になりたがり、今は体調を崩して療養中の祖母が居ますが、過去にその祖母の茶会で、祖母からの呼び出しに顔を出せば、参加していた令嬢達から、媚びたり言い寄られた挙げ句、私が退出した後でも互いに罵り合ったりして、争いが絶えず、煩わされていたので、突然婚約者候補を連れて来たと言われて、どう対応していいのか、悩んでもいたのです。それに、祖母が勝手に婚約者候補として令嬢達を招いていた事も有り、私がエリオール姫と何度も顔を合わせた場合、それを聞き付けた令嬢達が、エリオール姫に何かしでかしそうでも有り、心配で……」
(それはわたくしが、ぬるま湯に浸かりきった令嬢達に、なす術も無く負けるとお思いで?)
エリオールはこれでも、あのショーン国で、殺されそうな目に合いながらも、負ける事は一度も無かった。
負けたら、死を覚悟しなければならないような国で、腹違いの妹は、常にマウントを取ろうと、言葉巧みに周囲を嗾けてきたり、周りを巻き込んだりするのが得意なのだ。
そんな妹を正論で難なくあしらっていたのは、間違い無くエリオールだ。
そんなエリオールが、平和な国でぬくぬくと育った令嬢に、喧嘩を売られて負ける要素等、有る筈も無い。
そもそもエリオールは、身内だろうと、心配されると言う出来事自体が、殆ど無かったと言える環境だ。
心配=弱い、もしくは無能、未熟。不安の顕れ、不信感。
エリオールの頭を過るのは、そんな言葉の意味でしか無い。
これがレオンでは無く、アナスタシアやリラ、ジルギリス達のような年上の大人達に言われたならば、別の言葉の意味合いも浮かんだだろう。
しかし、レオンは同年代。
正式な顔合わせは、今日が初めて。
大国の王太子からすれば、小中国の姫等、自国の貴族達に負けると思われていたのだと、エリオールは認識した。
レオンにそんな思惑は毛頭無いが、そうと認識したエリオールが、内心面白く無いのは仕方が無いだろう。
ただ、レオンの祖母は、碌でも無い人物だと聞いている。
その祖母がジルギリスの手の者に、療養と言う名の監禁生活を強いられている事も聞いているのだ。
勿論その理由も。
王家にとって、重要な役割を担っているなら未だしも、優秀ですら無いただの国母だと聞いて、監禁されてる事に納得したエリオールだった。
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