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ハジメテ

そして2学期期末はやってきた①

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 中間考査から早1ヶ月半。その間、特に何もなかった!

「はぁ、もう期末かぁ。早すぎやわ~。」
「しょうがなくね?特にイベントも何も無いんだし。」
「たしかに、ここ最近はみんなで遊ぶこともなかったしね。」

文化祭までは普通に喋る仲だっただけだけど、家の方向が同じなのもあって、よく行き帰りをするようになった琴奈と花胡。琴奈は単純に可愛いし、花胡なんかはにかんで笑った顔にいつもキュンキュンしちゃう!

「期末終わり、どっか遊びに行かん?」
「いいね、どこ行く?」
「寒いし、屋内の方がいいなぁ。」
「じゃあエリスポとか?」
「そこにしよ!私、行ったことないんだぁ。」
「花胡、エリスポ行ったことないの?私の周りにはあんまりいないよ!」
「だって、あんまり必要ないってか…」

冬休みの予定はひとまず決まった。その前に、

「琴奈、テストの方は大丈夫なんだよな?」
「げっ。」
「まさか…」
「実を言うと、何も勉強してないっていうか…」
「ほんとに!?1週間前だよ!」

やっぱりかぁ、と頭を抱える私。心配している花胡は、まだ諦めていなさそうだ。

「じゃ、じゃあ!みんなで勉強して帰ろ!」

花胡が近くのファミレスを指さす。ここならお財布にもやさしいし、いいか。

「よぉし、アホな琴奈の頭に知識詰め込むぞ!」
「おぉー!」
「おい柚!アホはねぇだろ。」

 そして、琴奈に教え始めた私たち。ひとつ分かったことがある。コイツ、授業分かってねぇな。

「ここ、テストに絶対出すって先生が言ってたよ!」
「ええと、ナンノコトカナー?」

それより、たぶんコイツ、全授業寝てる。私と花胡の角度からは見えないけど、それだけは分かる。

「とりあえず、このチェックつけた問題は理解しとけ。話はそれからだ。」
「ありがとうございますっ!柚様!」
「よせ、照れるだろ。」

 次の日、いつものように3人で登校する。

「だからね、あの問題全部やったら、何となく範囲が分かったんだよ!」
「普通は授業中にそれをするんだ。」

あの問題は、今回の範囲の基本的なところだからな。実力教科の数学と英語と化学は教えるとして、あとは暗記系か。

「琴奈、暗記教科はいけるのか?」
「大丈夫!暗記は得意だから!」
「じゃあ、教えなくてもいいんだな。」
「いいよ!」

その日から毎日、数学、化学、英語を教え続け、そして試験前日。

「よし、これだけできていれば。」
「いけるかな?」
「欠点はないだろうな。名前の確認しとけよ。」
「ラジャです、柚隊長!」

3教科とも、ひとまず平均前後は取れるだろうレベルまでできるようになった。暗記系はどうにかなるみたいだし、そこは自力でやってもらおう。

「バイバーイ!」
「「また明日!」」

2人は晩ご飯を食べてから帰るみたいなので、私が先に店を出る。

「寒っ!」

さっきまで屋内にいたから少し寒い。冬になってきたなぁ。はぁと息を吐けば、口の周りは白くなる。私はロータリーを抜けて、駅に向かった。
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