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マナツノ

何かあったな

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 私たちの親友たちが、今日は朝からなんか甘酸っぱい。

「奏?」
「楓も気づいたか。俺もなんか変やなとは思ってたけど。」
「2人どうしたんだろ?」

朝いつもの場所で集合した私たちは、きいと一緒に来たQと桜の2人の様子がおかしいのに気づいた。

 そういうわけで、私たち3人は少し離れて歩いているのだが、前を行く2人がどうも甘酸っぱい。まるでお互いをすきだと意識してしまった友達みたいな感じだ。

「きい、朝見たときなんか気づいたことある?」
「ん~、あっ、ひい君の隈が今日は濃かった気がする。」

きいは少し悩んでそう言った。Qの顔をずっと見続けてきたきいが言うことだから確かなのだろう。

 寝不足になるようなこと。2人の空気。その2つをかけあわせて出てくる解はひとつしかない。

「なんか分かった?」
「あとで本人に確認とろっか。」
「ここでは話せないと。」
「別に出来んこともないけど、合ってるかわからんし。ね、奏?」
「確かにそうだな。俺もちょっと聞いてみるわ。」

 そして学校につく。いつものように机にカバンを置いたあと、私ときいはすぐにH組に乗り込んだ。

 音羽を呼んで廊下に出る。

「音羽も気づいた?」
「もちろん。なんか今日は静かやし。何あったん?」
「ちょっと本人呼んでみよか。」

私たちは桜を呼んで、トイレに向かう。

「いきなり何?」
「桜、ヤッた?」

ここまで来たら隠すことも何も無い。私は直球で聞いた。その言葉の意味が分かったきいは、めちゃくちゃびっくりしている。音羽はなんか納得したような表情。

「な、な、な、なんで?」
「いやぁ、今日朝から2人の空気が甘くて甘くて。何となく勘で?それでヤッた?」

すると桜の顔がみるみるうちに真っ赤になっていく。こういう顔もできるところがこの子の可愛いところだ。

「その顔が答えやな。」
「べ、別に?ちょっとだけヒートアップしちゃっただけやし。」
「それだけでこの顔するわけないやろ。」

私は今の桜を撮って、桜に見せる。すると、桜はさらに顔を赤くした。

「や、やりました。」

「おおー」っと3人で拍手を送る。あの桜が、クラスのマドンナだった桜が、今ではこんなに可愛い顔を見せてくれる。それだけで本当に成長したなと感じる。

「それで?」
「どんな感じやったん?」

ここまで来たらもう退けない。私たちはしっかりと一つ一つ聞いていく。

「あんまり記憶ないんだよね。私も一生懸命やったから。」
「「「はあぁぁぁ」」」
「3人ともどうしたん?」
「いや、いつの間にこんなに可愛くなったんやろって。」
「尊すぎる。」
「桜もついに登りましたか。」

そこから私たちの記憶がない。
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