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ハジメテ
そして文化祭は始まった③
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文化祭2日目。朝、少し早めに学校に来て、最後の手直し。剥がれているテープや飾りの修正などなど。開場の9時ギリギリまで作業しっぱなし。放送があって、文化祭2日目は幕を開けた。
文化祭といえば、お化け屋敷だの、メイド喫茶だの、そういうイベントが多いが、うちの学校はそういうのがない。まず、出来ない。教室は暗くしたらダメだし、服装は指定のTシャツか制服しか着てはいけない。本当にお堅い学校だ。
「なあ、奏。どこ行く?」
「そうだな、B組の謎解きとか。」
「いいかも。でも、俺たちで解けるか?」
「無理だろうな。」
2人とも仕事は後半だけ。後半といっても、この文化祭は半日だけだから、あと1時間半もすれば仕事が始まる。そこまでいかに有意義に過ごすか。
「ライブは行くだろ。」
「当たり前だ。」
「じゃあ、こことかどうだ?」
奏がパンフレットを指さす。生物部か。たしか、奏の中学時代のクラブのやつがそこに入って色々やっているらしい。面白そうだ。
「じゃあ、そこで時間潰すか。」
俺たちは離れにある理科棟に向かった。
理科室に入ってまずあるのはザリガニ釣り。近くの川で捕ってきたのだろう。すごい量だ。スルメがついた糸を垂らす。本当はここで食いついてくるのだろう。でも、なぜか離れていく。そして奏のスルメの方へ。
「よっしゃ、釣れた!もう1回。おぉ、また釣れたぞ!」
何故だ。なぜ、俺は釣れない?スルメから変な気でも出てるのか?
「Q、殺気消したら釣れるぞ。」
「俺、殺気なんか出してねぇぞ。」
「マジかよ。」
「時間でーす。」
係の人の声で竿を引き上げる。結局、1匹たりとも釣れなかった。竿を返して、奥にある水槽の方へ進む。今年捕まえた魚が展示してあって、そのクオリティは本物さながら。生物部の本気が感じられる。
その問題児は、1つのコーナーを仕切っていた。白衣を着て、貫禄がある体つきをしている。
「よっ、透。もうそこまで地位築いてんのか?」
「そうだな。生物部に透あり!俺がいないと生物部ではないようだ。」
たしかにこりゃ、問題児だな。てか、頭のネジ数本は飛んでるんじゃねぇか。それにしても、活動内容がスゴすぎる。自費で色んなとこ行きすぎだろ。芥川とか鳥羽水族館も結構行ってるみたいだ。あとは山口か。山口か!遠いな!日曜日だけの活動記録だから、日帰りだな。こいつの行動範囲が広すぎる。県外なんて行くことがない俺に比べたら、異世界の存在みたいだ。
少し話していると時間はもうすぐ10時15分。ライブはもう始まっているし、交代の時間も近い。
「奏、帰るぞ。」
「やべっ、もうそんな時間か。んじゃ透、またな!」
理科室を後にして、教室に戻る。中は大盛況だった。どこのパートも忙しそうで、桜たちは汗を流しながら働いていた。
「ここの射的、レベル高いらしいよ。」
そんな話がちらほら聞こえてくる。作った側からすると、本当に嬉しい言葉だ。
「柚さん、代わるよ。」
「ほんじゃ、よろしく。」
1番右側の台で働いていた柚さんと交代し、並んでいる10数人の接客を始める。終了まではあと3時間ほど。それまでここの台は俺の当番だ。俺は気合いを入れた。
文化祭といえば、お化け屋敷だの、メイド喫茶だの、そういうイベントが多いが、うちの学校はそういうのがない。まず、出来ない。教室は暗くしたらダメだし、服装は指定のTシャツか制服しか着てはいけない。本当にお堅い学校だ。
「なあ、奏。どこ行く?」
「そうだな、B組の謎解きとか。」
「いいかも。でも、俺たちで解けるか?」
「無理だろうな。」
2人とも仕事は後半だけ。後半といっても、この文化祭は半日だけだから、あと1時間半もすれば仕事が始まる。そこまでいかに有意義に過ごすか。
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「当たり前だ。」
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「よっしゃ、釣れた!もう1回。おぉ、また釣れたぞ!」
何故だ。なぜ、俺は釣れない?スルメから変な気でも出てるのか?
「Q、殺気消したら釣れるぞ。」
「俺、殺気なんか出してねぇぞ。」
「マジかよ。」
「時間でーす。」
係の人の声で竿を引き上げる。結局、1匹たりとも釣れなかった。竿を返して、奥にある水槽の方へ進む。今年捕まえた魚が展示してあって、そのクオリティは本物さながら。生物部の本気が感じられる。
その問題児は、1つのコーナーを仕切っていた。白衣を着て、貫禄がある体つきをしている。
「よっ、透。もうそこまで地位築いてんのか?」
「そうだな。生物部に透あり!俺がいないと生物部ではないようだ。」
たしかにこりゃ、問題児だな。てか、頭のネジ数本は飛んでるんじゃねぇか。それにしても、活動内容がスゴすぎる。自費で色んなとこ行きすぎだろ。芥川とか鳥羽水族館も結構行ってるみたいだ。あとは山口か。山口か!遠いな!日曜日だけの活動記録だから、日帰りだな。こいつの行動範囲が広すぎる。県外なんて行くことがない俺に比べたら、異世界の存在みたいだ。
少し話していると時間はもうすぐ10時15分。ライブはもう始まっているし、交代の時間も近い。
「奏、帰るぞ。」
「やべっ、もうそんな時間か。んじゃ透、またな!」
理科室を後にして、教室に戻る。中は大盛況だった。どこのパートも忙しそうで、桜たちは汗を流しながら働いていた。
「ここの射的、レベル高いらしいよ。」
そんな話がちらほら聞こえてくる。作った側からすると、本当に嬉しい言葉だ。
「柚さん、代わるよ。」
「ほんじゃ、よろしく。」
1番右側の台で働いていた柚さんと交代し、並んでいる10数人の接客を始める。終了まではあと3時間ほど。それまでここの台は俺の当番だ。俺は気合いを入れた。
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