585 / 739
インタイ
だんだん
しおりを挟む
中央大会の予選会である地区大会まであと3日。練習も少しずつレースを想定した練習に変わってきて、距離自体は変わっていないが、サークルが長くなっている分、幾分か楽に感じるようになってきた。
「楓、これ1人ずつの方がいい?」
「んーん。3人いっぺんに行ってくれてええで。メモぐらいすぐ取れるし。」
「おけ。」
今日もdistanceを見てくれている楓とそんな話をする。今からのメニューは100mを4本。400mのレースペースだ。サークルが少し長いからブロークン(レースペースよりも早いペース)を想定しているのだろう。
「藍、どんくらいで入る?」
「ブロークンやろうから全部6(秒)かそれよりも早く入る。奏さんは?」
「俺は10(秒)ぐらいやな。憲士は?」
「藍さんが6(秒)やったら俺も同じぐらい。」
「じゃあ追いつかれはせぇへんな。」
いつものように順番に並んで、水分を取る。ここから6分は水分を取っている暇などない。
「どこから行く?」
「じゃあ上(60秒)からで。」
楓は紙を挟んだバインダーとペン、そしてストップウォッチを持って、プールサイドに立つ。藍がスタートの時間を決めて、軽く流しに行った。
そして50秒後、藍からスタートした。
「ぃきまーす、せーいごー!」
藍は軽い泳ぎで進んでいく。そしてその10秒後、憲士が飛び出して行った。
「奏、せめて11(秒)イーブンね。」
「きっつ。」
折り返してきた藍が15mフラッグを超えてから俺が出る。軽く潜ってドルフィンキックを6回。最初くらいはこれくらいをしないと、ノってこない。
それにしても今日は身体が軽い。特に力も入れてないし、キックも打ってないのに進む。腰も浮いていて、呼吸が楽で、ストローク数も少ない。
ゴールして顔を上げる。
「おぉ、0秒7(1分10秒7)。」
そして何故か知らないが、いつもより速い。楓も少し驚いているくらいだ。
その時俺は感じた。だんだん調子が上がっていてきていると。
結局、合計したらベストマイナス3秒ちょいのそこそこのタイム。でもここ最近では1番いいタイムで泳げた。
「楓、これ1人ずつの方がいい?」
「んーん。3人いっぺんに行ってくれてええで。メモぐらいすぐ取れるし。」
「おけ。」
今日もdistanceを見てくれている楓とそんな話をする。今からのメニューは100mを4本。400mのレースペースだ。サークルが少し長いからブロークン(レースペースよりも早いペース)を想定しているのだろう。
「藍、どんくらいで入る?」
「ブロークンやろうから全部6(秒)かそれよりも早く入る。奏さんは?」
「俺は10(秒)ぐらいやな。憲士は?」
「藍さんが6(秒)やったら俺も同じぐらい。」
「じゃあ追いつかれはせぇへんな。」
いつものように順番に並んで、水分を取る。ここから6分は水分を取っている暇などない。
「どこから行く?」
「じゃあ上(60秒)からで。」
楓は紙を挟んだバインダーとペン、そしてストップウォッチを持って、プールサイドに立つ。藍がスタートの時間を決めて、軽く流しに行った。
そして50秒後、藍からスタートした。
「ぃきまーす、せーいごー!」
藍は軽い泳ぎで進んでいく。そしてその10秒後、憲士が飛び出して行った。
「奏、せめて11(秒)イーブンね。」
「きっつ。」
折り返してきた藍が15mフラッグを超えてから俺が出る。軽く潜ってドルフィンキックを6回。最初くらいはこれくらいをしないと、ノってこない。
それにしても今日は身体が軽い。特に力も入れてないし、キックも打ってないのに進む。腰も浮いていて、呼吸が楽で、ストローク数も少ない。
ゴールして顔を上げる。
「おぉ、0秒7(1分10秒7)。」
そして何故か知らないが、いつもより速い。楓も少し驚いているくらいだ。
その時俺は感じた。だんだん調子が上がっていてきていると。
結局、合計したらベストマイナス3秒ちょいのそこそこのタイム。でもここ最近では1番いいタイムで泳げた。
0
お気に入りに追加
20
あなたにおすすめの小説
【完結】箱根戦士にラブコメ要素はいらない ~こんな大学、入るんじゃなかったぁ!~
テツみン
青春
高校陸上長距離部門で輝かしい成績を残してきた米原ハルトは、有力大学で箱根駅伝を走ると確信していた。
なのに、志望校の推薦入試が不合格となってしまう。疑心暗鬼になるハルトのもとに届いた一通の受験票。それは超エリート校、『ルドルフ学園大学』のモノだった――
学園理事長でもある学生会長の『思い付き』で箱根駅伝を目指すことになった寄せ集めの駅伝部員。『葛藤』、『反発』、『挫折』、『友情』、そして、ほのかな『恋心』を経験しながら、彼らが成長していく青春コメディ!
*この作品はフィクションです。実在の人物・団体・事件・他の作品も含めて、一切、全く、これっぽっちも関係ありません。
漫才部っ!!
育九
青春
漫才部、それは私立木芽高校に存在しない部活である。
正しく言えば、存在はしているけど学校側から認められていない部活だ。
部員数は二名。
部長
超絶美少女系ぼっち、南郷楓
副部長
超絶美少年系ぼっち、北城多々良
これは、ちょっと元ヤンの入っている漫才部メンバーとその回りが織り成す日常を描いただけの物語。
可愛すぎるクラスメイトがやたら俺の部屋を訪れる件 ~事故から助けたボクっ娘が存在感空気な俺に熱い視線を送ってきている~
蒼田
青春
人よりも十倍以上存在感が薄い高校一年生、宇治原簾 (うじはられん)は、ある日買い物へ行く。
目的のプリンを買った夜の帰り道、簾はクラスメイトの人気者、重原愛莉 (えはらあいり)を見つける。
しかしいつも教室でみる活発な表情はなくどんよりとしていた。只事ではないと目線で追っていると彼女が信号に差し掛かり、トラックに引かれそうな所を簾が助ける。
事故から助けることで始まる活発少女との関係。
愛莉が簾の家にあがり看病したり、勉強したり、時には二人でデートに行ったりと。
愛莉は簾の事が好きで、廉も愛莉のことを気にし始める。
故障で陸上が出来なくなった愛莉は目標新たにし、簾はそんな彼女を補佐し自分の目標を見つけるお話。
*本作はフィクションです。実在する人物・団体・組織名等とは関係ございません。
陽キャグループを追放されたので、ひとりで気ままに大学生活を送ることにしたんだが……なぜか、ぼっちになってから毎日美女たちが話しかけてくる。
電脳ピエロ
恋愛
藤堂 薫は大学で共に行動している陽キャグループの男子2人、大熊 快児と蜂羽 強太から理不尽に追い出されてしまう。
ひとりで気ままに大学生活を送ることを決める薫だったが、薫が以前関わっていた陽キャグループの女子2人、七瀬 瑠奈と宮波 美緒は男子2人が理不尽に薫を追放した事実を知り、彼らと縁を切って薫と積極的に関わろうとしてくる。
しかも、なぜか今まで関わりのなかった同じ大学の美女たちが寄ってくるようになり……。
薫を上手く追放したはずなのにグループの女子全員から縁を切られる性格最悪な男子2人。彼らは瑠奈や美緒を呼び戻そうとするがことごとく無視され、それからも散々な目にあって行くことになる。
やがて自分たちが女子たちと関われていたのは薫のおかげだと気が付き、グループに戻ってくれと言うがもう遅い。薫は居心地のいいグループで楽しく大学生活を送っているのだから。
M性に目覚めた若かりしころの思い出
なかたにりえ
青春
わたし自身が生涯の性癖として持ち合わせるM性について、それをはじめて自覚した中学時代の体験になります。歳を重ねた者の、人生の回顧録のひとつとして、読んでいただけましたら幸いです。
一部、フィクションも交えながら、述べさせていただいてます。フィクション/ノンフィクションの境界は、読んでくださった方の想像におまかせいたします。
陰キャには陽キャの彼女はできないと仮定する
136君
青春
高校2年理系コースに進んだ主人公、橘悠人は根っからの陰キャだ。休み時間はカバーの被ったラノベを読み、学校が終わったら一人で帰る。昼飯も一人で食べ、学校で口を開くのは授業で当たったときくらいだ。
そんな悠人の隣に座っているのは渡月ちはや。クラスの一軍女子に位置する陽キャで、ファンクラブもある。悠人はそんなちはやに話しかけられるようになった。
「陰キャ」と「陽キャ」の世界は2分されていると考える悠人。そんな悠人とちはやの時間がゆっくりと進み始める。
俺たちの共同学園生活
雪風 セツナ
青春
初めて執筆した作品ですので至らない点が多々あると思いますがよろしくお願いします。
2XXX年、日本では婚姻率の低下による出生率の低下が問題視されていた。そこで政府は、大人による婚姻をしなくなっていく風潮から若者の意識を改革しようとした。そこて、日本本島から離れたところに東京都所有の人工島を作り上げ高校生たちに対して特別な制度を用いた高校生活をおくらせることにした。
しかしその高校は一般的な高校のルールに当てはまることなく数々の難題を生徒たちに仕向けてくる。時には友人と協力し、時には敵対して競い合う。
そんな高校に入学することにした新庄 蒼雪。
蒼雪、相棒・友人は待ち受ける多くの試験を乗り越え、無事に学園生活を送ることができるのか!?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる