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キザムノ
独り言③
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「何かを継続させるって難しいよな。」
「ほんまそれ。特に英語とかテスト直前になって勉強してる。」
「やっぱそうなんや。」
英語の問題集(薄っぺらい)が終わったので、私は古典に、久志は数学に取り掛かる。
「青になったら急にムズなんな。」
「何を分かりきったことを。」
久志が今やっているのは、黄色だったり、青だったり、黒だったりでレベル分けされてる、分厚い数学の問題集。この1年分の全ての要素がここに詰まっていて、受験生には重宝される品だ。
「でも、外に出なあかんねんからそれくらいは解けんとな。」
「だなぁ。あぁ。」
久志は肩を落として、ため息をつく。そう、久志が勉強しようとしている分野は、国学社大学にはない。せいぜいあってバイオ系の学部だろうが、久志が勉強したいのは養殖全般。技術だったり、経営だったり、そういうことだ
「コツコツやらなって思っても、なんか頭動かんのよな。」
「ん~、気休めにどっか行く?」
「暑い!出たくない!」
「提案した私が言うのもなんだが、そこには同意だわ。」
カラカラと音を立てて、アイスコーヒーの氷を回す。
「そういや、『今の私でいられるのはこの夏で最後』ってどういうことだ?」
「ん?教えなぁーい!秘密が多い女性の方が魅力的やろ?」
外の蝉の鳴き声で「寂しいけど」ってセリフは掻き消された。それで良かったのかもしれない。
「じゃあ、この夏は去年以上に楽しまんとなぁ。」
「この課題の量でようそんなこと言えるわ。」
「たしかに!」
ハハハッと2人で笑い合う。こんな生活でも十分すぎるくらいなのに、ここまで考えてくれる久志ことがやっぱり好きみたいだ。
「ほんまそれ。特に英語とかテスト直前になって勉強してる。」
「やっぱそうなんや。」
英語の問題集(薄っぺらい)が終わったので、私は古典に、久志は数学に取り掛かる。
「青になったら急にムズなんな。」
「何を分かりきったことを。」
久志が今やっているのは、黄色だったり、青だったり、黒だったりでレベル分けされてる、分厚い数学の問題集。この1年分の全ての要素がここに詰まっていて、受験生には重宝される品だ。
「でも、外に出なあかんねんからそれくらいは解けんとな。」
「だなぁ。あぁ。」
久志は肩を落として、ため息をつく。そう、久志が勉強しようとしている分野は、国学社大学にはない。せいぜいあってバイオ系の学部だろうが、久志が勉強したいのは養殖全般。技術だったり、経営だったり、そういうことだ
「コツコツやらなって思っても、なんか頭動かんのよな。」
「ん~、気休めにどっか行く?」
「暑い!出たくない!」
「提案した私が言うのもなんだが、そこには同意だわ。」
カラカラと音を立てて、アイスコーヒーの氷を回す。
「そういや、『今の私でいられるのはこの夏で最後』ってどういうことだ?」
「ん?教えなぁーい!秘密が多い女性の方が魅力的やろ?」
外の蝉の鳴き声で「寂しいけど」ってセリフは掻き消された。それで良かったのかもしれない。
「じゃあ、この夏は去年以上に楽しまんとなぁ。」
「この課題の量でようそんなこと言えるわ。」
「たしかに!」
ハハハッと2人で笑い合う。こんな生活でも十分すぎるくらいなのに、ここまで考えてくれる久志ことがやっぱり好きみたいだ。
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