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コタエハ
俺たちは答えを知らない⑤
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「どう?」
私たちは出来上がった音源を3人に聞かせる。私にしては珍しくドラムから先に作った曲だ。
「これ、俺めっちゃ重要ちゃうん?ドラムとギターがめっちゃ前出てる感じする。」
「私と奏さ、これミスったらめっちゃ目立つやん。」
お陰でドラムとギターが目立つし難しい、盛り上がる曲になった。
同時に作ったTAB譜とドラム譜を配って、各々で練習を始めた。私と久志は作った側だから、もう演奏できるが、他3人は初見の譜面だ。
けど、センスがいいからか、2,3回弾いたらほぼほぼ完璧に仕上がっていた。
「合わせる?」
「とりあえずやってみるか。めっちゃムズいけど。」
「それはごめん。」
すぐに私たちは自分たちの立ち位置について、集中力を高めた。
楓が4回靴を鳴らしてギターを鳴らし始める。カッティング中心の音から始まり、4小節終わったところで奏のドラムが入る。走り気味の奏のドラムだからこそ、手数多めのハイテンポのドラムだ。そしてこれも4小節続き、そして音が一度止まる。楓のギターのノイズだけが響き、その音も次第に小さく。そして久志が歌い始めた。
演奏が終わって、汗を拭う。今までやってきた曲とはまた違う、けど私たちらしさを忘れていない曲が出来上がった。のだが、
「「ごめーーん!」」
奏と楓が全力で謝る。謝る程でもないが、3回、入りのタイミングをミスしたのだ。こんな譜面を作った時点で、そんなことは織り込み済みだが、私たちが完璧な演奏をしたから負い目を感じたようだ。
「まあ、最初やしな。」
「合わせんの初めてやし、一人でやるのとはそりゃあ違うわ。」
「いけるいける、まだ10日ぐらいあんねんし。」
こんな感じで繰り返し練習してたらできるようになるだろう。幸いにも体力面では問題がないから、当日の演奏はどうにかなる。
「今日はもうそろそろ時間やから、また明日やな。」
「せやな。」
「撤収ぅー!」
「やばっ、課題やってへんわ。」
「久志、やったげようか?」
「いや、すぐ終わるやつ。」
今日もまた練習が終わる。少しだけ背伸びできる時間が終わって、そして日常が戻ってくるんだ。
私たちは出来上がった音源を3人に聞かせる。私にしては珍しくドラムから先に作った曲だ。
「これ、俺めっちゃ重要ちゃうん?ドラムとギターがめっちゃ前出てる感じする。」
「私と奏さ、これミスったらめっちゃ目立つやん。」
お陰でドラムとギターが目立つし難しい、盛り上がる曲になった。
同時に作ったTAB譜とドラム譜を配って、各々で練習を始めた。私と久志は作った側だから、もう演奏できるが、他3人は初見の譜面だ。
けど、センスがいいからか、2,3回弾いたらほぼほぼ完璧に仕上がっていた。
「合わせる?」
「とりあえずやってみるか。めっちゃムズいけど。」
「それはごめん。」
すぐに私たちは自分たちの立ち位置について、集中力を高めた。
楓が4回靴を鳴らしてギターを鳴らし始める。カッティング中心の音から始まり、4小節終わったところで奏のドラムが入る。走り気味の奏のドラムだからこそ、手数多めのハイテンポのドラムだ。そしてこれも4小節続き、そして音が一度止まる。楓のギターのノイズだけが響き、その音も次第に小さく。そして久志が歌い始めた。
演奏が終わって、汗を拭う。今までやってきた曲とはまた違う、けど私たちらしさを忘れていない曲が出来上がった。のだが、
「「ごめーーん!」」
奏と楓が全力で謝る。謝る程でもないが、3回、入りのタイミングをミスしたのだ。こんな譜面を作った時点で、そんなことは織り込み済みだが、私たちが完璧な演奏をしたから負い目を感じたようだ。
「まあ、最初やしな。」
「合わせんの初めてやし、一人でやるのとはそりゃあ違うわ。」
「いけるいける、まだ10日ぐらいあんねんし。」
こんな感じで繰り返し練習してたらできるようになるだろう。幸いにも体力面では問題がないから、当日の演奏はどうにかなる。
「今日はもうそろそろ時間やから、また明日やな。」
「せやな。」
「撤収ぅー!」
「やばっ、課題やってへんわ。」
「久志、やったげようか?」
「いや、すぐ終わるやつ。」
今日もまた練習が終わる。少しだけ背伸びできる時間が終わって、そして日常が戻ってくるんだ。
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