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イツモノ

俺たちは1学期中間Ⅱ①

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 球技大会から数日が経った。

 この学校は非常に鬼畜である。なぜなら、球技大会が終わって数日後にはもうテスト1週間前になっているからだ。

「先生の鬼、クソ、人でなし!」
「まあまあそう言うなって楓。」

目の前では奏と海南さんの仲睦まじいやり取りが行われている。

「そーいえばさ、Qはいつまで私と楓のことを苗字呼びなん?」
「確かにそう。」
「ん~、ホンマやな。気づかんかったわ。」

ほかは全員名前呼びなのに、この2人だけやな。

「じゃあ、楓と…音羽?」
「うん、そうそう!あっ、ちなみにしんぐ…カレンも同じでいいから。ね?桜?」
「うん、私も別にいいけど…」

ちょいちょいと俺の脇腹をつついてくる。それはあれかな?「何で私の時は恥ずかしがったのに、この2人の時は普通に言えたん?」かな?それはね、付き合いの長さが違うからやと思うね。はい。

「Q!これ教えて!」
「ん?あぁ、三角関数は習ってねぇんだわ。」
「Q、理系やんな?解けるやんな?」
「習ったところは一応な。」

解けん問題の方が多いけど。実際、この問題も分からんし。このレベルがテストに出るってマジかよ。

「理系は頭からやってんのやろ。」
「そうそう、やからやってへんのよ。」

桜、ナイスフォロー!昼飯食ってるときに愚痴聞いてもらってる甲斐があったわ。

「ユズも今回はやってるしね。」
「音羽ちゃん分かってるぅ!」

音羽はいつも通り、柚さんも今回はやっているようだ。

「楓は今回、真面目にやってんのか?」
「それは奏が知ってるやろ。昨日は10時間。」
「10時間?」
「スマホ見てた。」

はい、やってないですね。文Iで補習かかったら…ヤバいな。

「奏っち、これは命令だ。」
「なんや?音羽。」
「テスト当日まで、楓がサボらないように勉強を見ること。オーケー?」
「OK。ということで、1週間みっちり扱いてやるからな、バ楓。」
「ハッハハハッ…イヤーーーーー!」

南無!ハハッと笑うのはきいだ。

「なぁ、きい。やってるよな。」
「ん?何を?」
「勉強。」
「……えへへー!」
「船戸さん、岩出さんに連絡。」
「りょ!」

〇〇〇〇〇

「………………」
「………………」

バカ兄早く帰ってきて!
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