更新休止【異世界ファンタジー追放ざまぁハーレム主人公チート】デュエリスト・イン・ザ・ブロークンワールド【注釈付き】

チャプター16:インフェルノ・クイーン

アイ・キャン・ブリーブ・マイ・アイズ

「状況説明は要るか?　フェザー?」

女は笑った。

「・・・・・」

フェザーは既に小さな世界ミクロコスモスを展開している為
女の糸による操作は受け付けない。
しかし状況は悪化の一途を辿っている。
周囲の物音が消えたのだ、　恐らくは・・・

「言っておくが既にこの領事館を含めた四方5㎞は既に制圧している」

全て糸の射程範囲で全員操作されているという状況だろうか。

「異常過ぎるな・・・ここまでのウィルパワー・・・表でもやっていけるだろう」
「あぁ、　説明エクスプレインしたからな」
「何を説明したらここまで強大なウィルパワーが得られるんだよ」
「後でこいつ等に聞いたら?　後なんか無いかもしれないが
とりあえずその・・・何だ・・・個体領域パーソナルスペース?　か?
解いて貰って良いか?　断ったら可愛い可愛い君のお姫様の首が飛んじゃうよ?」

サンの手を動かして肌を斬る女。

「何が目的だ?」
「テメェは黙って私の言う事聞いてりゃいいんだよ!!
さっきからこのボケ共の相手をして私の忍耐は限界ﾅﾝﾀﾞﾖｫｵｵｵｵｵｵｵｵｵｵｵｵｵｵｵｵｵｵｵｵｵｵｵ!!!!!」

絶叫と共にぜぇぜぇと息を切らす女。

「ﾊｧﾊｧ・・・」
「・・・」

フェザーは足に力を入れると同時に蜘蛛のなりそこないの足が動きフェザーを吹き飛ばす。
フェザーは足を掴んだ、　だが

「それ以上私をｲﾗﾂｶｾﾝｼﾞｬﾈｪｴｴｴｴｴｴｴｴｴｴｴｴｴｴｴｴｴｴｴｴｴｴｴｴｴｴｴｴｴｴｴｴｴｴｴ!!!
ふざけてんのか!!　私をこれ以上怒らせて殺したいのか!!
お前等は本当にふざけやがってｪｴｴｴｴｴｴｴｴｴｴｴｴｴｴｴｴｴｴｴｴｴｴｴｴｴｴｴｴｴｴｴｴ!!!!!
殺すぞ!!　このガキ共本当に殺すぞｵｵｵｵｵｵｵｵｵｵｵｵｵｵｵｵｵｵｵｵｵ!!!!」

女の絶叫と同時に女の蹴りがフェザーの腹部を貫いた。

「っ・・・・・!!」

フェザーは驚きの表情を浮かべた。

「・・・・・」

フェザーは目を細めた。

「あん?　何だよその表情は?」

足を退かしながら女は尋ねた。

「・・・・・君、　アジア人か?」
「・・・そうだが?　何か?」
「一体何でこんな事をしている?　アジアの人間が何でヨーロッパの政府機関を襲撃してる?」
「雇われたからな」
「誰に」
「カリオストロに」
「嘘・・・じゃないな
そこまでの重要情報ならばこの異常極まるウィルパワーの増大も納得するよ
因みに貴女・・は如何して?」
「貴女・・ぁ?　・・・!?」

女が振り返るとナイフを振り下ろすサンがそこに居た。

「なっ、　く、　来るな!!!」

全力でサンを止めようとする女だったが・・・

「え、　ひ、　い、　ｲﾔｱｱｱｱｱｱｱｱｱｱｱｱｱｱｱｱｱｱｱｱｱｱｱｱｱｱｱｱｱｱｱｱｱｱ!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

止めきれずにサンのナイフが女の肌を切り裂く。
次々と切り刻まれる女。
絶叫は尚も止まず、　蜘蛛のなりそこないが暴れるのをフェザーが弾き飛ばした。

「サン!!　殺すな!!　詳しい話を聞く!!」

エンペスキーが駆け寄る。

「御安心を、　既に治療済みです」
「はぁ!?」

女の体は血塗れだが既に治されている、　但し傷跡が酷く残っている。

「ウィルパワーの配線をぐちゃぐちゃにしました
もう二度とこんな大立ち回りは出来ないですよ」
「・・・・・」

唖然とするエンペスキー。

「大臣閣下!!　御無事で!?」

警備兵達がこちらに駆け寄って来た。

「・・・・・警備の責任者を呼べ
後、　ここに来るまでにへたり込んでいる外交官が居ただろう
そいつも確保しろ」
「は、　はい!!」


再誕歴7704年メイ23日。

ベネルクス王国、　ブリュッセル王宮の宰相執務室に呼び出された
エンペスキーとコールスローと民部大臣ラビットを除いた大臣一同。

「ラビットは如何しました?」

技巧大臣コロッサスが淡々とした表情で尋ねた。

「実は先程、　エンペスキー大臣から連絡が入りまして
カリオストロが工作員を使ってハワイの我が国領事館を襲撃したとの事です」

宰相ドグラマグラが伝えた。

「何だと!?　カリオストロが!?」

驚愕する軍務大臣ワームウッド。

「陛下はこの事実を御存じで?」
「多分知らないだろう」

内務大臣フラマンの言葉を外務大臣コーシーが否定する。

「そうですね、　次の通信は10日後です」
「10日か・・・陛下は大丈夫なのか?」
「特命省で身を固めています、　何一つ問題有りません」

断言するドグラマグラ。

「・・・それでラビットは如何したんだ?」
「彼は拘束しています、　何らかの情報を持っているかもしれないので」
「それが妥当ですね、　アルベドの方は?」
「えぇ兵を動かしたいのですが、　この場合、　何処の管轄になりますか?
国の重要施設を襲ったのだから防衛省かと思いますが・・・」
「甘い!!　国の重要施設を襲ったのだから動かせる戦力は全て動かそう!!」

ワームウッドは叫んだ。

「・・・一旦冷静に話し合いましょうか」
「時間は有るのか!!」
「では手短に5分で」
「ならば良し!!」