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第7話:アラン様と寝物語

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 夜の午後十一時。

 いつものように、私はアラン様の専用の寝室の前に立つ。
 ノックをする。

「入りなさい」

 アラン様の声が聞こえたので、扉を開けて部屋の中に入る。

「ご主人様、いつものように身体はきれいにしてきました。水も大量に飲んできました」
「悪いね」

 にこやかに私に近づくアラン様。
 しかし、その表情が突然険しくなった。

「フランソワーズ、いつもと着ている服が違うね」

 アラン様の機嫌が悪くなったみたい。
 私は正直に話した。

 失禁して汚した服の代わりに新しいメイド服をポール様に買ってもらったことを。
 いつもはほぼ真っ黒な姿だったのだが、ポール様は少し細かい刺繍のはいった紺色の高価なメイド服を買ってくれた。

 すると、アラン様がますます不機嫌になる。

「君はポールと一緒に平民街へ行ったようだが、ポールは君に何かしなかったか」

 どうしよう。
 唇とかさわられたけど。

 けど、私はアラン様を心底愛してしまった。
 私の全てをさらけ出したい。

「あの、ポール様が私のあごとか唇を触りました。そして、私の顔を見てこれが兄貴の好みの顔かあとかおっしゃっておられました」
「君には誰もさわるなと言ってあるんだがな」
「は、はい、申し訳ありません。けど、ポール様には逆らえなくて……」

「あごと唇だけだろうな」
「はい、けど、ポール様は私を追いはぎから守ってくれたのですが」
「まあ、あいつも悪い奴じゃないけどな。遊んでばっかりだが」

 ポール様は悪い奴どころか、かなりいい人、じゃなくていい吸血鬼のように感じたが、私は黙っていた。

「いいかね、君が特異体質だってことは他の吸血鬼には知られたくはないんだ。しかし、君にさわると分かってしまう場合もある。二度とさわらせないように。わかったね、フランソワーズ」
「はい、承知いたしました」
「じゃあ、服を脱いで」

 私は命令されるがまま、服を脱いで裸になる。
 そして、いつものようにアラン様の顔の上にまたがる。

 何度やっても、恥ずかしい。
 私はいつになく緊張しながらも、何とかおしっこをした。
 アラン様が飲み終わると、私はベッドの上で裸のまま四つん這いにされた。

 アラン様が荒々しく私を後ろから責める。
 いつもはもっとやさしく抱いてくれるのに。

 今夜はやはり機嫌が悪いみたい。
 ただ、この体位は私は好きだ。

 私はアラン様に支配されたいから。
 征服されたいの。
 この格好はアラン様に犯されているみたいで気持ちがいい。

 私はアラン様に犯されたい。
 もう、徹底的に私を犯してほしい。

 アラン様に身も心も支配されたい。
 何もかも忘れるほど。

 仲間を見捨てて逃げた事も忘れさせてほしい。
 忘れられないけど。

 その後もいろんな体位でアラン様に責められる。
 ものすごく気持ちがいい。

「ああ、ご主人様、い、いきそうです、気持ちいい、ああ、出る、あの、もう少しで出ます、ああ、出ちゃいますう」

 すると、コップをアラン様が私の股間に近づける。

「ああ、い、いく、いきます、いくう、ああ、出る、出るう、出ちゃう!」

 私は絶頂へ達し、あそこから悦びの液を噴き出す。
 それをコップで受けるアラン様。

 私はぐったりとして、ベッドの上で横になる。
 その横で美味しそうにコップの中の液体を飲むアラン様。

 美味しいのかなあと思ったりもする。
 汚いと思わないのかなあ。

 そんな私をやさしく抱きしめてくれるアラン様。
 私の身体をやさしく撫でてくれる。

 とても気持ちがいいわ。
 どうやら、アラン様、機嫌が直ったみたい。

「とにかく他の吸血鬼には絶対にさわらせないこと。わかったね」
「はい、わかりました」

「いいかい、君の身体は大事にしないといけないんだ。今日のようなお使いも他の者に行かせるようにメイド長へ言っておくよ。ポールのような遊び人に君がかどわかされたら、たまったもんじゃない」
「あの、ポール様は私の身体を心配してくれたようですが……」
「どんなことを言われたんだい」

 私は顔を赤くして答えた。

「えーと、その、あの、あまり深夜まで、その、ご奉仕をさせるなってアラン様に忠告してあげると言われました……」
「君をやさしく扱っているつもりだけどなあ」

「はい、私もそう思います」
「まあ、つらいようなら遠慮なく言ってよ」
「はい、わかりました」

「じゃあ、またいいかな」
「はい……」

 再びアラン様に抱かれる私。
 今度は対面座位で向かい合う。

 目の前に美男子のアラン様。
 私はあそこをアラン様の肉棒で貫かれて嬌声をあげてしまう。

 本当はもう熱烈にキスをしたいけど、うっかりアラン様の犬歯が私の唇を傷つけると、私は吸血鬼になってしまうので注意している。アラン様が興奮した私の乳首を指で擦ってくる。

「ああ、アラン様、気持ちいいです、ああ、もっと、いやらしい私の乳首をいじってくださいませ、ああ、もっと責めて、淫らなフランソワーズを虐めてください! 私、アラン様にはどんなことをされてもいいんです!」

 その後、アラン様が私の乳首を舌で舐めてくれる。
 快感でふるえる私。

 ああ、気持ちいい。
 乳首もあそこも気持ちいいわ。

 私は激しく腰を動かし、アラン様のアレであそこの肉襞を擦り快感に浸る。
 アラン様も興奮してきたみたい。

「フランソワーズ、そろそろ出すぞ」
「はい、お願いいたします、ご主人様!」

 ドッとアラン様の白濁液が私の身体の中に注ぎ込まれた。
 私はものすごい快感でふるえ、身体が痙攣する。

 ああ、本当に気持ちいい。
 ものすごく気持ちがいいの。

 気絶しそう。
 ああ、孕みたい、アラン様に孕まされたい。

 アラン様のお子様をお腹に宿したい。
 妊娠したい、アラン様の赤ちゃんが産みたいと私は真剣に思った。

 しかし、吸血鬼は人間の女を妊娠させることは出来ないのは本当に残念だなあと私は思っている。
 ああ、アラン様の赤ちゃんを産みたいなあと思いながら、何度も精液を注ぎ込まれて私の意識が遠くなった。

 しばらくして、私は気づいた。
 アラン様が私の裸体を、またやさしく撫で回している。

「あ、すみません……あの、私、気絶していましたか」
「うん、そうだね、ちょっとつらかったのかな、人間には」

「いえ、とても気持ちがよすぎて気絶してしまいました……申し訳ありません……」
「謝る必要はないよ。とにかく君の身体は大事にしたいので、今夜はこれで終わりとしよう」

「はい、わかりました。あの、お邪魔なら自分の部屋に戻りますが」
「いや、このまま朝までこの部屋にいていいよ」

 朝までアラン様にベッドの上で抱きしめてもらえるんだ。
 私は最高に幸せな気分になった。
 抱きしめられながら、アラン様と寝物語。

「あの、アラン様、ご質問があるのですが」
「なんだい、フランソワーズ」

「人間は吸血鬼に血を吸われただけで、すぐに吸血鬼になるのですか」
「そうだね、その場で吸血鬼になるし、例えば大ケガをしていた人間を助けることもできるな」

「そうなんですか」
「ああ、あっという間にケガが治る。但し、吸血鬼になってしまう。それに、今は人間を吸血鬼にするのは禁止になっているけどな」

「なぜですか」
「そりゃ、吸血鬼が増えると困るからさ。寿命が長いから吸血鬼だらけになってしまう。人間は寿命が短いから絶えず人口を増やしていかないとまずいようだけどね」

 そうか、アラン様にちょっと噛まれるだけで、私は吸血鬼になれるんだ。

「あの、それで、人間から吸血鬼になったとして、その場合は吸血鬼と結婚して子供を産めることが出来るのようになるんですか」
「もちろん、吸血鬼になったんだから、子供もできるようになるなあ」

 そうなんだ、ああ、吸血鬼になって、そして、アラン様の子供を妊娠して、赤ちゃんを産みたいなあと私は思った。

 けど、そんなことになったら、アラン様は罰せられてしまう。
 確か、人間を吸血鬼にしたら、貴族階級でも平民階級に落とされてしまうんだっけ。

 じゃあ、頼めないわね、吸血鬼にしてくれなんて。
 ああ、吸血鬼になりたいなあ。
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