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イツモノ
俺の連れ
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「おい、ピー也。」
「なんや?」
「調子どう?」
ピー也がとりあえず引退するまであと1週間。それからもオープンウォーターをするためにクラブには来る予定だが、引退するのは来週の中央大会だ。
「あんな練習しといて調子いいと思うか?」
「たしかにな。他んとこは微妙に調整入ってんのに、俺らは調整ほぼなしやからな。」
隣で「きっつ」とか言っているけど、俺たちにはそうは見えない。結構止まれてるし、何なら呼吸を整える暇がある。そんな練習をしている横で俺たちは同じペースで回る練習をしている。
「んで、練習終わんのは向こうの方が圧倒的に早いから、俺たちがダウン始めたぐらいで帰っていくしな。」
「ここ南陽かよ。」
練習の種類が違うのはわかっているが、ここまでくるとさすがにメンタルに響いてくる。
去年はピー也に勝つために1500mを泳いでいた。でも、今年は1500mを泳ぎたいから泳いでいる。勝ち負けなんかどうでも良くなった。ただ、今までの自分を超えていきたいだけ。年末の練習、合宿、そして常の練習。それを全部乗り越えてきて、今も泳いでいるんだから。
「加太。」
「なんや?」
「中央、来いよ。」
「分かってるって。」
ちゃんとコースで区切られているところで泳ぐのはあと2回で終わりだ。1年半の間、ほぼ毎日同じコースで泳ぎ続けてきたんだから、最後も一緒に泳ぎたい。連れで、親友で、戦友で、宿敵なんだから。中学の3年間よりも、濃い時間を過ごしてきた。国学社のディスタンスは俺たちの思い出だ。
「お前も、カゼひくなよ。」
「誰が風邪なんかひくかよ。」
「絵空とイチャイチャしすぎて寝不足なって。」
「…それは否定できんかも。」
ほとんど条件反射で殴る。まあまあ強めに。
「ごめん、なんかムカついて、手滑った。」
「ごめんね。彼女いちゃってw」
「コロス!」
セームでバンバン叩いたり、蹴り飛ばしたり、殴ったり。そんなことされても、どっちも嫌にならない。俺たちはそんな関係でいい。
「なんや?」
「調子どう?」
ピー也がとりあえず引退するまであと1週間。それからもオープンウォーターをするためにクラブには来る予定だが、引退するのは来週の中央大会だ。
「あんな練習しといて調子いいと思うか?」
「たしかにな。他んとこは微妙に調整入ってんのに、俺らは調整ほぼなしやからな。」
隣で「きっつ」とか言っているけど、俺たちにはそうは見えない。結構止まれてるし、何なら呼吸を整える暇がある。そんな練習をしている横で俺たちは同じペースで回る練習をしている。
「んで、練習終わんのは向こうの方が圧倒的に早いから、俺たちがダウン始めたぐらいで帰っていくしな。」
「ここ南陽かよ。」
練習の種類が違うのはわかっているが、ここまでくるとさすがにメンタルに響いてくる。
去年はピー也に勝つために1500mを泳いでいた。でも、今年は1500mを泳ぎたいから泳いでいる。勝ち負けなんかどうでも良くなった。ただ、今までの自分を超えていきたいだけ。年末の練習、合宿、そして常の練習。それを全部乗り越えてきて、今も泳いでいるんだから。
「加太。」
「なんや?」
「中央、来いよ。」
「分かってるって。」
ちゃんとコースで区切られているところで泳ぐのはあと2回で終わりだ。1年半の間、ほぼ毎日同じコースで泳ぎ続けてきたんだから、最後も一緒に泳ぎたい。連れで、親友で、戦友で、宿敵なんだから。中学の3年間よりも、濃い時間を過ごしてきた。国学社のディスタンスは俺たちの思い出だ。
「お前も、カゼひくなよ。」
「誰が風邪なんかひくかよ。」
「絵空とイチャイチャしすぎて寝不足なって。」
「…それは否定できんかも。」
ほとんど条件反射で殴る。まあまあ強めに。
「ごめん、なんかムカついて、手滑った。」
「ごめんね。彼女いちゃってw」
「コロス!」
セームでバンバン叩いたり、蹴り飛ばしたり、殴ったり。そんなことされても、どっちも嫌にならない。俺たちはそんな関係でいい。
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