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ワタシハ

期末③

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「ぞ~なむ~や~か~れ~んた~いけ~♪こ~そがきたならいぜんけい♪」
「きい、それなんの歌だ?」
「中学の先生が、係り結びの覚え方教えてくれたんだ!」
「へぇ。んで、意味は分かってるの?」
「分かってるわけないやん。ひい君は、私を何だと思ってるの?」

ひい君は少し悩む。ふふん、そんなに言葉にしにくいような事なのかな?

「アホ。控えめに言ってあんぽんたん。」
「しゃーきゅーりゃー(さーくーらー)!びぃぐんがびじべでぐる(ひい君がいじめてくる)!」
「それは私も同じかな?」
「ちぇっ。桜もか。」
「ちぇっ、って何だ?」
「桜に分かるかなぁ?」

いつも3人で帰ってるけど、私の中の悪魔はいつもこう言っている。「こんなやつ、蹴落としてしまえ」と。私の本心かもしれない。でも、私はそんなことできる娘じゃないから。

「それはそうと、きい。テストは大丈夫なんだな?」
「うん!追認は回避出来てると思う。」

この発言をしている時点でアホと言われても私は文句を言えない。これでも、結構頑張ってる。だって…

「どうかしたか?」
「ううん、何にも。」

今ここで気づいていないのはひい君だけだけど。

「じゃあ、また明日ね。」
「おう、明日な。」
「きい、頑張って!」

玄関のドアを閉めて、ふぅと息をつく。明日か…明日が実際、1番ヤバいねんもんな。言語文化はまだしも、化学基礎が…。いや、そんなこと思ってる暇はない。全力を尽くす。それ以上でもそれ以下でもない。

 まずは言語文化の内容を頭に叩き込む。敬語とか何言ってるかは分からないけど、なんとなく雰囲気で『尊敬』と『謙譲』は分かるかな?単語はもう覚えてるし、ふわぁ。眠い。時間は4時過ぎ。5時前まで仮眠取ろっかな。

 横のベッドにごろんと寝転び、スマホのアラームを合わせる。そして私は浅い眠りについた。




―ピロン

 スマホの着信音がして目が覚める。思ったより寝ていたな。時間は…6時前。6時前!?完全に寝すぎてる!通知は、ひい君か。えっと…

『鞄の中』

ん?どういうことだろうか。

 とりあえず漁ってみる。今日の教科の問題とか、教材とか、こんなの支給されてたっけ?いや、ひい君の自前だな。

「ありがとう」
『気にすんな(*´罒`*)』

 当日、1時間目の言語文化はいけた。多分平均はあるかな?あとは問題の化学基礎だけ。折角ひい君に問題集貸してもらったし、少なくとも欠点は免れないと。

 チャイムが鳴って、私は問題用紙を表に向けた。
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