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セナカヲ

私たちは球技大会①

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 テストも終わり、地獄のテスト返しも終わり、次に待っているのは高校に入って最初の学校行事。球技大会だ。

「我々生徒一同はスボーツマンシップに則り、全力で戦い抜くことを誓います!」

なんていつもの選手宣誓はさておき、今日は球技大会だ。

 クラス別に別れて戦う球技大会。種目はドッジボールのみで、バレーボールとかサッカーとかはない。前半は女子、後半は男子で当てた人数がポイントとなり、男女の合計点で競う。

「いわゆる普通のドッジボール大会ってことやな。」
「そんな簡単に言われても。優勝したら先生が打ち上げ代奢ってくれるんやで。これは勝たな。」
「飯に貪欲な怪物め。」
「女子に向かってその言葉遣いはどうかと思うけどな。『奢る』って言葉に反応して腹鳴ってたん気づいてないと思うなよ。」

待機時間、たまたま隣になった憲士とそんな会話をする。今は第1試合。私たちは休憩だ。その代わり3年生が戦っていて、バカ兄のいるI組と楓さんとかがいるG組の対戦もやっている。今は前半。女子パートだ。

「流石に3年生にもなると迫力が違うな。」
「それはあの人たちがおかしいだけよ。ほら、ボールの軌道おかしいもん。」

外から見ていても分かる曲がり具合。きい姉は小学校でやっていたドッジボールのようにボールを曲げて相手をどんどん当てていく。そして外野に出たボールは、元から外野にいる楓さんが誰にも邪魔されずガチ投げしている。

 一方、花胡さんたちは何も出来ず、ただ外野の人数が増えていく。訳でもない。花胡さんを中心とした、きい姉と同じようにボールが曲がる人たちが当てていく。スピードによる迫力こそないけれど、テクニックの戦いがスゴすぎる。

「これが3年生の勝負なんか。」
「いや、そうでもないみたい。」

他のコートを見てみると、そんな感じじゃなくて、キャッキャしている。それなりの感じはするが、まだ華を意識しすぎていて、迫力の欠片もない。

「あのG対Iが決勝戦みたいなまであるな。」
「せやね。」

ホイッスルが鳴り、内野が座る。G対Iは同点のようだ。

「さあ、杏の大好きな由良先輩がくるよ~。」
「うるさい真奈。1回黙れ。」
「日高川くん助けて~!杏がいじめる~!」
「自業自得や。諦めろ。」
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