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スターターコンテンツ:初めての決闘

人倫の話④

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「要らん要らん、 決闘者に必要なのは強さのみだ
さっきのウィルパワーの例を引き合いに出すと強さだけを求めるのと
強さと礼節を求めたら、 ウィルパワーが分散される
強さのみに特化するべきだ」
「でも人間としての礼節は必要よ、 お嫁さんとか如何するの?」

プッ、 と吹き出しそうになるザンゲツ。

「嫁が必要なのは庶民だけだ、 嫁を娶る事で収入や社会的信用や
コネクションを獲得し・・・ちょっと下品だが性欲を満たす・・・
俺はとうに一生、 いや、 三生分位は
毎日風俗で遊びながら暮らせる金は稼いでいる」
「・・・・・」

ドン引きするドラップス。

「まぁそもそも俺は女に興味無いけどな」
「・・・そうなの?」
「一回女と付き合ってウザくてしょうがなくてな」
「・・・・・」

こんな男と付き合う選択をした女に驚くドラップス。

「納得がいかない様だけどさ、 じゃあこう考えて見ろよ
『人当たりの良い気のいい奴だが勝率が悪い決闘者』と
『糞みてぇな奴だが絶対に勝つ決闘者』どっちに依頼するよ?」
「・・・・・」
「考えるポーズしても駄目だ、 糞強決闘者に依頼するに決まってるだろ
良い人、 悪い人はおいておいて能力のある人間に仕事を任せるだろう
そもそも『良い人』って何だよ」
「・・・・・人間そのものが悪だって言いたいの?」

はっは、 と笑うザンゲツ。

「『良い人』というイメージが真っ先に思い浮かぶ人間は
善人で有る事以外に特徴が無い、 長所が無い、 能力が無い
企業の社長は企業の社長に呼ばれる、 良い人と呼ばれる事も有るだろうが
まずは仕事の能力の高さを称えられるだろう
翻って善人は無能でも誇れる、 いわば無能共は
『私はこんな良い事をしているとても凄い人ですよー』
と言い訳をする非常口の様な物だ、 欺瞞に他ならない」
「それは穿った見方だ、 有能でも良い人だって居るよ」
「だからだから、 良い人と言う個性の前に有能さが出て来るんだろうが」

ビールを一気飲みするザンゲツ。

「はあー・・・まぁ俺の心情や信条なんて如何でも良いだろう
要は明日の決闘に勝てるかどうか、 って所だ」
「個人的にはこれからも決闘を依頼したいから礼節は備えて欲しい」
「おいおい、 今回は特別価格で仕事をやっている
普段は1000万10億円だぞ、 払えるのか?」
「これから私はBIGになって行くのよ、 払える様になるわ」
「あ、 っそ、 じゃあそろそろ寝るわ」

立ち去っていくザンゲツ。

「待ちなさい」

ドラップスが止める。

「?」
「お金は払いなさい」
「貴族様が支払いを拒否ですかぁ?」

ケラケラと笑うザンゲツ。
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