Aセクシャルの人

セリー

文字の大きさ
上 下
7 / 58
恋愛厨への素朴な疑問

センチメンタル恋愛厨

しおりを挟む
別れてすぐ、川村先輩から手紙もらった。
そこには

「俺のこと、真から好きになってほしかった」

と書いてあった。

真?

ま?

もしかして「芯」って言いたかったの?

そう気付いた瞬間、爆笑してしまった。

センチメンタルな手紙に誤字。
これはもう笑うしかない。
誤字がなかったとしても「芯から好きになる」とはどういうことなのか?川村先輩の「芯」とは一体何なのか?

この中学生男子は恋愛沙汰に夢中になりすぎて国語もろくに理解していないのだ。

そして
「お前には幸せになってほしい」
とも書いてあった。

お前呼ばわりは大目に見るとして

当時、彼氏彼女の名前の後に〇〇命!と書き
本気と書いてマジと読む
などヤンキー文化が大流行りしていた。
金八先生第二期の時代である。

川村先輩及び、周囲はそれに感化されていたので、いわゆるセンチメンタル硬派みたいな半ヤンキーで溢れていたのである。

川村先輩の手紙からもその半ヤンキー臭がプンプンしていたのである。

そもそも、会わなかった腹いせに別の女と遊んでおいて、「幸せになってほしい」とは片腹が痛い。

そして最悪なことに

私は真由先輩とすれ違いざま、こんな言葉を浴びせられたのだ。

「本気で恋しろよ!!」

こちらも負けずとセンチメンタル半ヤンキー、「今私、いい事言った!」「一石投じた!」と自分の言ったことにうっとりしていたが、こちらはお腹いっぱい、うんざりである。どうやらドラマか何かの見過ぎだろう。

川村先輩、真由先輩の三年生が卒業するまで、私は非常に居心地が悪かった。向こうがビンビンにこちらを意識していたからである。

私の見える所で自転車の二人乗り、私のいる学年の廊下で二人でいちゃついていたりと、散々見せつけられた。
悔しいだろう?羨ましいだろう?とでも言いたかったのだろうが、こちらは「分かったからいい加減にしてくれ・・・」と幼稚な二人の言動に呆れていた。

川村先輩、真由先輩が卒業して半年経った頃だろうか。
二人は別々の高校に進学し、その後別れて、二人とも新しい相手と付き合っていると聞かされた。

まあそんなもんだろう。
最初から勉強そっちのけで恋愛にどっぷりはまるのが好きな人たちなのだ。

新しい彼女には真から好きになってもらったのだろうか?

どうでもいいけど。





しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

官能小説を副業・収益化するための投稿サイト比較 投稿遍歴 創作論 走り書き

菊池葵
エッセイ・ノンフィクション
エッチな小説を書くのが副業になった私の経験を書いていこうと思います。 もともとは、X(旧ツイッター)で、小説投稿サイトの比較という話題があり、私なりにいろいろ書きました。 せっかくなので、アルファポリスにも投稿して残しておこうと思います。 という、1000文字ちょっとの短いエッセイのつもりでしたが、思った以上にポイントが伸びたので、小説副業化の体験記みたいな感じで続きを書いていこうと思います。 ポイントが多くても文字数が基準以下だとスコアつかないので。 (広告収入還元の対象外) 【キーワード】 創作小説 副業 収益化 マネタイズ インセンティブ 官能小説 エロ小説 ポルノ小説 DL同人 kindle出版 アルファポリス ノクターンノベルズ ムーンライトノベルズ ミッドナイトノベルズ DLsite FANZA同人 BOOTH Amazon kindle出版 KDP アカウント停止

妻がエロくて死にそうです

菅野鵜野
大衆娯楽
うだつの上がらないサラリーマンの士郎。だが、一つだけ自慢がある。 美しい妻、美佐子だ。同じ会社の上司にして、できる女で、日本人離れしたプロポーションを持つ。 こんな素敵な人が自分のようなフツーの男を選んだのには訳がある。 それは…… 限度を知らない性欲モンスターを妻に持つ男の日常

アルファポリス活動記録

みゆき
エッセイ・ノンフィクション
アルファポリスの活動記録です。 使ってみた感想などを書きます。 せっかく書いている作品は読んでもらいたい気持ちもあるので、記録はする。

霜月は頭のネジが外れている

霜月@サブタイ改稿中
エッセイ・ノンフィクション
普段ゆるーくポイ活をしている私(作者:霜月)が、あるポイ活サイトで『ごろごろしながら小説書くだけで二万稼げる』という投稿をみて、アルファポリスへやってきた。アルファポリスに来て感じたこと、執筆のこと、日常のことをただ書き殴るエッセイです。この人バカだなぁ(笑)って読む人が微笑めるエッセイを目指す。

メゾンドにゃんこ

冴條玲
エッセイ・ノンフィクション
賃貸と持ち家はどちらがいいのか――? そんなことを考えている猶予は、もはやない。 このエッセイは、破壊神と化した子猫たちがアパートを破壊する前にと、お金もないのにマイホーム購入に踏み切ったままんの、にゃこ色のリフォーム奮闘記です。 ※ 新築の庭付き一戸建てを買うお金などないので、タダ同然の古家を買って、経験ゼロのド素人がDIYでフルリフォームという暴挙に出た、その結末は――!?

にゃこがやってきた

冴條玲
エッセイ・ノンフィクション
こたつ布団をめくって欲しいにゃこ、「ナァ」と鳴きながら肩ぽん。 次には鳴くのが面倒になって肩ぽん。だけ。 次には肩まで手をあげるのが面倒になって腕ぽん。 次には―― これは、ぶち雪姫様の怠惰な日々の記録である。

ポケっこの独り言

ポケっこ
エッセイ・ノンフィクション
ポケっこです。 ここでは日常の不満とかを書くだけのものです。しょーもないですね。 俺の思ってることをそのまま書いたものです。 気まぐれ更新ですが、是非どうぞ。

寝室から喘ぎ声が聞こえてきて震える私・・・ベッドの上で激しく絡む浮気女に復讐したい

白崎アイド
大衆娯楽
カチャッ。 私は静かに玄関のドアを開けて、足音を立てずに夫が寝ている寝室に向かって入っていく。 「あの人、私が

処理中です...