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30代の頃
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実家を出る時、母親が駅まで送ると言ってくれた。
車に乗って出発しようとしていたその時
母親はなぜか、車庫から車が出せずにオロオロし出した。
「いつもは出せるのに」そう言って何度もハンドルを切るが、何度も壁にぶつかりそうになり、いつまで経っても車を車庫から出せない。
イライラしてきた。
「あれぇ、どうして?どうして出せないの~?」
母親の泣きそうな声を聞いて、私はふと思った。
私がドジでバカなのは、この母親からの遺伝だ
そう思ったら、猛烈に腹が立った。
母親が憎くて憎くてたまらなくなった。
「何やってんだよ、バカ!もういいよ!」
私は母親にそう怒鳴ってしまった。
そして衝動的に車から降りて
「バスに乗るからいい!ずっとやってろ!!バカ!!」
と、母親に向かって叫び、そのままバス停に走った。
父親と姉、それからミキちゃん夫婦に会い、嫌な事ばかりあってイライラしていた。
バス停に走り、すぐやって来たバスに飛び乗って実家を後にした。
バスの中で冷静になった。
私に怒鳴られた後の母の顔。
涙を浮かべて私を見ていた。
冷たい父親、姉。
母親だけが私をいつも助けてくれた。
決してしっかりした母親ではなかった。
だけど、私の心配をしてくれたのは母親だけだった。
なぜ怒鳴ってしまったのだろう。
これから数ヶ月、いや何年か会わないかもしれないのに。
ポロポロと涙がこぼれた。
母親にしてしまったことを死ぬほど後悔した。
車に乗って出発しようとしていたその時
母親はなぜか、車庫から車が出せずにオロオロし出した。
「いつもは出せるのに」そう言って何度もハンドルを切るが、何度も壁にぶつかりそうになり、いつまで経っても車を車庫から出せない。
イライラしてきた。
「あれぇ、どうして?どうして出せないの~?」
母親の泣きそうな声を聞いて、私はふと思った。
私がドジでバカなのは、この母親からの遺伝だ
そう思ったら、猛烈に腹が立った。
母親が憎くて憎くてたまらなくなった。
「何やってんだよ、バカ!もういいよ!」
私は母親にそう怒鳴ってしまった。
そして衝動的に車から降りて
「バスに乗るからいい!ずっとやってろ!!バカ!!」
と、母親に向かって叫び、そのままバス停に走った。
父親と姉、それからミキちゃん夫婦に会い、嫌な事ばかりあってイライラしていた。
バス停に走り、すぐやって来たバスに飛び乗って実家を後にした。
バスの中で冷静になった。
私に怒鳴られた後の母の顔。
涙を浮かべて私を見ていた。
冷たい父親、姉。
母親だけが私をいつも助けてくれた。
決してしっかりした母親ではなかった。
だけど、私の心配をしてくれたのは母親だけだった。
なぜ怒鳴ってしまったのだろう。
これから数ヶ月、いや何年か会わないかもしれないのに。
ポロポロと涙がこぼれた。
母親にしてしまったことを死ぬほど後悔した。
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