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後日談

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 祝宴の翌朝、サイナスは飲み潰れた連中をソッと放置し、仕事に取り掛かる。

 料理長も珍しく酔い潰れていたので、サイナスが代わりに朝食を用意し、エドワルドの部屋を訪れ、寝室の扉をノックするが、いつも通り、入りはせずに、出てくるのを待つ。

 そして、エドワルドと挨拶し、まだ酔い潰れている者達もいるが、起きてる者達で充分対応出来るので、ソッとして置いて欲しいと願い出て、エドワルドもそれを了承する。

 因みにマッドとライラは、平然と朝方まで飲んで、寝る為に部屋へと戻った。今の職場が夜型なので、それに慣れ切っているのだろう。

 まぁ、ライラの飲みっぷりには皆、驚いただろうが。

 何せ火酒を、普通の飲み物と同じように飲み続け、平然としていたのだから。

 しかもダンが、分けてやるから持って帰って良いぞと言うと、喜んでお礼を言っていたぐらいだ。

 あの酒を飲み続けられる猛者は、クルルフォーン邸内では、ダンとエドワルドぐらいで、他は確実に、飲み潰れるだろう。

 そのライラとマッドは、同じベッドで就寝中だ。

 二人共酔っ払ったと言う素振りは無く、眠くなったから寝た、と言うだけのようだ。

 その後、マッドを祝いたかったと言うエヴァンス家の使用人達に、参加出来なかったと言う理由で、何度も祝宴を催されてしまうが、めでたい事だからと、諦めて貰おう。

 エヴァンス家では、よく有る事なのだから。そしてそれは、クルルフォーン家も同様、巻き込まれる形になりはするが、エヴァンス家ではいつもの事だと言えば、エドワルドは大抵黙認してくれると言う有り難い主人なのだ。

 そうして、マッドとライラが訓練だ、茶会だと、顔を見せる度に、最初よりは小規模な宴会がちょくちょく催され、その内レベッカとリラの妊娠が発覚するも、マッドとライラがクルルフォーン邸で結婚式を挙げる事には代わり無く、クレアはコランと、他の侍女達の手を借りながら、着々とマッド達のウエディングドレスを仕上げていく。

 その頃になると、クレアは自分の話を、飽きもせずに真剣に聞いてくれるコランと居るのが楽しく、コランもまた、マッド達のウエディングドレスを作ると言うよりも、クレアと一緒に過ごす時間を大切にし、このままずっと続いて欲しいと願うようになっていたが、時間は容赦無く、着々と進むだけ。

 しかも、クレアには、マッドへの想いを気付かれている節が有る為、クレアに告白するのも気不味い気がする。

 コランは言うに言えないまま、マッド達の結婚式を迎える事になってしまった。
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