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ノンビリ

one flame㉛

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 久しぶりに昼休みになんか変な空気が漂っている。

「明日、それは昼食最後の日。他クラスはそれぞれパーティーをしようとしている。が、俺たちI組はどうだ?なんの企画もしていない。そんな空気にもなっていない。勿体ないとは思わないか?」
「そうか?」
「別にええと思うけど。」
「ええやん。ちょっとぐらい乗ってきてーや。」

教壇に立つ聡はそんなことを言い、そのまま教卓にぐでーっとなる。

「まあ、要するに、俺たちも最後ぐらい羽目外そうぜってことよ。やろうぜ。なんか。」
『うおおお!』

さっきまでの空気とはうってかわって、活気に満ち溢れる。

「御浜先生!なにするんですか?」
「よく聞いたな、戸津井。俺たちがやるのはサンドイッチだ!」
『お?』

聡のその発言に思考が追いつかなくなって一瞬止まる。パーティーといえば、あのとんでもないサイズのカップ焼きそばやったり、禁止されてるけどピザ頼んだりする。てか、そんなクラスが多い。けど、なんでサンドイッチ…あぁ

「これなら好き嫌いあるやつでも自分で選んでできるやろ。誰かが全く食われへんとかないってことよ。」

こいつはあくまで全員参加させるつもりなようだ。

「やから明日、1人1個具材持ってきてくれ。被らんようにクラスRINEにノート作っとくから、そこに持ってくるもの書いといて。以上!」

聡はそう言って教壇を降りる。

 そしてちゃんと昼食の時間が始まる。

「由良君は何持ってくるん?どうせ料理できる系男子なんやろ?」
「たしかに!ぽいぽい!」
「そんな期待されても大層なもの持ってこれるわけないど。何にしよっかな?」

最後の弁当となった今日、一つ一つ箸でつまみながら食べる。3年か。長いようで短かったな。

「被らんようにゆーてんねんから、ソース系作ろっかな。何種類か。」
「あっ、めっちゃ由良くんっぽい。」
「目立たんけど確実に他を支えてる感じ、解釈一致やな。」
「俺に対してどんなイメージを抱いてんだか。聡、終わったか?」

RINEにノートを作る作業をしていた聡がスマホを机の上に置く。

「終わった終わった。早い者勝ちやからな。思いついたら書いとけよ。」
「聡は何にするん?」
「俺はローストビーフ。帰りに美味い店あるからそこのやつ。」

自慢げに聡は言う。そんな聡を女子2人は何か言いたそうな目で見ていた。

「作らんのは甘えやな。」
「甘えや甘え。そうやから変な女しか寄ってこーへんねん。」
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