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眠っている間に
中編3
しおりを挟むチュと軽いキスを落とした後、翔太の唇を舐めて空いた隙間から舌が入ってくる。
あれ?このキス、知ってる。夢と一緒だ。
舌を絡めた後上顎を舐めてそれからまた絡める。
全く一緒のその動きに頭では今は現実だと分かっているのにあの夢の感覚と身体が混ざり合ってくる。
この先はいつも深いキスをしながら手が入ってきて翔太の乳首を優しくイジる。
それで硬くなってきたそこをじっくり舐めるんだ。
今それをやられている訳でもないのにやられた時の快感が思い出されてしまって期待で乳首がツンとする。
「んっ、っ、はぁ」
「翔太、腰動いてる」
何度も繰り返される深いキスに溺れていたが要の一言で我にかえる。
恥ずかしい。絶対期待してるって思われた。
「やっていいのか?」
要の顔を見ると翔太がなんと答えるかわかっている顔をしていて悔しくなる。
でもここで嫌だと言えるほど身体の熱は冷めてくれなくて下を向いて小さく頷いた。
「ちゃんと言ってくれ」
「抱いてくれっ!!!」
親友から恋人になったばかりの男にそんな事を頼むのは恥ずかしいのに要がめちゃくちゃ嬉しそうな顔をしたので恥ずかしさを通り越して翔太も嬉しくなった。
何で、めちゃくちゃ気持ちがいい。
「あっ!また中でっ、イッ」
初めてで中でイくなんてそんな人自分以外絶対いない。
自分でするときとは比べ物にならない快感が全身を襲い翔太は訳がわからなくなっていた。
夢の時より気持ちいい。
「気持ちいいか?」
「気持ちいいっ」
要は自分でもも知らなかった翔太の弱いところを早々に探り当てて絶妙な強さで刺激してきた。
要に何でそんなに分かるんだと聞くと俺は何でも翔太のことを知ってるからって言われて嬉しい。
「要もきもち?」
気持ちよさそうな顔をして腰を動かす要を見れば分かるのだが本人の口から聞きたかった。
「ああ、最高だ」
「よかった……」
女の子とは違う身体。
柔らかくもないし要と同じものもついてる。
いくら翔太のことが好きだと言われても男の身体を見たら萎えてしまうんじゃないかと心配だった。
「キスして、」
要の首に腕を回して顔を近づけるとキスしてくれる。
要のキスがめちゃくちゃうまくてそんなキスに何故だか答えられる自分。
初めての行為なのにそれを思わせないほど要は翔太の気持ちいいところを知り尽くしていた。
それこそ口の中から足の先まで全身の。
「うああっ!!!」
ゆっくりだった腰の動きがいきなり早くなって目の前がチカチカした。
「かなめっ、とまっ!」
「ごめん。無理」
いつもなんでも翔太の言う事を聞いてくれるのにこんな時は聞いてくれない。
止まってと言ったのに逆に強くなるその動きに翔太は要の背中に爪を立てる。
「、はっ、」
「くっ、やべぇ、」
要の顔が歪んだ後、中に熱いモノが入ってくる。
自分の中に要のものが出されたのだと思うと腰の奥がゾクリと疼く。
「締めすぎ」
要が白濁液を翔太の中に擦り付けるように腰を緩く擦る。
敏感になっている身体はそんなゆるい刺激をも受け取ってしまう。
「はぁっ、」
「ははっ、また勃ってる」
出したばかりなのにまた少しずつ硬くなり始めるソコを要の手が握り扱く。
イッたばかりの要には過ぎる快感が襲ってきて腰を引こうとするももう片方の手で腰をしっかり掴んでいて逃げれない。
「要、もっ無理だって、」
要は一度しか出していないかもしれないが翔太は何度もイッているのだ。
体力が限界で眠気が襲ってくる。
「後、一回だけだから」
要のお願いを聞きたい気持ちとは反対に瞼はどんどん重くなり意識も落ちていく。
「ごめっ、むりっぽい………」
眠ってしまった翔太の寝顔をジッと見つめる。
やっと、やっと手に入れた。
翔太はここ最近の夢のことだと思っているが要が翔太の寝ている間に悪戯するようになったのは中学生の頃からだ。
その頃は手を繋いだり、翔太を抱きしめてみたり軽いキスをしただけだったけれど年々大きくなる気持ちを抑えきれず高校の卒業式の日に家にある母親が飲んでいる睡眠薬を翔太に飲ませて事に及んだ。
どんどん欲が出てくるのだから人間は怖い。
翔太の身体に触れているだけでいいと思っていたのに心が欲しくなり結局こうして騙すような形で手に入れた。
安心したように眠る翔太の頬に手を添えて親指で撫でる。
手に入った幸せに浸っていると要の携帯が鳴る。
「もしもし。……ああ、サンキュー。お前がいてくれなきゃもう少し時間がかかっていたよ。………当たり前だ。俺以外に翔太を幸せに出来るやつがいるとでも?………ククッ、上手くいったから泣かせた事は許してやる」
俺のせいじゃないのに!と喚く電話を切る。
「お前から堕ちてきたんだ。絶対に離さないからな。ずっと一緒だ」
翔太に軽いキスを落として慣れた手つきで後始末をする。
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