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ハジメテ

そして2学期中間は始まった①

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 体育祭が終わって1週間。興奮も冷めやまないままに待ち受けているのは中間考査である。

「今回も問題はこの2人だな。」
「そうだな。きいと楓、いつも通りだな。」

俺の家で顔を見合わせる俺と奏。今日は2人に分かってないところを教えていく予定。まずは、分かっていないところを探すところから。

「ひい君、ノート見せて。書いてない。」
「どうせ寝てたんだろ。」
「バレたか。」

きいが書いていないのは公共の見開き2ページ分。完全に丸1時間寝てたことになる。

「いでっ。」
「お前さぁ、ギリギリなんやからちゃんと授業ぐらい聞いとけって。」
「だって面白くないから眠いんだもん。ひい君こそ寝てないの?」
「それはそうだけど、俺は眠気覚ましの食いもん食いながら授業受けてるぞ。それでまぁ意識保てるから。」
「それはそれでダメやろ。」

ノートを写させて、まずは数Aから。

「じゃんけんだな。3人で出す手の数は全通りで?」
「うーん、9!」
「そうそう、だから…」

前回よりも飲み込みが早くなっている。家で勉強もしっかりしてるのかな。それはそうとして海南さんは結構危ない。

「ねぇ、奏。場合の数って日常生活で使う?」
「あんまりかな?」
「じゃあ、何でこんなことしないといけないの?」

それを言っちゃあ何も進まねぇべ。重要なところだけ教えて、ひとまず休憩。

「頭パンクしそう。」
「きいはまだいけそうだろ。」
「最近家でもやってるから、その積み重ねがね。」

個包装のチョコブラウニーを食べながら、体力を回復する。海南さんは食べ方が飢えた小動物みたいで面白いな。きいは、ただぼーっとしてるだけ。充電のマークが頭の上に出てるからこれも面白い。

 10分ほど経ったので、また勉強を始める。きいは意外と全教科満遍なくカバー出来ていて、今までの教え方とはまた違う、ちょっとレベルの高い教え方ができている。教えてる側からしても楽しい。たまに休憩をとりながら範囲のカバーを終わらせると、暗くなってきたので3人は帰っていった。

「桜、みんな帰ったぞ。」
「分かった。」

桜がいくつか問題集を持って降りてくる。桜はあまり人に教えたくない人だ。だから、みんなが帰ったあと降りてきて、俺と一緒に問題集を解いていく。空腹は菓子パンで紛らわし、本当に我慢できなくなるまで晩ご飯は食べないことにしている。

「もう無理!ご飯作るね。」
「よろしく。」

最近の晩ご飯は俺と桜が交代で作る。今日は桜の日だから、どれだけ美味しい料理ができるのかな?何かを油で揚げる音が聞こえてくる。これは期待できるな。

 作ってくれたのはコロッケとか白身魚のフライとか。冷凍のやつだけど、美味い。てか揚げ加減が上手すぎて、いつもより美味く感じる。

「揚げ物得意?」
「うーん、あんまりだけど、一人暮らししようとしてたとき、これは出来るようにしといた。」
「それにしては上手すぎだろ。」

食べ終わると、また勉強を再開する。俺も桜も、もうすぐ問題集が終わりそうなので、今日の晩は早く寝れそうだ。

 結局、俺が終わったのは11時前。桜は先に終わっているので、風呂に入っている。ソファでは杏が晩ご飯を食べていて、今にも寝そうだ。俺は机の上の問題集を片付けて明日の用意をする。桜が風呂から上がってきたので、風呂に入って、歯を磨いて、結局寝れたのは12時過ぎ。6時間くらい寝れそうだ。俺は部屋の電気を消した。
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