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チャプター13:ベトゥレイアル
ガーデン・オブ・アメルハウザー
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「子供と一緒にお茶を飲むのが好きだったの
子供と言ってもとても小さな子供だった・・・
難産の未熟児で・・・・・1歳の誕生日すら迎えらなかったの」
「・・・・・御愁傷様です、 としか言えないね」
ドォルオタとフェザーは美しい庭園でテーブルを囲んでいた。
テーブルにはティーポットとティーカップ。
沢山のビスケットとケーキが乗ったティースタンド※1が乗っていた。
※1:お茶会でお菓子が乗っている3段重ねテーブル。
「で? ここは? 貴方の個人領域?」
「安らぎの庭、 ここでは戦う事は出来ないわ」
「そうらしいですね、 怒りすら抑制されるようです
小さな世界を発動しているのにまさか自由に動けないとは
純粋に驚きましたよ、 まだまだ精進が必要ですね、 しかし・・・」
優雅に茶菓子を食べているドォルオタの指先からは相変わらず血が滴り
目と口からの血も溢れている。
「その状態では長続きしないでしょう」
「もって5分・・・命の保証は無いわね」
「命の保証は出来かねますが、 死の保証しますよ
このまま個人領域を展開し続ければ貴女は死ぬ」
「子より先に死ぬ親が何処にいるの?」
紅茶を啜るドォルオタ。
「・・・子?」
「えぇ・・・母を亡くした子、 子を亡くした母
親子になるにはこれで充分でしょう」
「・・・・・親ならちゃんとした教育を受けさせるべきでしたね
何で子供をマフィアにしたんですか」
「・・・・・」
ドォルオタは懐から髑髏を取り出した。
「この子の父親はね、 貴族でね・・・・・
最低の男だった、 唯一の取柄は美しい庭だけだったと思う
金は充分にあり、 コネも有るのにこの子に適切な治療を受けさせずに殺した
それに関して司法は何もしなかったのよ、 何ら問題は無いとね
裏社会は確かに良い場所では無いけども表社会も大した事無い場所よ
いや、 寧ろ実力主義が罷り通らない、 愚鈍な多数が優秀な少数を虐げる
そういう場所よ」
「ヴォイドは・・・頭が良いヴァカですね・・・
いや、 ヴァカとかそういう次元じゃないですよ
まさかアイツ・・・」
そこまで言って涙を流すフェザー。
「アイツ逃げるなんて・・・・・」
ヴォイドは個人領域を縮小して
自分だけを暴風から身を守りながら逃走したのだった。
「生きていれば良いよ」
「命の代わりに何もかも捨てた、 誇りも名誉も・・・
貴女すら捨てた」
「私は自分からここに残ったのよ」
笑顔でドォルオタは微笑んだ。
「息子の為に命を捨てる・・・・・悪くない気持ちね」
「実子にしてやれば良かったと思うよ」
「そうね、 あの時は自分の身も可愛かった
今思えば愚かな話ね、 親は子よりも速く死ぬのに命を惜しむなんて・・・」
今度はドォルオタが涙を流した。
「こんな女でもあの子は母と呼んでくれるかしら・・・」
「・・・・・僕は孤児だけども、 もし実の両親があの世で待っていたとして
両親が求めれば子として応じるよ」
「捨てられた事を恨んでないの?」
「おやっさんに会えたから、 父親が事実上二人居ると言う事だよ
普通の人よりも余程幸せな人生だと思うよ」
「・・・・・」
ドォルオタは微笑んだ。
庭園がじわじわと崩れ始めた、 そろそろ限界が近いのだろう。
「息子がね、 この庭で自分のお嫁さんと、 子供と過ごして
私はここで安楽椅子にでも座りながら眺めていたい
そういう夢を見ていたの・・・」
「・・・・・」
ころん、 と持っていたティーカップを落としたドォルオタ。
砕け散ったティーカップはホロホロと崩れる。
「二人子供を持てた私も・・・幸せな人生だったのね・・・」
「名を、 聞いても良いですか?」
フェザーは問うた。
ドォルオタは一瞬迷って
「ドォルオタ、 私が末期に名乗るのはその名が良い」
そう言って目を閉じたと同時に何もかもが崩れて元居た平原に戻った。
「フェザーさん!!」
暴風が吹き荒れる中、 戦闘員が尋ねる。
「敵将は逃げました!! 追跡も出来ません!!」
「・・・・・探してももう間に合わないだろう、 ここは一旦囚人を送り届けよう」
「でも馬車が・・・!!」
馬車の大群がやって来る。
来る時間になっても来ないので不安になったカロリングが迎えと兵を送ったのだ。
「・・・・・」
フェザーはカロリングからの迎えで株式会社アルベドの民間刑務所に囚人を送り届けられたのだった。
ヴォイドの名誉を守りたかったフェザーだったが目撃者が多かった為
ヴォイドの事を話し彼は指名手配となった。
この後、 ヒューガルデンの働きで
囚人輸送の情報源として情報を売っていたベルモンド配下の裏切り者4人は捉えられ斬首された。
彼等の土地については一悶着が有るのだが一先ず置いておこう。
こうして後に語られる第一次ハートレス騒乱は幕を下ろした。
子供と言ってもとても小さな子供だった・・・
難産の未熟児で・・・・・1歳の誕生日すら迎えらなかったの」
「・・・・・御愁傷様です、 としか言えないね」
ドォルオタとフェザーは美しい庭園でテーブルを囲んでいた。
テーブルにはティーポットとティーカップ。
沢山のビスケットとケーキが乗ったティースタンド※1が乗っていた。
※1:お茶会でお菓子が乗っている3段重ねテーブル。
「で? ここは? 貴方の個人領域?」
「安らぎの庭、 ここでは戦う事は出来ないわ」
「そうらしいですね、 怒りすら抑制されるようです
小さな世界を発動しているのにまさか自由に動けないとは
純粋に驚きましたよ、 まだまだ精進が必要ですね、 しかし・・・」
優雅に茶菓子を食べているドォルオタの指先からは相変わらず血が滴り
目と口からの血も溢れている。
「その状態では長続きしないでしょう」
「もって5分・・・命の保証は無いわね」
「命の保証は出来かねますが、 死の保証しますよ
このまま個人領域を展開し続ければ貴女は死ぬ」
「子より先に死ぬ親が何処にいるの?」
紅茶を啜るドォルオタ。
「・・・子?」
「えぇ・・・母を亡くした子、 子を亡くした母
親子になるにはこれで充分でしょう」
「・・・・・親ならちゃんとした教育を受けさせるべきでしたね
何で子供をマフィアにしたんですか」
「・・・・・」
ドォルオタは懐から髑髏を取り出した。
「この子の父親はね、 貴族でね・・・・・
最低の男だった、 唯一の取柄は美しい庭だけだったと思う
金は充分にあり、 コネも有るのにこの子に適切な治療を受けさせずに殺した
それに関して司法は何もしなかったのよ、 何ら問題は無いとね
裏社会は確かに良い場所では無いけども表社会も大した事無い場所よ
いや、 寧ろ実力主義が罷り通らない、 愚鈍な多数が優秀な少数を虐げる
そういう場所よ」
「ヴォイドは・・・頭が良いヴァカですね・・・
いや、 ヴァカとかそういう次元じゃないですよ
まさかアイツ・・・」
そこまで言って涙を流すフェザー。
「アイツ逃げるなんて・・・・・」
ヴォイドは個人領域を縮小して
自分だけを暴風から身を守りながら逃走したのだった。
「生きていれば良いよ」
「命の代わりに何もかも捨てた、 誇りも名誉も・・・
貴女すら捨てた」
「私は自分からここに残ったのよ」
笑顔でドォルオタは微笑んだ。
「息子の為に命を捨てる・・・・・悪くない気持ちね」
「実子にしてやれば良かったと思うよ」
「そうね、 あの時は自分の身も可愛かった
今思えば愚かな話ね、 親は子よりも速く死ぬのに命を惜しむなんて・・・」
今度はドォルオタが涙を流した。
「こんな女でもあの子は母と呼んでくれるかしら・・・」
「・・・・・僕は孤児だけども、 もし実の両親があの世で待っていたとして
両親が求めれば子として応じるよ」
「捨てられた事を恨んでないの?」
「おやっさんに会えたから、 父親が事実上二人居ると言う事だよ
普通の人よりも余程幸せな人生だと思うよ」
「・・・・・」
ドォルオタは微笑んだ。
庭園がじわじわと崩れ始めた、 そろそろ限界が近いのだろう。
「息子がね、 この庭で自分のお嫁さんと、 子供と過ごして
私はここで安楽椅子にでも座りながら眺めていたい
そういう夢を見ていたの・・・」
「・・・・・」
ころん、 と持っていたティーカップを落としたドォルオタ。
砕け散ったティーカップはホロホロと崩れる。
「二人子供を持てた私も・・・幸せな人生だったのね・・・」
「名を、 聞いても良いですか?」
フェザーは問うた。
ドォルオタは一瞬迷って
「ドォルオタ、 私が末期に名乗るのはその名が良い」
そう言って目を閉じたと同時に何もかもが崩れて元居た平原に戻った。
「フェザーさん!!」
暴風が吹き荒れる中、 戦闘員が尋ねる。
「敵将は逃げました!! 追跡も出来ません!!」
「・・・・・探してももう間に合わないだろう、 ここは一旦囚人を送り届けよう」
「でも馬車が・・・!!」
馬車の大群がやって来る。
来る時間になっても来ないので不安になったカロリングが迎えと兵を送ったのだ。
「・・・・・」
フェザーはカロリングからの迎えで株式会社アルベドの民間刑務所に囚人を送り届けられたのだった。
ヴォイドの名誉を守りたかったフェザーだったが目撃者が多かった為
ヴォイドの事を話し彼は指名手配となった。
この後、 ヒューガルデンの働きで
囚人輸送の情報源として情報を売っていたベルモンド配下の裏切り者4人は捉えられ斬首された。
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