114 / 426
大瀑布で魚を漁ろう
閑話 深く広い海の底で
しおりを挟む
サークルランド沖のとある海溝の底にて半魚人達が集まっている。
「・・・・・」
半魚人の一人、 白い肌のイカの様な人の様な意匠の半魚人が佇んでいる。
通称イカ女、 半魚人の中でも高い地位に居る半魚人である。
「タコ娘がやられた様だな」
イカ女は発達した脳からテレパシーの様な物が仕える特性が有る。
それを利用して状況を把握出来る。
「それは驚きだな」
「ふむ・・・」
「意外だな」
他の高位の半魚人達もその場で情報を共有する。
半魚人達は水中でも会話が可能なのでこれ位の事は簡単である。
「ちょ、 ちょっと!! 仲間が死んだのに淡泊過ぎませんか!?
もっとリアクション有るでしょう!?」
半魚人の中で我々がイメージする人魚の様な半魚人が声を挙げる。
「君は相変わらずの過剰反応だな」
「その通り、 君は人間に近すぎると思うよ」
「君の考えを我々に押し付けないでほしい」
「・・・・・」
絶句する人魚。
「人魚よ、 君は少し自己中心的過ぎる」
「な、 他者を思いやる事の何処が自己中心的だと!?」
「他者を思いやるのは勝手だがそれを他者にも強制するのは君の悪い癖だ」
「っ!!」
人魚はその場を泳いで去った。
「全く、 また癇癪か、 やってられんな」
「まぁ良いんじゃないんです? 彼女は下半身が尾鰭だから
水中では比類なきスピードで泳げる代わりに地上には出て来れない
地上での作戦行動にはついて行けないし、 ここに居る意味が分からない」
「それもそうね、 次の手を考えなければいけないが・・・
大瀑布からのルートが危険となると如何行くか悩ましいな・・・」
考え込む半魚人達。
「下手な考え休むに似たりだ」
すっくと立ちあがるエリート半魚人の一人。
「魚でも食いに行こう」
「このタイミングで?」
「魚にはDHAと言う成分が含まれていて頭が良くなるらしい
ならば魚を喰えば良いアイデアが生まれる筈だ」
「その話、 誰から聞いた?」
「タツノオトシゴ老からだ」
「彼は気が触れているからな・・・確かに有用な事も言うが信用に欠ける・・・」
「まぁここでグダグダやっていても仕方ない、 狩りに行こうか」
「あぁ」
半魚人達が魚を食べに向かった。
とは言え食事では無く狩りである。
その場で魚を喰らうのだ、 半魚人には料理と言う概念は無い。
貯蓄と言う概念も無い、 海は広大なのだから。
「・・・・・」
半魚人の一人、 白い肌のイカの様な人の様な意匠の半魚人が佇んでいる。
通称イカ女、 半魚人の中でも高い地位に居る半魚人である。
「タコ娘がやられた様だな」
イカ女は発達した脳からテレパシーの様な物が仕える特性が有る。
それを利用して状況を把握出来る。
「それは驚きだな」
「ふむ・・・」
「意外だな」
他の高位の半魚人達もその場で情報を共有する。
半魚人達は水中でも会話が可能なのでこれ位の事は簡単である。
「ちょ、 ちょっと!! 仲間が死んだのに淡泊過ぎませんか!?
もっとリアクション有るでしょう!?」
半魚人の中で我々がイメージする人魚の様な半魚人が声を挙げる。
「君は相変わらずの過剰反応だな」
「その通り、 君は人間に近すぎると思うよ」
「君の考えを我々に押し付けないでほしい」
「・・・・・」
絶句する人魚。
「人魚よ、 君は少し自己中心的過ぎる」
「な、 他者を思いやる事の何処が自己中心的だと!?」
「他者を思いやるのは勝手だがそれを他者にも強制するのは君の悪い癖だ」
「っ!!」
人魚はその場を泳いで去った。
「全く、 また癇癪か、 やってられんな」
「まぁ良いんじゃないんです? 彼女は下半身が尾鰭だから
水中では比類なきスピードで泳げる代わりに地上には出て来れない
地上での作戦行動にはついて行けないし、 ここに居る意味が分からない」
「それもそうね、 次の手を考えなければいけないが・・・
大瀑布からのルートが危険となると如何行くか悩ましいな・・・」
考え込む半魚人達。
「下手な考え休むに似たりだ」
すっくと立ちあがるエリート半魚人の一人。
「魚でも食いに行こう」
「このタイミングで?」
「魚にはDHAと言う成分が含まれていて頭が良くなるらしい
ならば魚を喰えば良いアイデアが生まれる筈だ」
「その話、 誰から聞いた?」
「タツノオトシゴ老からだ」
「彼は気が触れているからな・・・確かに有用な事も言うが信用に欠ける・・・」
「まぁここでグダグダやっていても仕方ない、 狩りに行こうか」
「あぁ」
半魚人達が魚を食べに向かった。
とは言え食事では無く狩りである。
その場で魚を喰らうのだ、 半魚人には料理と言う概念は無い。
貯蓄と言う概念も無い、 海は広大なのだから。
0
お気に入りに追加
97
あなたにおすすめの小説
村娘になった悪役令嬢
枝豆@敦騎
恋愛
父が連れてきた妹を名乗る少女に出会った時、公爵令嬢スザンナは自分の前世と妹がヒロインの乙女ゲームの存在を思い出す。
ゲームの知識を得たスザンナは自分が将来妹の殺害を企てる事や自分が父の実子でない事を知り、身分を捨て母の故郷で平民として暮らすことにした。
村娘になった少女が行き倒れを拾ったり、ヒロインに連れ戻されそうになったり、悪役として利用されそうになったりしながら最後には幸せになるお話です。
※他サイトにも掲載しています。(他サイトに投稿したものと異なっている部分があります)
アルファポリスのみ後日談投稿しております。
もう死んでしまった私へ
ツカノ
恋愛
私には前世の記憶がある。
幼い頃に母と死別すれば最愛の妻が短命になった原因だとして父から厭われ、婚約者には初対面から冷遇された挙げ句に彼の最愛の聖女を虐げたと断罪されて塵のように捨てられてしまった彼女の悲しい記憶。それなのに、今世の世界で聖女も元婚約者も存在が煙のように消えているのは、何故なのでしょうか?
今世で幸せに暮らしているのに、聖女のそっくりさんや謎の婚約者候補が現れて大変です!!
ゆるゆる設定です。
侯爵令嬢の置き土産
ひろたひかる
恋愛
侯爵令嬢マリエは婚約者であるドナルドから婚約を解消すると告げられた。マリエは動揺しつつも了承し、「私は忘れません」と言い置いて去っていった。***婚約破棄ネタですが、悪役令嬢とか転生、乙女ゲーとかの要素は皆無です。***今のところ本編を一話、別視点で一話の二話の投稿を予定しています。さくっと終わります。
「小説家になろう」でも同一の内容で投稿しております。
転生者はチートな悪役令嬢になりました〜私を死なせた貴方を許しません〜
みおな
恋愛
私が転生したのは、乙女ゲームの世界でした。何ですか?このライトノベル的な展開は。
しかも、転生先の悪役令嬢は公爵家の婚約者に冤罪をかけられて、処刑されてるじゃないですか。
冗談は顔だけにして下さい。元々、好きでもなかった婚約者に、何で殺されなきゃならないんですか!
わかりました。私が転生したのは、この悪役令嬢を「救う」ためなんですね?
それなら、ついでに公爵家との婚約も回避しましょう。おまけで貴方にも仕返しさせていただきますね?
勘当された悪役令嬢は平民になって幸せに暮らしていたのになぜか人生をやり直しさせられる
千環
恋愛
第三王子の婚約者であった侯爵令嬢アドリアーナだが、第三王子が想いを寄せる男爵令嬢を害した罪で婚約破棄を言い渡されたことによりスタングロム侯爵家から勘当され、平民アニーとして生きることとなった。
なんとか日々を過ごす内に12年の歳月が流れ、ある時出会った10歳年上の平民アレクと結ばれて、可愛い娘チェルシーを授かり、とても幸せに暮らしていたのだが……道に飛び出して馬車に轢かれそうになった娘を庇おうとしたアニーは気付けば6歳のアドリアーナに戻っていた。
王子妃教育に疲れたので幼馴染の王子との婚約解消をしました
さこの
恋愛
新年のパーティーで婚約破棄?の話が出る。
王子妃教育にも疲れてきていたので、婚約の解消を望むミレイユ
頑張っていても落第令嬢と呼ばれるのにも疲れた。
ゆるい設定です
私を選ばなかったくせに~推しの悪役令嬢になってしまったので、本物以上に悪役らしい振る舞いをして婚約破棄してやりますわ、ザマア~
あさぎかな@電子書籍二作目発売中
恋愛
乙女ゲーム《時の思い出(クロノス・メモリー)》の世界、しかも推しである悪役令嬢ルーシャに転生してしまったクレハ。
「貴方は一度だって私の話に耳を傾けたことがなかった。誤魔化して、逃げて、時より甘い言葉や、贈り物を贈れば満足だと思っていたのでしょう。――どんな時だって、私を選ばなかったくせに」と言って化物になる悪役令嬢ルーシャの未来を変えるため、いちルーシャファンとして、婚約者であり全ての元凶とである第五王子ベルンハルト(放蕩者)に婚約破棄を求めるのだが――?
王妃の仕事なんて知りません、今から逃げます!
gacchi
恋愛
側妃を迎えるって、え?聞いてないよ?
王妃の仕事が大変でも頑張ってたのは、レオルドが好きだから。
国への責任感?そんなの無いよ。もういい。私、逃げるから!
12/16加筆修正したものをカクヨムに投稿しました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる