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後日談
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「改めましてアシュリー様。私はエヴァンス家の侍女で、サリーと言います。名前に親近感を持たせる為に選ばれたのですが、馬鹿を讃え馬鹿を演じるのは辛かったですよ……。いつお声が掛かるのか、心待ちしてましたから、やっとこれで本当の事が言えます。どうぞ、これは貴女の物です。お手に取ってご確認下さい」
ジーンは少しだけ身体をずらし、アシュリーが受け取り易くし、アシュリーはもう二度と手にする事は出来ないと思い込んでいた母の形見の品に、ソッと手を伸ばし、受け取ると、瞳を潤ませ泣きそうな顔で微笑んだ。
アシュリーのそんな表情を見て、ジーンが優しい眼差しを向けるのに対し、サラは怒り心頭といった様子でサリーに怒鳴る。
「あっ……主人を裏切るなんて、なんて女なの!!」
「私の本当の雇い主は、貴女のような小賢しい馬鹿では有りませんよ。先程ちゃんとここで言ったじゃないですか。私はエヴァンス侯爵家の使用人。序でに言うと、貴女程度の女は見慣れてますし、エヴァンス家の女性陣なんて、貴女では太刀打ち出来ない程の美貌の持ち主ですよ。若様の母君なんて未だに若々しくて、エヴァンス家の薔薇だと言われてるぐらいですよ。可愛いだけの令嬢なんて、世の中腐る程居るんです。貴女の場合は可愛いを極めてるつもりかも知れませんが、可愛い=美貌だなんて思わないで下さいね?貴女の可愛いは今が最盛期なだけで、この先絶対に落ちぶれますよ」
サリーは今までの鬱憤を晴らすかのように、サラに堂々と言い返す。
この時の為だけに、今までずっと我慢していたのだから、その顔は逸そ清々しい。
「あんたなんて、首よっっ!!!」
「だから、好き好んで貴女の侍女になった訳では有りませんよ。元々貴女の侍女を続けるつもりも有りませんし、エヴァンス家のお給金と比べて、雀の涙程度の収入なんて、痛くも痒くも有りませんから♪」
「おっ……おのれぇ~~~!!!平民の分際で、言わせて置けばっっ!!」
ダミアンが手を振りかざそうとするが、ジーンはあっさりその手を掴み、捻り上げる。
「私の家の使用人に何をする気だ?このような場で暴力とは、熟馬鹿にも程が有る」
「いいいいいっっ!!」
言葉にならない声を上げるダミアンを、ジーンは無造作に、サラやマディソンの方へと押しやる。
その手際の良さにアシュリーが驚いていると、サリーがアシュリーに微笑み掛ける。
「安心して下さいね、アシュリー様。若様はああ見えて、剣も護身術も鍛えられ、王宮の近衛騎士よりも強いと、近衛隊長を鍛えたお方からお墨付きを頂いて居られますから♪」
サリーの言葉に、突き飛ばされてマディソンやサラに抱き付く形となったダミアンは、青い顔でジーンを見返す。
「剣も護身も、高位貴族と言う狙われ易い立場に有るなら、習って置いて損は無いだろうが。言って置くが、エヴァンス家の使用人達は、女だろうと一通りの護身術は身に付けているぞ。食らわなくて良かったな。幾ら貴族の端くれと言えど、大勢の前で女に投げ飛ばされた等、笑い話でしか無いからな」
まぁ、それはそれで面白かったかも知れないが、一応相手はまだ貴族なので、事後処理の一番簡単な選択をジーンはしたのだった。
ジーンは少しだけ身体をずらし、アシュリーが受け取り易くし、アシュリーはもう二度と手にする事は出来ないと思い込んでいた母の形見の品に、ソッと手を伸ばし、受け取ると、瞳を潤ませ泣きそうな顔で微笑んだ。
アシュリーのそんな表情を見て、ジーンが優しい眼差しを向けるのに対し、サラは怒り心頭といった様子でサリーに怒鳴る。
「あっ……主人を裏切るなんて、なんて女なの!!」
「私の本当の雇い主は、貴女のような小賢しい馬鹿では有りませんよ。先程ちゃんとここで言ったじゃないですか。私はエヴァンス侯爵家の使用人。序でに言うと、貴女程度の女は見慣れてますし、エヴァンス家の女性陣なんて、貴女では太刀打ち出来ない程の美貌の持ち主ですよ。若様の母君なんて未だに若々しくて、エヴァンス家の薔薇だと言われてるぐらいですよ。可愛いだけの令嬢なんて、世の中腐る程居るんです。貴女の場合は可愛いを極めてるつもりかも知れませんが、可愛い=美貌だなんて思わないで下さいね?貴女の可愛いは今が最盛期なだけで、この先絶対に落ちぶれますよ」
サリーは今までの鬱憤を晴らすかのように、サラに堂々と言い返す。
この時の為だけに、今までずっと我慢していたのだから、その顔は逸そ清々しい。
「あんたなんて、首よっっ!!!」
「だから、好き好んで貴女の侍女になった訳では有りませんよ。元々貴女の侍女を続けるつもりも有りませんし、エヴァンス家のお給金と比べて、雀の涙程度の収入なんて、痛くも痒くも有りませんから♪」
「おっ……おのれぇ~~~!!!平民の分際で、言わせて置けばっっ!!」
ダミアンが手を振りかざそうとするが、ジーンはあっさりその手を掴み、捻り上げる。
「私の家の使用人に何をする気だ?このような場で暴力とは、熟馬鹿にも程が有る」
「いいいいいっっ!!」
言葉にならない声を上げるダミアンを、ジーンは無造作に、サラやマディソンの方へと押しやる。
その手際の良さにアシュリーが驚いていると、サリーがアシュリーに微笑み掛ける。
「安心して下さいね、アシュリー様。若様はああ見えて、剣も護身術も鍛えられ、王宮の近衛騎士よりも強いと、近衛隊長を鍛えたお方からお墨付きを頂いて居られますから♪」
サリーの言葉に、突き飛ばされてマディソンやサラに抱き付く形となったダミアンは、青い顔でジーンを見返す。
「剣も護身も、高位貴族と言う狙われ易い立場に有るなら、習って置いて損は無いだろうが。言って置くが、エヴァンス家の使用人達は、女だろうと一通りの護身術は身に付けているぞ。食らわなくて良かったな。幾ら貴族の端くれと言えど、大勢の前で女に投げ飛ばされた等、笑い話でしか無いからな」
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