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キザムノ

夏の終わりに②

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「おっ、いたいた!」
「よぉっす!」

守口市に着くと、すぐ隣のドアから音羽と新宮くんが乗ってきた。2人は私たちの目の前に立って、つり革に捕まる。もちろん長いバッグを持っていて、新宮くんの手にはソフトクーラーが入っている。

「悪いな、Q、奏。こっちには24時間営業のコンビニがなかったから買い出しは任せちまって。」
「別にいいぞ。あっそうだ。1本ずつ取ってけ。」
「あっ、俺からも1個ずつ取ってけ。」

そう言って、2人はクーラーボックスを開ける。抜かりないなって思いつつも、らしいなって思ってその光景を眺めていた。

 次の停車駅の京橋でJRに乗り換える。ここから一旦大阪に出てから神戸の方に走る予定だ。

「奏の考える予定だから、乗り換え時間短い!」
「文句言うな、楓。今に始まったことじゃねぇだろ!」
「足の長いあんたと、身長も足も短い私とは歩幅が違うのよ!」

むむむと、睨み合う奏と楓。こんな感じで「付き合ってませんよ」アピールされてもな。100%付き合ってるでしょ。

 そんな2人にはお構い無しに、久志たちはスタスタと歩いていく。改札を抜けて、右側の階段を昇ったら大阪に近い方のホームだ。

 奏の乗り換え時間の組み方が短いからか、着いたらすぐに電車が来て、それに乗り込む。この乗り換えの分を歩いただけなのに、暑かった。少し汗ばんでいて、クーラーに当たりながら服をパタパタさせると涼しい。

「暑っつい。」
「きい、そんなんで今日耐えられるのか?」
「楽しいことが始まったら暑さなんて忘れちゃうから。」
「いつも通り謎理論だな。」
「お褒めいただき何よりです。」

 大阪にはすぐに着き、また乗り換え時間が短い移動をする。さっきから乗るところが全て階段ピッタリだけど、奏にはそういう能力でもあるのかな?

 ここから舞子までは1本。電車に乗り込むと、ちょうど4人席が2つ空いていた。私ときいと久志、音羽と新宮くんと奏と楓に別れて座って、朝食タイムスタートだ。
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