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インタイ
ひきぎわ
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引退まであと2週間を切った。練習はそこまで変わっていないが、みんなの意識の中に中央大会が大きくなってきて、練習後も飛び込み練習をしたり、ダウンを行ったりしている。
「楓、帰ろ。」
「奏は泳がんの?」
「もう疲れたわ。早よ家帰って風呂入りたい。」
誰もいない更衣室に入って、そのまま座り込む。
(疲れやば。3年間分全部どっときてるわ。)
タイムはそこそこだが、それはただそこそこ頑張っているからであって、楽に泳ぐって点を意識して泳いだらもっと遅い。そして何より、1000mをすぎたら肩が上がらなくなってきている。
今年の中央大会はこの3年間の集大成。ここまでやってきたものが本当に正しかったのか。その答え合わせだ。
着替え終わって、玄関に出て、そこの階段に座り込み、おにぎりを食べ、プロテインを飲む。
「待った?」
「いや。いつも通りしとっただけやから別にええで。」
「ほんなら待ったんやな。ごめんごめん。」
楓は手を合わせて、笑いながらそう謝る。そしてその目は俺の手元に向けられた。
「いるか?」
俺が今持っているのはプロテインバー。チーズ味のやつだ。
「1口だけな。」
俺は楓の目の前にバーを差し出して、それに楓はかぶりついた。
「うま。ありがと。」
全部食べ終わって駅まで歩く。
「奏、みんなからさ、残ってって言われてんねんけどどうしたらいいと思う?」
「ん~。楓はどうしたい?」
「私は…どうなんやろ。なんかあんま分からんねんな。」
明るくなってきた道を歩きながら、そんなことを話す。実際俺も言われているが、俺は明確な理由があって、中央大会までって決めた。
だけど楓はどうなんだろうか。志望学部未定、将来未定。ただ続けてきたからマネージャーになった楓は、引き際を迷っている。
「迷うんやったら残ったら?今おるメンパーが特別仲悪いみたいなことはないんやろ?」
「まあ…せやな。でも、奏がおらんクラブおってもな。」
「………」
こいつは本当に無自覚なのか、故意でこれをやっているのか、不安になってくる。
「なら、辞めるか?」
「そーしよっかな?独自ヤバいし。」
「なら辞めろ。独自ちゃんと出来んかったら学部選ばれへんぞ。」
「それは嫌。ちゃんと勉強するわ。」
「楓、帰ろ。」
「奏は泳がんの?」
「もう疲れたわ。早よ家帰って風呂入りたい。」
誰もいない更衣室に入って、そのまま座り込む。
(疲れやば。3年間分全部どっときてるわ。)
タイムはそこそこだが、それはただそこそこ頑張っているからであって、楽に泳ぐって点を意識して泳いだらもっと遅い。そして何より、1000mをすぎたら肩が上がらなくなってきている。
今年の中央大会はこの3年間の集大成。ここまでやってきたものが本当に正しかったのか。その答え合わせだ。
着替え終わって、玄関に出て、そこの階段に座り込み、おにぎりを食べ、プロテインを飲む。
「待った?」
「いや。いつも通りしとっただけやから別にええで。」
「ほんなら待ったんやな。ごめんごめん。」
楓は手を合わせて、笑いながらそう謝る。そしてその目は俺の手元に向けられた。
「いるか?」
俺が今持っているのはプロテインバー。チーズ味のやつだ。
「1口だけな。」
俺は楓の目の前にバーを差し出して、それに楓はかぶりついた。
「うま。ありがと。」
全部食べ終わって駅まで歩く。
「奏、みんなからさ、残ってって言われてんねんけどどうしたらいいと思う?」
「ん~。楓はどうしたい?」
「私は…どうなんやろ。なんかあんま分からんねんな。」
明るくなってきた道を歩きながら、そんなことを話す。実際俺も言われているが、俺は明確な理由があって、中央大会までって決めた。
だけど楓はどうなんだろうか。志望学部未定、将来未定。ただ続けてきたからマネージャーになった楓は、引き際を迷っている。
「迷うんやったら残ったら?今おるメンパーが特別仲悪いみたいなことはないんやろ?」
「まあ…せやな。でも、奏がおらんクラブおってもな。」
「………」
こいつは本当に無自覚なのか、故意でこれをやっているのか、不安になってくる。
「なら、辞めるか?」
「そーしよっかな?独自ヤバいし。」
「なら辞めろ。独自ちゃんと出来んかったら学部選ばれへんぞ。」
「それは嫌。ちゃんと勉強するわ。」
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