陰キャの陰キャによる陽に限りなく近い陰キャのための救済措置〜俺の3年間が青くなってしまった件〜

イツモノ

C組の昼休み

「奏、食べよ！」
「おう、椅子借りるぞ。」
「あっ、うん。」

またあの2人一緒に食べてる。確か幼なじみだとか何とか。

「琴奈、またあの2人見てる。あの距離感で付き合ってないとか、嘘やと思うねんけどなぁ。」
「私もそう思う。やから、いつかボロ出すんちゃうかって監視してんのよ。」
「そんなこと言って、ROM専の血が騒ぎまくってるだけちゃうん？」
「まぁね。」

私はこのクラスで作った新しいグループのみんなと食べる。てか、去年のグループが全員違うクラスだから、そうせざるを得なかった。

「奏、これ貰うで。」

そう言って楓が取ったのがポテトサラダ。

「じゃあ、俺はこれ貰う。」

次に加太くんが取ったのは焼きそぱ。

　この2人、物々交換するためにわざと相手の弁当に入れてねぇか？毎日見てるぞ、この光景。確か、家が隣だって言ってたような…なら、一緒に弁当作るとかもできるわけで…んで、昼休みに合法的にイチャつくために相手の弁当に自分の食べたいものを入れる。楓なら考えそうなことだ。

「(ツーーーッ)」
「琴奈、ヨダレ、ヨダレ。」
「じゅるり。あっ、ごめん！」
「普通にエロジジイの顔してたで。」
「嘘やん！」

私は自分の頬をこねくり回す。うん、いつも通り柔らかい。

「私らがおらんかったら、電車でカップル見つける度に『ぐへへ』とか言ってそう。」
「分かるわ～。」
「めっちゃ想像出来る。」
「みんな、私を何やと思ってんのよ。」
「「「変態。」」」

何となく察しがついていたから甘んじて受け入れることにした。

　よくよく考えてみたら、この2人が『あーん』してるのを見たことかまだない。

　見てぇーーーーー！

「おい、ご飯粒ついてんぞ。」
「ん？どこ？」
「動くなよ。」

加太くんは楓の頬っぺたについたご飯粒を取って、パクリ。

　あーーー！このイチャつき方があったか？忘れてたわ！

「ありがと。」
「ん。」

いいもの見せてもらいました。