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チャプター14:ノット・インデペンデンス
ツー・サイエンティスト
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ルン子爵領、 兵器工場『ステアトゥヘヴン64』にて
片付けをしているシニョンの元にハータがやって来た。
「シニョン」
「微笑、 久しぶりねぇハータさん・・・
ハートレス領で兵器開発していた頃以来かしらぁ・・・」
「そうね、 あのガキが処刑されるずっと前だったかしら」
「同じ職場だったのに差が付いたわね」
シニョンはにやにやしながら煽って来た。
「・・・技術省に所属している私の方が良いと思うけども?」
「でも大した発明して無いじゃないですかぁ?
私のウォーカーは兵器界ではメガヒット、 ロイヤリティ※1 でかなり儲けてますよ
家も買えたんですよぉ、 2階建ての綺麗なお屋敷、 中古だけどね」
※1:権利所有者に使用する側が支払う対価である。
「そうじゃない、 アンタは兵器開発は足掛け※2 って言ってたじゃない
有名になって結婚して悠々自適に主婦をするって・・・
それなのにアンタはまだ兵器開発をしているの?」
※2:次の発展のためのいとぐちにする事、 またはそのいとぐちとなる事柄。
「貴女も兵器開発は足掛けって言ってましたねぇ・・・
互いに青かった・・・如何です? 足は洗えました?」
「お陰様でね」
「それは良かったですねぇ、 貴女の名前がどの科学雑誌を見ても載って無かったですし
正直消えたのかと思いましたよぉ」
にやにやと笑うシニョン。
「アンタは足掛けから抜けれないみたいね」
「正直に言いますと足掛けと言うよりは留まり続けていた方が良いかもしれませんね」
「何で?」
「兵器開発は思った以上に盛り上がりを見せています、
中国では武術をやるよりも兵器開発に比重を置き始めていますよ
正に現代のゴールドラッシュ、 向こうではかなりの予算が組まれています
要するにこれは名を売るビックチャンス
名を高めて売り続ければ、 良い物件は向こうからやって来る
今でも私は中国の地方領主の方々から見合いを求められていますけども
貴女は如何です? お見合いとか来てますぅ?」
「私は男には興味が無い」
「酸っぱい葡萄※3 ですかぁ?」
「それ、 誤用よ※4」
※3:狐が葡萄を取ろうと奮闘していたが葡萄の戦闘能力の高さから
葡萄を取る事を断念し全身の骨が砕けながらも
『あの葡萄は酸っぱい』と捨て台詞を吐いたという故事成語から来ている。
※4:狐が実は未来予知能力が有ったから実際に酸っぱい事を知っていた。
と言う学説が有る。
「諸説あるでしょ
でも如何だかねぇ、 いずれにせよ
私はもっと名を売って何れは王妃にまで上り詰めるつもりですよ」
「王妃って・・・金目当てじゃない」
「・・・・・結婚に金を求めてはいけませんか?」
シニョンが問いかける。
「当たり前じゃない」
「じゃあ何を求めるべきだと?」
「愛とか」
「うん? 何ですって?」
「だから、 愛とか」
「あぁぁぁぁぁぁぁぁいぃぃぃぃぃぃぃぃぃ?」
煽るシニョン。
「貴女は愛を知って、 いやそもそも心とか分かっていますぅぅぅぅ?」
「分かるに決まっているじゃない
アンタの方こそ殆ど一人で組み立てとかしているじゃない
ぼっちのアンタよりは分かっているわ」
「確かに私は1人が多くて、 貴女は助手を連れていましたねぇぇぇ」
「・・・・・助手じゃなくて研究チームメイトよ」
「そうですかぁぁぁぁぁ、 でもそのチームメイトとやらに研究成果持って行かれましたよねぇぇ」
「てめぇ!!」
ハータが懐から拳銃を向けると同時にシニョンが二丁のマスケット銃をハータに向ける。
「私は拝金主義ですけど、 アンタに否定される筋合いは無いんですよ
アンタの技術力は高いでしょうが消費者のニーズに合っていないし
アンタは私よりも良い勤め先に勤めているけども私の方が有名だし私の方が稼いでいる
アンタと私の性格の良さはギリギリアンタの方が良いかもしれませんが
私の方が見合いを申し込まれている、 アンタが私を煽る資格なんて無いのよ
ヴァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアカッ!!!!!!!」
「・・・・・」
歯軋りをしながら周囲に集まった警備員を察したハータは拳銃を仕舞い
シニョンがマスケット銃を下ろす。
「折角技術力を買って技術省の技術開発班にスカウトに来たのにっ・・・!!」
「スカウトぉぉぉ? 民間の方が儲かる時代なのよ
技術は革新的なのに未だに官営の方が儲かると思っているとは時代錯誤ねぇ
おっと、 警備員の皆さん、 ハータさんはお帰りです、 送ってさしあげて」
「一人で帰れる!!」
ハータはスタスタと去っていった。
「・・・何だったんですか? あの人」
警備員の1人がシニョンに尋ねる。
「賢人なんだけどね、 技術力は高いのに
金に無頓着でコスト無視したヴァカみたいな物作ってボツ喰らっているヴァカな女よ」
「はぁ・・・如何します? 訴えますか?」
「いや、 良い、 訴訟の時間と金の無駄、 それよりも働いた方が儲かるわ」
爆笑しながらも彼女は作業を続行したのだった。
片付けをしているシニョンの元にハータがやって来た。
「シニョン」
「微笑、 久しぶりねぇハータさん・・・
ハートレス領で兵器開発していた頃以来かしらぁ・・・」
「そうね、 あのガキが処刑されるずっと前だったかしら」
「同じ職場だったのに差が付いたわね」
シニョンはにやにやしながら煽って来た。
「・・・技術省に所属している私の方が良いと思うけども?」
「でも大した発明して無いじゃないですかぁ?
私のウォーカーは兵器界ではメガヒット、 ロイヤリティ※1 でかなり儲けてますよ
家も買えたんですよぉ、 2階建ての綺麗なお屋敷、 中古だけどね」
※1:権利所有者に使用する側が支払う対価である。
「そうじゃない、 アンタは兵器開発は足掛け※2 って言ってたじゃない
有名になって結婚して悠々自適に主婦をするって・・・
それなのにアンタはまだ兵器開発をしているの?」
※2:次の発展のためのいとぐちにする事、 またはそのいとぐちとなる事柄。
「貴女も兵器開発は足掛けって言ってましたねぇ・・・
互いに青かった・・・如何です? 足は洗えました?」
「お陰様でね」
「それは良かったですねぇ、 貴女の名前がどの科学雑誌を見ても載って無かったですし
正直消えたのかと思いましたよぉ」
にやにやと笑うシニョン。
「アンタは足掛けから抜けれないみたいね」
「正直に言いますと足掛けと言うよりは留まり続けていた方が良いかもしれませんね」
「何で?」
「兵器開発は思った以上に盛り上がりを見せています、
中国では武術をやるよりも兵器開発に比重を置き始めていますよ
正に現代のゴールドラッシュ、 向こうではかなりの予算が組まれています
要するにこれは名を売るビックチャンス
名を高めて売り続ければ、 良い物件は向こうからやって来る
今でも私は中国の地方領主の方々から見合いを求められていますけども
貴女は如何です? お見合いとか来てますぅ?」
「私は男には興味が無い」
「酸っぱい葡萄※3 ですかぁ?」
「それ、 誤用よ※4」
※3:狐が葡萄を取ろうと奮闘していたが葡萄の戦闘能力の高さから
葡萄を取る事を断念し全身の骨が砕けながらも
『あの葡萄は酸っぱい』と捨て台詞を吐いたという故事成語から来ている。
※4:狐が実は未来予知能力が有ったから実際に酸っぱい事を知っていた。
と言う学説が有る。
「諸説あるでしょ
でも如何だかねぇ、 いずれにせよ
私はもっと名を売って何れは王妃にまで上り詰めるつもりですよ」
「王妃って・・・金目当てじゃない」
「・・・・・結婚に金を求めてはいけませんか?」
シニョンが問いかける。
「当たり前じゃない」
「じゃあ何を求めるべきだと?」
「愛とか」
「うん? 何ですって?」
「だから、 愛とか」
「あぁぁぁぁぁぁぁぁいぃぃぃぃぃぃぃぃぃ?」
煽るシニョン。
「貴女は愛を知って、 いやそもそも心とか分かっていますぅぅぅぅ?」
「分かるに決まっているじゃない
アンタの方こそ殆ど一人で組み立てとかしているじゃない
ぼっちのアンタよりは分かっているわ」
「確かに私は1人が多くて、 貴女は助手を連れていましたねぇぇぇ」
「・・・・・助手じゃなくて研究チームメイトよ」
「そうですかぁぁぁぁぁ、 でもそのチームメイトとやらに研究成果持って行かれましたよねぇぇ」
「てめぇ!!」
ハータが懐から拳銃を向けると同時にシニョンが二丁のマスケット銃をハータに向ける。
「私は拝金主義ですけど、 アンタに否定される筋合いは無いんですよ
アンタの技術力は高いでしょうが消費者のニーズに合っていないし
アンタは私よりも良い勤め先に勤めているけども私の方が有名だし私の方が稼いでいる
アンタと私の性格の良さはギリギリアンタの方が良いかもしれませんが
私の方が見合いを申し込まれている、 アンタが私を煽る資格なんて無いのよ
ヴァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアカッ!!!!!!!」
「・・・・・」
歯軋りをしながら周囲に集まった警備員を察したハータは拳銃を仕舞い
シニョンがマスケット銃を下ろす。
「折角技術力を買って技術省の技術開発班にスカウトに来たのにっ・・・!!」
「スカウトぉぉぉ? 民間の方が儲かる時代なのよ
技術は革新的なのに未だに官営の方が儲かると思っているとは時代錯誤ねぇ
おっと、 警備員の皆さん、 ハータさんはお帰りです、 送ってさしあげて」
「一人で帰れる!!」
ハータはスタスタと去っていった。
「・・・何だったんですか? あの人」
警備員の1人がシニョンに尋ねる。
「賢人なんだけどね、 技術力は高いのに
金に無頓着でコスト無視したヴァカみたいな物作ってボツ喰らっているヴァカな女よ」
「はぁ・・・如何します? 訴えますか?」
「いや、 良い、 訴訟の時間と金の無駄、 それよりも働いた方が儲かるわ」
爆笑しながらも彼女は作業を続行したのだった。
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