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変な男の人たち
既婚者 その4
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女の勘は鋭いと言うが
私も木村さんが「私の他に浮気相手がいる」とピンときた瞬間が何度かあった。
エッチのやり方が違うのだ。
説明が難しいが、エッチの回数が多くなるとだんだんその人のやり方みたいのに慣れてくる。
だけどある日、あれ?いつもと違うな、と小さな変化に気づく。
他でエッチしてきたのだ。
本人は気づかない些細な違いだと思う。
木村さんは私の他にも色んな女の子に手を出していたと思う。
だったら私じゃなくてもいいかな、と思ったのも別れようと思ったひとつの理由になった。
キャバクラで働き出してから、店の女の子と近くにあるバーにアフターで飲みに行ったりしていた。
そこのバーテンにマコトくんという20才の男の子がいた。
関西出身でやんちゃな雰囲気のかわいい男の子だった。
その子に何度か遊ぼう、と誘われていた(しかし面倒なので無視していた)。
ああ、そうだ、他に好きな人ができたと、マコトくんの事を言えば木村さんは納得して諦めるかもしれない、と思った。
木村さんに別れ話をした。
やはり不倫は良くない、奥さんに申し訳ない、と話し
それからマコトくんの話をした。
自分より10才以上も若い男に気持ちが向いた、その事がやはりかなり木村さんには堪えたらしく、マコトくんのことを根掘り葉掘りきいてきた。
木村さんにはショックだったかもしれない。
でもこうでもしないとズルズル関係は続いてしまうだろう。
木村さんは結婚しているという負い目があったのだろう、マコトくんの事はどんな子かとても知りたがったが、別れることには反対しなかった。
その日はエッチをせずに帰ってもらった。
元気でね、今までありがとう、とあっさりとした別れだった。
ところが
数週間して木村さんから電話がかかってきた。
今から家に行っちゃダメかな、とのこと。
もちろんダメだと断った。
それが何回も続いた。
ついにはマコトくんの居場所を探し当て、マコトくんに直々に私と付き合ってるのか?と詰め寄ったらしい(これはマコトくんから直接聞いた)。
結婚しておいて不倫相手に未練タラタラなのはなんとも都合がいい話だが、付き合ったのが2年と長かったのもあり、私の方もしばらく木村さんのことは引きずった。
私は他の子と違い、そこまで不倫にどっぷりはまらなかったが
これが本気で好きになり、奥さんを憎み、離婚を切望するくらいになったら、かなりキツいだろうなと感じた。
やはり不倫なんてするもんじゃない。
木村さんと別れて一人になった時
夜も更けた頃に地震がきた。
小さな地震だったが、その時ふと思い出した。
木村さんと寝ている時、少し大きめの地震がきた。
すると咄嗟に木村さんは私を抱き締めた。
私の頭を自分の胸に抱き、私をかばうようにして「大丈夫だよ、すぐにおさまるから」と何度も言った。
あの時の安心感。
彼氏でもあったが、父親のようでもあった。
だから離れられなかったのかな、と思い
思いがけず地震が起きて
木村さんの腕の中の温もりをはっきりと思い出し、切なくなった。
自分は木村さんと遊び半分で付き合っていた、と自覚していた。
しかし、別れて初めて彼の存在の大きさを知り、とても懐かしんだ。
私は木村さんに恋愛感情を持っていたのだろうか。
今でもよく分からない。
私も木村さんが「私の他に浮気相手がいる」とピンときた瞬間が何度かあった。
エッチのやり方が違うのだ。
説明が難しいが、エッチの回数が多くなるとだんだんその人のやり方みたいのに慣れてくる。
だけどある日、あれ?いつもと違うな、と小さな変化に気づく。
他でエッチしてきたのだ。
本人は気づかない些細な違いだと思う。
木村さんは私の他にも色んな女の子に手を出していたと思う。
だったら私じゃなくてもいいかな、と思ったのも別れようと思ったひとつの理由になった。
キャバクラで働き出してから、店の女の子と近くにあるバーにアフターで飲みに行ったりしていた。
そこのバーテンにマコトくんという20才の男の子がいた。
関西出身でやんちゃな雰囲気のかわいい男の子だった。
その子に何度か遊ぼう、と誘われていた(しかし面倒なので無視していた)。
ああ、そうだ、他に好きな人ができたと、マコトくんの事を言えば木村さんは納得して諦めるかもしれない、と思った。
木村さんに別れ話をした。
やはり不倫は良くない、奥さんに申し訳ない、と話し
それからマコトくんの話をした。
自分より10才以上も若い男に気持ちが向いた、その事がやはりかなり木村さんには堪えたらしく、マコトくんのことを根掘り葉掘りきいてきた。
木村さんにはショックだったかもしれない。
でもこうでもしないとズルズル関係は続いてしまうだろう。
木村さんは結婚しているという負い目があったのだろう、マコトくんの事はどんな子かとても知りたがったが、別れることには反対しなかった。
その日はエッチをせずに帰ってもらった。
元気でね、今までありがとう、とあっさりとした別れだった。
ところが
数週間して木村さんから電話がかかってきた。
今から家に行っちゃダメかな、とのこと。
もちろんダメだと断った。
それが何回も続いた。
ついにはマコトくんの居場所を探し当て、マコトくんに直々に私と付き合ってるのか?と詰め寄ったらしい(これはマコトくんから直接聞いた)。
結婚しておいて不倫相手に未練タラタラなのはなんとも都合がいい話だが、付き合ったのが2年と長かったのもあり、私の方もしばらく木村さんのことは引きずった。
私は他の子と違い、そこまで不倫にどっぷりはまらなかったが
これが本気で好きになり、奥さんを憎み、離婚を切望するくらいになったら、かなりキツいだろうなと感じた。
やはり不倫なんてするもんじゃない。
木村さんと別れて一人になった時
夜も更けた頃に地震がきた。
小さな地震だったが、その時ふと思い出した。
木村さんと寝ている時、少し大きめの地震がきた。
すると咄嗟に木村さんは私を抱き締めた。
私の頭を自分の胸に抱き、私をかばうようにして「大丈夫だよ、すぐにおさまるから」と何度も言った。
あの時の安心感。
彼氏でもあったが、父親のようでもあった。
だから離れられなかったのかな、と思い
思いがけず地震が起きて
木村さんの腕の中の温もりをはっきりと思い出し、切なくなった。
自分は木村さんと遊び半分で付き合っていた、と自覚していた。
しかし、別れて初めて彼の存在の大きさを知り、とても懐かしんだ。
私は木村さんに恋愛感情を持っていたのだろうか。
今でもよく分からない。
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