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20代の頃
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ユキちゃんに、家に遊びに来ない?って誘われた。
ユキちゃん達に全然会ってなくて、ずっと誘われなかった。
だから嬉しかった。嫌われちゃったのかなって思ってたから・・
それに、ノンちゃんやマーちゃん、ユキちゃんが好きなアメリカ人のショーンとその友達も来るって。
ユキちゃんちに行く前は、嬉しくてドキドキした。お菓子とかたくさん買っていった。
ユキちゃんちに着いたら、ノンちゃん達も来てた。
それで、みんな私の顔見たらすぐに、「ファミコンは?」ってきいた。
あ、そうだ、ユキちゃんにファミコン持って来てって言われてたんだ。すっかり忘れてた。
ごめーん、忘れちゃった、って私が言ったら、みんな急に静まり返って顔を見合わせた。全員、がっかりした顔で私から目をそらした。
その時、ああ、私じゃなくてファミコン目当てだったんだって気付いた。
その後、みんな私と喋ってくれなかった。
しばらくしたら、ショーンと、ショーンの友達のケビンが来た。
ケビンはすごくいい人で、私が黙ってたら一生懸命話しかけてくれた。
それで、鉄板出して、みんなでお好み焼き食べようってことになった。
私とマーちゃんは英語が得意じゃないから、あまり話に入れなくて、二人でお好み焼きの支度することにした。
お好み焼き粉を溶いて、それからみんながエビ入れて!とか天かす入れて!とか色々注文してきた。
これ、絶対おいしいよ、ってみんなで騒いだ。
完成して鉄板のところまでお好み焼きの素を持って行ったんだけど、ボールの中に入れておいたおたまの柄が長くて、私の袖に引っ掛かった。
あっ、て思った瞬間、ボールがひっくり返った。
ボールがバーン!って床に落ちる音と同時に、あーっ!ってみんなが叫んだ。
お好み焼きの素が全部床に落ちた。
それ見たら、全身寒くなった。
やっちゃった、って思った。
「このおたまの柄が長かったから!だから!だから引っ掛かって…!」
私は必死になって言った。
だけど、みんな静まり返った。
「あーあ、どうする?」ってユキちゃんが面倒臭そうに言った。
「ごめんね、もう一回作るから!」って私が言ったけど、「またお好み焼き粉買いに行くの?それまで待てないんだけど」ってノンちゃんも言った。
そしたらショーンが何かみんなに言った。
何か外に食べに行こうって言ったみたいだった。
こんな気持ちでみんなと食事できなかった。
だから、私は「私がこぼしたから、掃除するよ、みんな先に行ってて」って言った。
みんな、「じゃ、よろしく、後でね」って出掛けて行った。
ケビンだけが、日本語で「ダイジョーブ?」って私に言って、手伝おうか?って言ってくれた。
OK、大丈夫だよ、ってケビンに言ったら、ケビンは困った顔して、ごめんねって言ってみんなと出掛けた。
後でねって言ったけど、みんながどこに行くか聞いてないし、教えてもくれなかった。
私と合流する気なんかなかったと思うし、私なんかどうでも良かったんだと思う。
一人でお好み焼きの素を拭きながら、もうユキちゃんやノンちゃんに二度と誘われないだろうな、って思った。
ユキちゃん達に全然会ってなくて、ずっと誘われなかった。
だから嬉しかった。嫌われちゃったのかなって思ってたから・・
それに、ノンちゃんやマーちゃん、ユキちゃんが好きなアメリカ人のショーンとその友達も来るって。
ユキちゃんちに行く前は、嬉しくてドキドキした。お菓子とかたくさん買っていった。
ユキちゃんちに着いたら、ノンちゃん達も来てた。
それで、みんな私の顔見たらすぐに、「ファミコンは?」ってきいた。
あ、そうだ、ユキちゃんにファミコン持って来てって言われてたんだ。すっかり忘れてた。
ごめーん、忘れちゃった、って私が言ったら、みんな急に静まり返って顔を見合わせた。全員、がっかりした顔で私から目をそらした。
その時、ああ、私じゃなくてファミコン目当てだったんだって気付いた。
その後、みんな私と喋ってくれなかった。
しばらくしたら、ショーンと、ショーンの友達のケビンが来た。
ケビンはすごくいい人で、私が黙ってたら一生懸命話しかけてくれた。
それで、鉄板出して、みんなでお好み焼き食べようってことになった。
私とマーちゃんは英語が得意じゃないから、あまり話に入れなくて、二人でお好み焼きの支度することにした。
お好み焼き粉を溶いて、それからみんながエビ入れて!とか天かす入れて!とか色々注文してきた。
これ、絶対おいしいよ、ってみんなで騒いだ。
完成して鉄板のところまでお好み焼きの素を持って行ったんだけど、ボールの中に入れておいたおたまの柄が長くて、私の袖に引っ掛かった。
あっ、て思った瞬間、ボールがひっくり返った。
ボールがバーン!って床に落ちる音と同時に、あーっ!ってみんなが叫んだ。
お好み焼きの素が全部床に落ちた。
それ見たら、全身寒くなった。
やっちゃった、って思った。
「このおたまの柄が長かったから!だから!だから引っ掛かって…!」
私は必死になって言った。
だけど、みんな静まり返った。
「あーあ、どうする?」ってユキちゃんが面倒臭そうに言った。
「ごめんね、もう一回作るから!」って私が言ったけど、「またお好み焼き粉買いに行くの?それまで待てないんだけど」ってノンちゃんも言った。
そしたらショーンが何かみんなに言った。
何か外に食べに行こうって言ったみたいだった。
こんな気持ちでみんなと食事できなかった。
だから、私は「私がこぼしたから、掃除するよ、みんな先に行ってて」って言った。
みんな、「じゃ、よろしく、後でね」って出掛けて行った。
ケビンだけが、日本語で「ダイジョーブ?」って私に言って、手伝おうか?って言ってくれた。
OK、大丈夫だよ、ってケビンに言ったら、ケビンは困った顔して、ごめんねって言ってみんなと出掛けた。
後でねって言ったけど、みんながどこに行くか聞いてないし、教えてもくれなかった。
私と合流する気なんかなかったと思うし、私なんかどうでも良かったんだと思う。
一人でお好み焼きの素を拭きながら、もうユキちゃんやノンちゃんに二度と誘われないだろうな、って思った。
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