291 / 804
本編
240
しおりを挟む
そして、その日は夕食を共にした後、少しだけリラとの時間を満喫し、明日の夕方頃にまた来ると約束して帰る。
政務の仕事は終わったが、レオンの教育もまだまだだし、本当ならば仕事も終わり、家で過ごせる筈だった教師にだけ、負担を掛ける訳にはいかないからだ。
そうして、通常の政務の仕事が再開されるまで、レオンの教育にエドワルドも加わる。
勿論、公務の合間には、アナスタシアやアレクシスも加わり、ジルギリスがドレファンに赴いてる際は、ジーンまでもがジルギリスの代理として加わるのだ。
年越しのパーティー当日も、レオンは早朝からマーウィンに鍛練として扱かれ、朝食後はパーティーの準備をする両親の元で教師達に出された課題を熟す傍ら、女性の身仕度がどれ程の時間を要する事なのか、侍女達に説明をさせながらアナスタシアは身仕度をしていく。
最初はレオンとて、子供とは言え男だからと、侍女達が難色を示したが、アナスタシアが言い切った。
「では、将来レオンが妻の身仕度時間を考えず、王妃として急遽外に連れ出す、と二~三時間前にいきなり決めても、貴女達が責任を持って対処してくれるのね?その場合、出来ませんでした、では済まないけれど、それでも良いのね?」
それはさすがに困るが、まさか、レオンがそんな事を言ったりはしないだろうと侍女達は言うので、レオンは縮こまるしかない。
「残念ながらレオンは以前、高位令嬢にそんな手紙を送り付けたのよ。令嬢が父親経由で王宮に相談して下さったので、令嬢にはアレク様の返事で、応じなくて良い事と、謝罪をさせて頂きましたが、また同じ事をされては困るのです。その時は内密に話を進めましたが、他家に迷惑を掛けた事に間違いはないので、一から教育をやり直している最中なのよ。ですから女性が身仕度に掛かる時間を確りと教えておきたいの。協力して頂けるわよね?」
アナスタシアは笑顔を見せているが、目が全く笑っていない事に気付いた侍女達が震え上がる。
レオンは朝食後、直ぐに仕度部屋で、上位令嬢であれば、アナスタシア王妃と同じぐらいの時間を要する事から説明し、王宮主催の催しであれば、マッサージや髪の手入れ等は前日からするのは当然で、催し等が無い場合でも、公式の場では、その場に相応しい衣装選びや装飾品、非公式でも場所が王宮となる場合は身分に相応しい装いをしなければならない為、何もかも時間が掛かるのだと言いながら、アナスタシアの身仕度をしながら侍女達が只管動き回り、侍女達の戦場と化していた。
「言っておきますが、今日は前以て準備をしていたので、これでもまだ早い方なのです」
侍女達の言葉にレオンは顔を引き吊らせたのだった。
政務の仕事は終わったが、レオンの教育もまだまだだし、本当ならば仕事も終わり、家で過ごせる筈だった教師にだけ、負担を掛ける訳にはいかないからだ。
そうして、通常の政務の仕事が再開されるまで、レオンの教育にエドワルドも加わる。
勿論、公務の合間には、アナスタシアやアレクシスも加わり、ジルギリスがドレファンに赴いてる際は、ジーンまでもがジルギリスの代理として加わるのだ。
年越しのパーティー当日も、レオンは早朝からマーウィンに鍛練として扱かれ、朝食後はパーティーの準備をする両親の元で教師達に出された課題を熟す傍ら、女性の身仕度がどれ程の時間を要する事なのか、侍女達に説明をさせながらアナスタシアは身仕度をしていく。
最初はレオンとて、子供とは言え男だからと、侍女達が難色を示したが、アナスタシアが言い切った。
「では、将来レオンが妻の身仕度時間を考えず、王妃として急遽外に連れ出す、と二~三時間前にいきなり決めても、貴女達が責任を持って対処してくれるのね?その場合、出来ませんでした、では済まないけれど、それでも良いのね?」
それはさすがに困るが、まさか、レオンがそんな事を言ったりはしないだろうと侍女達は言うので、レオンは縮こまるしかない。
「残念ながらレオンは以前、高位令嬢にそんな手紙を送り付けたのよ。令嬢が父親経由で王宮に相談して下さったので、令嬢にはアレク様の返事で、応じなくて良い事と、謝罪をさせて頂きましたが、また同じ事をされては困るのです。その時は内密に話を進めましたが、他家に迷惑を掛けた事に間違いはないので、一から教育をやり直している最中なのよ。ですから女性が身仕度に掛かる時間を確りと教えておきたいの。協力して頂けるわよね?」
アナスタシアは笑顔を見せているが、目が全く笑っていない事に気付いた侍女達が震え上がる。
レオンは朝食後、直ぐに仕度部屋で、上位令嬢であれば、アナスタシア王妃と同じぐらいの時間を要する事から説明し、王宮主催の催しであれば、マッサージや髪の手入れ等は前日からするのは当然で、催し等が無い場合でも、公式の場では、その場に相応しい衣装選びや装飾品、非公式でも場所が王宮となる場合は身分に相応しい装いをしなければならない為、何もかも時間が掛かるのだと言いながら、アナスタシアの身仕度をしながら侍女達が只管動き回り、侍女達の戦場と化していた。
「言っておきますが、今日は前以て準備をしていたので、これでもまだ早い方なのです」
侍女達の言葉にレオンは顔を引き吊らせたのだった。
29
お気に入りに追加
9,250
あなたにおすすめの小説
一宿一飯の恩義で竜伯爵様に抱かれたら、なぜか監禁されちゃいました!
当麻月菜
恋愛
宮坂 朱音(みやさか あかね)は、電車に跳ねられる寸前に異世界転移した。そして異世界人を保護する役目を担う竜伯爵の元でお世話になることになった。
しかしある日の晩、竜伯爵当主であり、朱音の保護者であり、ひそかに恋心を抱いているデュアロスが瀕死の状態で屋敷に戻ってきた。
彼は強い媚薬を盛られて苦しんでいたのだ。
このまま一晩ナニをしなければ、死んでしまうと知って、朱音は一宿一飯の恩義と、淡い恋心からデュアロスにその身を捧げた。
しかしそこから、なぜだかわからないけれど監禁生活が始まってしまい……。
好きだからこそ身を捧げた異世界女性と、強い覚悟を持って異世界女性を抱いた男が異世界婚をするまでの、しょーもないアレコレですれ違う二人の恋のおはなし。
※いつもコメントありがとうございます!現在、返信が遅れて申し訳ありません(o*。_。)oペコッ 甘口も辛口もどれもありがたく読ませていただいてます(*´ω`*)
※他のサイトにも重複投稿しています。
公爵様、契約通り、跡継ぎを身籠りました!-もう契約は満了ですわよ・・・ね?ちょっと待って、どうして契約が終わらないんでしょうかぁぁ?!-
猫まんじゅう
恋愛
そう、没落寸前の実家を助けて頂く代わりに、跡継ぎを産む事を条件にした契約結婚だったのです。
無事跡継ぎを妊娠したフィリス。夫であるバルモント公爵との契約達成は出産までの約9か月となった。
筈だったのです······が?
◆◇◆
「この結婚は契約結婚だ。貴女の実家の財の工面はする。代わりに、貴女には私の跡継ぎを産んでもらおう」
拝啓、公爵様。財政に悩んでいた私の家を助ける代わりに、跡継ぎを産むという一時的な契約結婚でございましたよね・・・?ええ、跡継ぎは産みました。なぜ、まだ契約が完了しないんでしょうか?
「ちょ、ちょ、ちょっと待ってくださいませええ!この契約!あと・・・、一体あと、何人子供を産めば契約が満了になるのですッ!!?」
溺愛と、悪阻(ツワリ)ルートは二人がお互いに想いを通じ合わせても終わらない?
◆◇◆
安心保障のR15設定。
描写の直接的な表現はありませんが、”匂わせ”も気になる吐き悪阻体質の方はご注意ください。
ゆるゆる設定のコメディ要素あり。
つわりに付随する嘔吐表現などが多く含まれます。
※妊娠に関する内容を含みます。
【2023/07/15/9:00〜07/17/15:00, HOTランキング1位ありがとうございます!】
こちらは小説家になろうでも完結掲載しております(詳細はあとがきにて、)
あなたの子ですが、内緒で育てます
椿蛍
恋愛
「本当にあなたの子ですか?」
突然現れた浮気相手、私の夫である国王陛下の子を身籠っているという。
夫、王妃の座、全て奪われ冷遇される日々――王宮から、追われた私のお腹には陛下の子が宿っていた。
私は強くなることを決意する。
「この子は私が育てます!」
お腹にいる子供は王の子。
王の子だけが不思議な力を持つ。
私は育った子供を連れて王宮へ戻る。
――そして、私を追い出したことを後悔してください。
※夫の後悔、浮気相手と虐げられからのざまあ
※他サイト様でも掲載しております。
※hotランキング1位&エールありがとうございます!
夫の色のドレスを着るのをやめた結果、夫が我慢をやめてしまいました
氷雨そら
恋愛
夫の色のドレスは私には似合わない。
ある夜会、夫と一緒にいたのは夫の愛人だという噂が流れている令嬢だった。彼女は夫の瞳の色のドレスを私とは違い完璧に着こなしていた。噂が事実なのだと確信した私は、もう夫の色のドレスは着ないことに決めた。
小説家になろう様にも掲載中です
【完結】辺境伯令嬢は新聞で婚約破棄を知った
五色ひわ
恋愛
辺境伯令嬢としてのんびり領地で暮らしてきたアメリアは、カフェで見せられた新聞で自身の婚約破棄を知った。真実を確かめるため、アメリアは3年ぶりに王都へと旅立った。
※本編34話、番外編『皇太子殿下の苦悩』31+1話、おまけ4話
【完結】誰にも相手にされない壁の華、イケメン騎士にお持ち帰りされる。
三園 七詩
恋愛
独身の貴族が集められる、今で言う婚活パーティーそこに地味で地位も下のソフィアも参加することに…しかし誰にも話しかけらない壁の華とかしたソフィア。
それなのに気がつけば裸でベッドに寝ていた…隣にはイケメン騎士でパーティーの花形の男性が隣にいる。
頭を抱えるソフィアはその前の出来事を思い出した。
短編恋愛になってます。
5年も苦しんだのだから、もうスッキリ幸せになってもいいですよね?
gacchi
恋愛
13歳の学園入学時から5年、第一王子と婚約しているミレーヌは王子妃教育に疲れていた。好きでもない王子のために苦労する意味ってあるんでしょうか。
そんなミレーヌに王子は新しい恋人を連れて
「婚約解消してくれる?優しいミレーヌなら許してくれるよね?」
もう私、こんな婚約者忘れてスッキリ幸せになってもいいですよね?
3/5 1章完結しました。おまけの後、2章になります。
4/4 完結しました。奨励賞受賞ありがとうございました。
1章が書籍になりました。
最愛の側妃だけを愛する旦那様、あなたの愛は要りません
abang
恋愛
私の旦那様は七人の側妃を持つ、巷でも噂の好色王。
後宮はいつでも女の戦いが絶えない。
安心して眠ることもできない後宮に、他の妃の所にばかり通う皇帝である夫。
「どうして、この人を愛していたのかしら?」
ずっと静観していた皇后の心は冷めてしまいう。
それなのに皇帝は急に皇后に興味を向けて……!?
「あの人に興味はありません。勝手になさい!」
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる