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アケボノ
ルスツ⑨
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「ちくしょー!」
「もうちょっとで大三元字一色やったのに!」
「俺が緑一色してる時点で大三元はほぼ消えてるやろ。」
結局麻雀は俺の緑一色ツモで勝負あり。今日の麻雀は一旦これでお開きになって、俺たちは晩飯を食べにレストランに集まった。
今日も晩飯はバイキング。修学旅行と言えばやっぱりこれだ。
「美味し。このサーモン脂の乗り方ヤバいで。」
「マジで?次取ろ。」
テーブルはクラスごとそして部屋ごとに別れているので、俺たちは4人がけのテーブルを3人で使うことになる。するともちろん誰かが入ってくるわけだ。
「久志、そっちの部屋はどんな感じなん?」
「今の今まで麻雀打っとったで。」
「マジか。それ持ってきてええやつなん?」
「もちろんアウト。」
「やんな。」
今は机の上に広がっているが、もちろん点呼の前には片付けるつもりだ。
「んでや。スキーの1班ってどんな感じなん?」
「どんな感じも何も、めちゃくちゃ滑ってるくらいやな。そっちも一緒やろ。スノボ上級者さんたちも。」
「俺たちもそこそこ滑ってるな。」
今日1日でどれくらい滑ったのかは分からないが、身体がバキバキだ。さっき歩こうとしたら、いつもと感覚が違いすぎてコケそうになったくらい。
「でも、その疲れがこのオレンジジュースを美味しくさせんねん。」
「それな。あと、自販機にあるレモンのやつ。あれさっき飲んだけど、マジで美味かったで。」
「後で飲も。」
聡は持ってきていた食べ物が全部なくなったようで、「じゃあな」って言いながら自分の席に戻っていく。
そんな俺たちの姿を2人はじっと見ていた。
「どうかしたのか?」
「いや。なぁ。」
「まぁ。」
2人して口ごもっているのは何故だろうか。そんな変なことをしていたのだろうか。
すると突然、視界が真っ暗になった。
「だーれだ!」
「桜、どないしてん?」
視界が開けて後ろを確認すると、ちゃんと桜が立っていた。横には柚さんを連れていて、アイスを食べている。立ちながら食うのって確か注意されるはずやけど。
「(ゆーちゃん座りぃさ。怒られんで。)」
「(ほんまや。)」
桜が先生に聞こえないように柚さんに言う。柚さんは完全に忘れていたようで、俺の横の空いている椅子に座った。
「んで、今日の晩はやるやんな。」
「あぁ、もちろん。俺らで7人か。3対4はめんどくさいから、誰か他にやってるやつおらんかな?」
「たしかに。珍しく全員できるなら4対4でちゃんとやりたいよね。」
俺の頭に顎を乗せながら話す桜。その視線の先には1人の女子がいた。ちょうどスイーツを取り終えて、自分のテーブルに戻っている最中の船戸さんだ。
「どしたの?」
「いやぁ、かくがくしかじかで…」
事情を説明すると、船戸さんは笑う。
「なら私参加しようか?」
「もうちょっとで大三元字一色やったのに!」
「俺が緑一色してる時点で大三元はほぼ消えてるやろ。」
結局麻雀は俺の緑一色ツモで勝負あり。今日の麻雀は一旦これでお開きになって、俺たちは晩飯を食べにレストランに集まった。
今日も晩飯はバイキング。修学旅行と言えばやっぱりこれだ。
「美味し。このサーモン脂の乗り方ヤバいで。」
「マジで?次取ろ。」
テーブルはクラスごとそして部屋ごとに別れているので、俺たちは4人がけのテーブルを3人で使うことになる。するともちろん誰かが入ってくるわけだ。
「久志、そっちの部屋はどんな感じなん?」
「今の今まで麻雀打っとったで。」
「マジか。それ持ってきてええやつなん?」
「もちろんアウト。」
「やんな。」
今は机の上に広がっているが、もちろん点呼の前には片付けるつもりだ。
「んでや。スキーの1班ってどんな感じなん?」
「どんな感じも何も、めちゃくちゃ滑ってるくらいやな。そっちも一緒やろ。スノボ上級者さんたちも。」
「俺たちもそこそこ滑ってるな。」
今日1日でどれくらい滑ったのかは分からないが、身体がバキバキだ。さっき歩こうとしたら、いつもと感覚が違いすぎてコケそうになったくらい。
「でも、その疲れがこのオレンジジュースを美味しくさせんねん。」
「それな。あと、自販機にあるレモンのやつ。あれさっき飲んだけど、マジで美味かったで。」
「後で飲も。」
聡は持ってきていた食べ物が全部なくなったようで、「じゃあな」って言いながら自分の席に戻っていく。
そんな俺たちの姿を2人はじっと見ていた。
「どうかしたのか?」
「いや。なぁ。」
「まぁ。」
2人して口ごもっているのは何故だろうか。そんな変なことをしていたのだろうか。
すると突然、視界が真っ暗になった。
「だーれだ!」
「桜、どないしてん?」
視界が開けて後ろを確認すると、ちゃんと桜が立っていた。横には柚さんを連れていて、アイスを食べている。立ちながら食うのって確か注意されるはずやけど。
「(ゆーちゃん座りぃさ。怒られんで。)」
「(ほんまや。)」
桜が先生に聞こえないように柚さんに言う。柚さんは完全に忘れていたようで、俺の横の空いている椅子に座った。
「んで、今日の晩はやるやんな。」
「あぁ、もちろん。俺らで7人か。3対4はめんどくさいから、誰か他にやってるやつおらんかな?」
「たしかに。珍しく全員できるなら4対4でちゃんとやりたいよね。」
俺の頭に顎を乗せながら話す桜。その視線の先には1人の女子がいた。ちょうどスイーツを取り終えて、自分のテーブルに戻っている最中の船戸さんだ。
「どしたの?」
「いやぁ、かくがくしかじかで…」
事情を説明すると、船戸さんは笑う。
「なら私参加しようか?」
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