559 / 713
セナカヲ
私たちは球技大会①
しおりを挟む
テストも終わり、地獄のテスト返しも終わり、次に待っているのは高校に入って最初の学校行事。球技大会だ。
「我々生徒一同はスボーツマンシップに則り、全力で戦い抜くことを誓います!」
なんていつもの選手宣誓はさておき、今日は球技大会だ。
クラス別に別れて戦う球技大会。種目はドッジボールのみで、バレーボールとかサッカーとかはない。前半は女子、後半は男子で当てた人数がポイントとなり、男女の合計点で競う。
「いわゆる普通のドッジボール大会ってことやな。」
「そんな簡単に言われても。優勝したら先生が打ち上げ代奢ってくれるんやで。これは勝たな。」
「飯に貪欲な怪物め。」
「女子に向かってその言葉遣いはどうかと思うけどな。『奢る』って言葉に反応して腹鳴ってたん気づいてないと思うなよ。」
待機時間、たまたま隣になった憲士とそんな会話をする。今は第1試合。私たちは休憩だ。その代わり3年生が戦っていて、バカ兄のいるI組と楓さんとかがいるG組の対戦もやっている。今は前半。女子パートだ。
「流石に3年生にもなると迫力が違うな。」
「それはあの人たちがおかしいだけよ。ほら、ボールの軌道おかしいもん。」
外から見ていても分かる曲がり具合。きい姉は小学校でやっていたドッジボールのようにボールを曲げて相手をどんどん当てていく。そして外野に出たボールは、元から外野にいる楓さんが誰にも邪魔されずガチ投げしている。
一方、花胡さんたちは何も出来ず、ただ外野の人数が増えていく。訳でもない。花胡さんを中心とした、きい姉と同じようにボールが曲がる人たちが当てていく。スピードによる迫力こそないけれど、テクニックの戦いがスゴすぎる。
「これが3年生の勝負なんか。」
「いや、そうでもないみたい。」
他のコートを見てみると、そんな感じじゃなくて、キャッキャしている。それなりの感じはするが、まだ華を意識しすぎていて、迫力の欠片もない。
「あのG対Iが決勝戦みたいなまであるな。」
「せやね。」
ホイッスルが鳴り、内野が座る。G対Iは同点のようだ。
「さあ、杏の大好きな由良先輩がくるよ~。」
「うるさい真奈。1回黙れ。」
「日高川くん助けて~!杏がいじめる~!」
「自業自得や。諦めろ。」
「我々生徒一同はスボーツマンシップに則り、全力で戦い抜くことを誓います!」
なんていつもの選手宣誓はさておき、今日は球技大会だ。
クラス別に別れて戦う球技大会。種目はドッジボールのみで、バレーボールとかサッカーとかはない。前半は女子、後半は男子で当てた人数がポイントとなり、男女の合計点で競う。
「いわゆる普通のドッジボール大会ってことやな。」
「そんな簡単に言われても。優勝したら先生が打ち上げ代奢ってくれるんやで。これは勝たな。」
「飯に貪欲な怪物め。」
「女子に向かってその言葉遣いはどうかと思うけどな。『奢る』って言葉に反応して腹鳴ってたん気づいてないと思うなよ。」
待機時間、たまたま隣になった憲士とそんな会話をする。今は第1試合。私たちは休憩だ。その代わり3年生が戦っていて、バカ兄のいるI組と楓さんとかがいるG組の対戦もやっている。今は前半。女子パートだ。
「流石に3年生にもなると迫力が違うな。」
「それはあの人たちがおかしいだけよ。ほら、ボールの軌道おかしいもん。」
外から見ていても分かる曲がり具合。きい姉は小学校でやっていたドッジボールのようにボールを曲げて相手をどんどん当てていく。そして外野に出たボールは、元から外野にいる楓さんが誰にも邪魔されずガチ投げしている。
一方、花胡さんたちは何も出来ず、ただ外野の人数が増えていく。訳でもない。花胡さんを中心とした、きい姉と同じようにボールが曲がる人たちが当てていく。スピードによる迫力こそないけれど、テクニックの戦いがスゴすぎる。
「これが3年生の勝負なんか。」
「いや、そうでもないみたい。」
他のコートを見てみると、そんな感じじゃなくて、キャッキャしている。それなりの感じはするが、まだ華を意識しすぎていて、迫力の欠片もない。
「あのG対Iが決勝戦みたいなまであるな。」
「せやね。」
ホイッスルが鳴り、内野が座る。G対Iは同点のようだ。
「さあ、杏の大好きな由良先輩がくるよ~。」
「うるさい真奈。1回黙れ。」
「日高川くん助けて~!杏がいじめる~!」
「自業自得や。諦めろ。」
0
お気に入りに追加
19
あなたにおすすめの小説
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
小学生最後の夏休みに近所に住む2つ上のお姉さんとお風呂に入った話
矢木羽研
青春
「……もしよかったら先輩もご一緒に、どうですか?」
「あら、いいのかしら」
夕食を作りに来てくれた近所のお姉さんを冗談のつもりでお風呂に誘ったら……?
微笑ましくも甘酸っぱい、ひと夏の思い出。
※性的なシーンはありませんが裸体描写があるのでR15にしています。
※小説家になろうでも同内容で投稿しています。
※2022年8月の「第5回ほっこり・じんわり大賞」にエントリーしていました。
彼女に振られた俺の転生先が高校生だった。それはいいけどなんで元カノ達まで居るんだろう。
遊。
青春
主人公、三澄悠太35才。
彼女にフラれ、現実にうんざりしていた彼は、事故にあって転生。
……した先はまるで俺がこうだったら良かったと思っていた世界を絵に書いたような学生時代。
でも何故か俺をフッた筈の元カノ達も居て!?
もう恋愛したくないリベンジ主人公❌そんな主人公がどこか気になる元カノ、他多数のドタバタラブコメディー!
ちょっとずつちょっとずつの更新になります!(主に土日。)
略称はフラれろう(色とりどりのラブコメに精一杯の呪いを添えて、、笑)
坊主頭の絆:学校を変えた一歩【シリーズ】
S.H.L
青春
高校生のあかりとユイは、学校を襲う謎の病に立ち向かうため、伝説に基づく古い儀式に従い、坊主頭になる決断をします。この一見小さな行動は、学校全体に大きな影響を与え、生徒や教職員の間で新しい絆と理解を生み出します。
物語は、あかりとユイが学校の秘密を解き明かし、新しい伝統を築く過程を追いながら、彼女たちの内面の成長と変革の旅を描きます。彼女たちの行動は、生徒たちにインスピレーションを与え、更には教師にも影響を及ぼし、伝統的な教育コミュニティに新たな風を吹き込みます。
令嬢の名門女学校で、パンツを初めて履くことになりました
フルーツパフェ
大衆娯楽
とある事件を受けて、財閥のご令嬢が数多く通う女学校で校則が改訂された。
曰く、全校生徒はパンツを履くこと。
生徒の安全を確保するための善意で制定されたこの校則だが、学校側の意図に反して事態は思わぬ方向に?
史実上の事件を元に描かれた近代歴史小説。
校長先生の話が長い、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
学校によっては、毎週聞かされることになる校長先生の挨拶。
学校で一番多忙なはずのトップの話はなぜこんなにも長いのか。
とあるテレビ番組で関連書籍が取り上げられたが、実はそれが理由ではなかった。
寒々とした体育館で長時間体育座りをさせられるのはなぜ?
なぜ女子だけが前列に集められるのか?
そこには生徒が知りえることのない深い闇があった。
新年を迎え各地で始業式が始まるこの季節。
あなたの学校でも、実際に起きていることかもしれない。
おっぱい揉む?と聞かれたので揉んでみたらよくわからない関係になりました
星宮 嶺
青春
週間、24hジャンル別ランキング最高1位!
ボカロカップ9位ありがとうございました!
高校2年生の太郎の青春が、突然加速する!
片想いの美咲、仲の良い女友達の花子、そして謎めいた生徒会長・東雲。
3人の魅力的な女の子たちに囲まれ、太郎の心は翻弄される!
「おっぱい揉む?」という衝撃的な誘いから始まる、
ドキドキの学園生活。
果たして太郎は、運命の相手を見つけ出せるのか?
笑いあり?涙あり?胸キュン必至?の青春ラブコメ、開幕!
【R15】【第一作目完結】最強の妹・樹里の愛が僕に凄すぎる件
木村 サイダー
青春
中学時代のいじめをきっかけに非モテ・ボッチを決め込むようになった高校2年生・御堂雅樹。素人ながら地域や雑誌などを賑わすほどの美しさとスタイルを持ち、成績も優秀で運動神経も発達し、中でもケンカは負け知らずでめっぽう強く学内で男女問わずのモテモテの高校1年生の妹、御堂樹里。親元から離れ二人で学園の近くで同居・・・・というか樹里が雅樹をナチュラル召使的に扱っていたのだが、雅樹に好きな人が現れてから、樹里の心境に変化が起きて行く。雅樹の恋模様は?樹里とは本当に兄妹なのか?美しく解き放たれて、自由になれるというのは本当に良いことだけなのだろうか?
■場所 関西のとある地方都市
■登場人物
●御堂雅樹
本作の主人公。身長約百七十六センチと高めの細マッチョ。ボサボサ頭の目隠れ男子。趣味は釣りとエロゲー。スポーツは特にしないが妹と筋トレには励んでいる。
●御堂樹里
本作のヒロイン。身長百七十センチにIカップのバストを持ち、腹筋はエイトパックに分かれる絶世の美少女。芸能界からのスカウト多数。天性の格闘センスと身体能力でケンカ最強。強烈な人間不信&兄妹コンプレックス。素直ではなく、兄の前で自分はモテまくりアピールをしまくったり、わざと夜に出かけてヤキモチを焼かせている。今回新たな癖に目覚める。
●田中真理
雅樹の同級生で同じ特進科のクラス。肌質や髪の毛の性質のせいで不細工扱い。『オッペケペーズ』と呼ばれてスクールカースト最下層の女子三人組の一人。持っている素質は美人であると雅樹が見抜く。あまり思慮深くなく、先の先を読まないで行動してしまうところがある。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる