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アケボノ
ルスツ⑫
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目を覚ますと知らない天井だった。
(そういや修学旅行に来てるんやったな。)
ベッドからもぞもぞと出て時間を確認する。
(4時か。寝たんがだいたい12時過ぎやから4時間も寝れたんや。)
最近は眠りが浅くなってきて、寝れても5時間とかだからいつもよりはマシに思える。2人の寝てるのを邪魔しないように軽く足元が見える程度の電気をつける。
結局最後の試合は俺たちの勝利で終わった。取って取られての展開で、結局最後に裏取りを決めて俺たちが3対2で勝ったのだ。
(今日は俺たちは早い方やな。記念写真の撮影があるとかなんとか。そんなことよりも早く滑りたいねんけど。)
部屋のソファーに自分の分の着替えを置いて、その横に座る。ソファーは窓側だから少し寒い。
(…甘酒飲も。)
持ってきているフリーズドライタイプの甘酒を取り出し、紙コップに入れ、お湯を注いだ。これを持ってきているスプーンでかき混ぜると甘酒の完成だ。
(あったか。)
飲めば体の芯から温もっていき、身体が目覚めてきた。昨日の疲れは若干残っていて、軽い重たさと痛みがある。
俺はこんな感じで起きて寛いでいるのに、横の2人は全く目覚める気配がない。そこまで深く眠れるのっていいな。
そんな感じで甘酒を飲んでいると通知がきた。
SaKu:『起きてる人~!』
桜も目覚めたようだ。時間は4時半すぎ。桜はたしかいつもこの時間に起きて勉強しているはずだから、そのリズムが身体に染み付いているんだろう。
Q:『起きてるで』
とりあえずそうやって送ってみたけど既読が『1』しかつかない。ってことは全員寝てるのか。
すると次は桜から電話がかかってきた。急いでイヤホンをつけて電話に出る。ビデオ通話だ。
『もしもーし。急にごめんね。』
「俺の部屋2人とも寝てるからそんなでっかい声で喋られへんで。」
『いーのいーの。ちゃんと聞こえるから。私にはどんなに小さな声でも。』
しれっとドキッとさせてくるのはいつもの桜っぽい。てか、こんな感じのことっていつも言わんよな。いつもはもうちょい態度とかで…
(そうか。今は朝。朝テンションみたいなやつが深夜テンションみたいにあるんか。)
1人で納得して、そのまま続ける。
「んで、どーしたんや?」
『ん~。昨日結局あの1回しかまともに話せてないから声聴きたくなっちゃった。』
「普段から一緒に生活してると、声聴かん方が少ないもんな。」
『それな。男女間で部屋移動出来たらええのに。』
「普通に部屋移動しても先生怒んのにそれは無理やろ。さすがに。」
『言ってみただけ!』
桜が画面の奥でむんってしている。めっちゃ可愛いけどあえて言葉には出さない。そういうのはちゃんとしたときに取っておきたいから。
それにしても桜、眠そうだ。さっきから瞬きのテンポが遅くなっている。
『久志と喋ってたらなんかねむくなってきた。』
「もう1回寝とくか?今日もあるし。」
『やな…じゃあまた後でね。』
「おやすみ~。」
そうして通話を終えて、背もたれにもたれる。
「へぇ~、いっつもそんな感じなんや。」
「知らんかったなぁ。」
さっきまで寝ていた2人はもう起きていて、俺の事をニヤニヤして見ている。
「なんや。」
「「なーんにも。」」
(そういや修学旅行に来てるんやったな。)
ベッドからもぞもぞと出て時間を確認する。
(4時か。寝たんがだいたい12時過ぎやから4時間も寝れたんや。)
最近は眠りが浅くなってきて、寝れても5時間とかだからいつもよりはマシに思える。2人の寝てるのを邪魔しないように軽く足元が見える程度の電気をつける。
結局最後の試合は俺たちの勝利で終わった。取って取られての展開で、結局最後に裏取りを決めて俺たちが3対2で勝ったのだ。
(今日は俺たちは早い方やな。記念写真の撮影があるとかなんとか。そんなことよりも早く滑りたいねんけど。)
部屋のソファーに自分の分の着替えを置いて、その横に座る。ソファーは窓側だから少し寒い。
(…甘酒飲も。)
持ってきているフリーズドライタイプの甘酒を取り出し、紙コップに入れ、お湯を注いだ。これを持ってきているスプーンでかき混ぜると甘酒の完成だ。
(あったか。)
飲めば体の芯から温もっていき、身体が目覚めてきた。昨日の疲れは若干残っていて、軽い重たさと痛みがある。
俺はこんな感じで起きて寛いでいるのに、横の2人は全く目覚める気配がない。そこまで深く眠れるのっていいな。
そんな感じで甘酒を飲んでいると通知がきた。
SaKu:『起きてる人~!』
桜も目覚めたようだ。時間は4時半すぎ。桜はたしかいつもこの時間に起きて勉強しているはずだから、そのリズムが身体に染み付いているんだろう。
Q:『起きてるで』
とりあえずそうやって送ってみたけど既読が『1』しかつかない。ってことは全員寝てるのか。
すると次は桜から電話がかかってきた。急いでイヤホンをつけて電話に出る。ビデオ通話だ。
『もしもーし。急にごめんね。』
「俺の部屋2人とも寝てるからそんなでっかい声で喋られへんで。」
『いーのいーの。ちゃんと聞こえるから。私にはどんなに小さな声でも。』
しれっとドキッとさせてくるのはいつもの桜っぽい。てか、こんな感じのことっていつも言わんよな。いつもはもうちょい態度とかで…
(そうか。今は朝。朝テンションみたいなやつが深夜テンションみたいにあるんか。)
1人で納得して、そのまま続ける。
「んで、どーしたんや?」
『ん~。昨日結局あの1回しかまともに話せてないから声聴きたくなっちゃった。』
「普段から一緒に生活してると、声聴かん方が少ないもんな。」
『それな。男女間で部屋移動出来たらええのに。』
「普通に部屋移動しても先生怒んのにそれは無理やろ。さすがに。」
『言ってみただけ!』
桜が画面の奥でむんってしている。めっちゃ可愛いけどあえて言葉には出さない。そういうのはちゃんとしたときに取っておきたいから。
それにしても桜、眠そうだ。さっきから瞬きのテンポが遅くなっている。
『久志と喋ってたらなんかねむくなってきた。』
「もう1回寝とくか?今日もあるし。」
『やな…じゃあまた後でね。』
「おやすみ~。」
そうして通話を終えて、背もたれにもたれる。
「へぇ~、いっつもそんな感じなんや。」
「知らんかったなぁ。」
さっきまで寝ていた2人はもう起きていて、俺の事をニヤニヤして見ている。
「なんや。」
「「なーんにも。」」
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