更新休止【異世界ファンタジー追放ざまぁハーレム主人公チート】デュエリスト・イン・ザ・ブロークンワールド【注釈付き】

スターターコンテンツ:初めての決闘

朝食会

再誕歴7703年オーガスト12日。

ベネルクス王国ゴディバ公爵別邸の食堂にて朝食会が催されていた。
朝食会とかゴディバ公爵と朝食を共にするという名目で
公爵の直属の配下である門閥貴族の部下が何かをした場合に呼び出して注意する為の物である。
今日呼ばれたのはビター侯爵と彼の配下であるホイップ伯爵
そしてホイップ伯爵の配下である騎士フワリ。

「新しい鶏が産んだ卵を使ったんだが如何だい?」

朝食のオムレツを食べながら尋ねるゴディバ。

「良い卵ですね、　黄身の力強い味を感じます」

ゴディバ公爵と向い合せに座るビター侯爵がにこやかに答える。

「・・・・・」
「ﾊｧﾊｧﾊｧﾊｧﾊｧﾊｧﾊｧﾊｧﾊｧﾊｧﾊｧﾊｧﾊｧﾊｧﾊｧﾊｧﾊｧﾊｧﾊｧﾊｧﾊｧﾊｧﾊｧﾊｧﾊｧﾊｧ」

ビター侯爵の少し後ろではホイップとフワリが立っている。
ホイップはこの世の終りの様に絶望した顔を
フワリはまるで過呼吸を起こしたように緊張していた。

「ホイップ、　君の配下の呼吸が荒すぎる
公爵様の邸の空気をそれ以上吸うな、　息を止めてやれ」
「はい!!」

ホイップは剣を抜いた。

「ほ、　ホイップ様!?　何を!?」
「お前の息子が何もかも悪いんだ!!　ここで死ね!!」
「う、　うわあああああああああああああああああああああああ!!!」

フワリは転がり回りながら逃げる。
武器は取り上げられており何も出来ない。

「ホイップ君、　フワリ君、　二人共五月蠅いよ、　静かにしなさい」
「は、　はい!!」

ゴディバの声で即座に剣を収めて直立不動に戻るホイップ。

「え、　え?」

フワリは状況を飲み込めていない。

「ビターはあぁ言ったが私は空気の吸い過ぎで怒ったりしない
そんな理不尽な事では怒らないよ、　早く起き上がりなさい」
「は、　はい・・・」

恐る恐る立ち上がるホイップ。
その後も朝食を食べるゴディバとビター。
最後にコーヒーを飲んで一息吐く。

「さてと、　フワリ君の息子が他の公爵の部下の娘に失礼を働いた件だけど・・・
管理責任を取ってホイップ君は処刑、　フワリ君の一族郎党鏖みなごろしで良いよね?」

事も無げに呟くゴディバ。

「いやいや、　処刑するには裁判も必要ですし自害して貰いましょう」
「それもそうだね」

ビターの提案に賛同するゴディバ。

「ま、　待って下さい!!」

フワリが絶叫する。

「ホイップ!!　お前は部下に如何言う指導をしているんだ!!
公爵閣下の御意思に背くなんて!!　恥を知れ恥を!!」
「申し訳ありません・・・」

震えながら頭を下げるホイップ。

「い、　嫌だ!!　死にたくない!!」

叫び逃げ出すフワリを取り囲む護衛の兵士達。

「う、　うわあああああああああああああああ!!」
「そこまでよ!!」

バンッ、　と食堂の扉が開いた。