更新休止【異世界ファンタジー追放ざまぁハーレム主人公チート】デュエリスト・イン・ザ・ブロークンワールド【注釈付き】

チャプター10:アイ・ディデゥント・ゲット・ザ・メモ

ウルフ・テイル④

【ベネルクス神武五流派】の廃止が【餓狼剣】を襲った。
残っている流派が3つのみでまともに運営しているとは言い難い状況だったからである。
これにより【ベネルクス神武五流派】のブランドが無くなり
【餓狼剣】に参加したがる門下生が減ってしまった。

ストレイドッグは今の状況はミーハーな連中相手に
金を貰って剣術ごっこさせているだけと非難し
【ベネルクス神武五流派】の看板と言う強さには全く関係の無い物が重要になっている事は
可笑しいと主張。
ノスルも軟弱な新入り達に辟易とし始めたのでストレイドッグの意見に賛同する。

しかしながらハーミットとビッグジョイは自身に賛同する門下生達の数の多さでゴリ押しする。
荒稼ぎした金もばら撒きながら、　なりふり構わなくなって来ていた。

ハーミットとビッグジョイの経営方法は倫理的に間違っているし
武術流派としても間違っているが、　利益は一応上げている。
上げてはいるがやはり【ベネルクス神武五流派】ブランドが無くなった事が
じわりじわりと効いて来たのだった。

日々目減りする利益にハーミットとビッグジョイは焦り始めた。
そしてとうとう二人は禁忌を犯したのだった。


7628年、　ハーミット人身売買容疑で逮捕。
奴隷としての販売では無く臓器や人体のパーツの売買に加担し
国外の犯罪組織を四狼街に招き入れたとして処刑。

翌年7629年、　ビッグジョイ四狼から除籍。
理由としてハーミットの処刑に対して自身の立場が危うくなったと判断した彼は
【餓狼剣】の資産を使って商売を始めた。
擦り切れたブランドイメージを使っての様々な商売。
経営は順調だったが振込金が足らずに四狼街の土地を勝手に売買した事を咎められたのだった。
本来は横領で逮捕案件だが始めた商売がそこそこ順調だったので
事業の譲渡すればお咎め無しにすませたのだった。


四狼が二人居なくなったが、　ビッグジョイの置き土産の事業はそれなりに収益を出し続けた。
事業は後に【四狼商業ギルド】と名付けられて【餓狼剣】の収入源となった。

その後、　立て直しが始まった。
四狼も古株でストレイドッグの師匠でもあるギルデロイ。
新参者の中でも最も筋が良いドイツ人剣豪トレッファーの二人を入れて再結成された。

そして時は流れ7655年にセイバーダート男爵家からストレイドッグに
臣下として迎え入れたいという誘いが有った。
当時のセイバーダート男爵家は領内の代官達による食料の買い占めと
それに伴う不正な価格のつり上げと言う不正を犯したので
不正に手を貸した代官達を投獄した為、　家臣が居なくなってしまった。
それ故に四狼として【餓狼剣】を守っていたストレイドッグに白羽の矢が立ったのだ。
【四狼商業ギルド】も順調だったが長い間、　【四狼街】を離れる訳に行かず
一時的な措置としてセイバーダート男爵家に臣下として加わる事になった。

当時のセイバーダート男爵家は平民贔屓と呼ばれていた優男で
彼の家臣の半分は平民で騎士受勲をする者も何人も居た。
ストレイドッグは武官よりも寧ろ文官として活躍したのだった。

平穏無事にストレイドッグは過ごしていたがある日の事。
彼が処理していた書類に不備が有った。
書類の内容は食料の備蓄を民衆に開放する、　という内容の物だったが
これには本来所即している門閥の長であるハウバリン公爵の許可が必要だったのだが
許可が下りておらず、　セイバーダート男爵の許可のみが有った。
彼はこの事を上司でありセイバーダート男爵から重用されていたグズムンドと言う
粗野な風貌の騎士にその事を指摘したのだった。
グズムンドはその書類を受取り、　その場を立ち去った。

数日後、　グズムンドに呼び出されたストレイドッグ。
過日の書類はセイバーダート男爵の不正の証拠であり
それに気が付いてしまった自分達二人は命の危険がある。
その為に早急にこの事実を告発しなければならない。
グズムントに言われるがままに告発の準備を行ったストレイドッグ。
準備ができ次第グズムントと共にブリュッセルに乗り込む。
グズムントとストレイドッグによりセイバーダート男爵はその座を追われ
グズムントがセイバーダート男爵を継いだが改名しセイバーダー男爵となったのだった。
ストレイドッグはこの後、　【四狼街】の代官となった。
こうする事でストレイドッグはセイバーダー男爵の臣下で有るとともに
【四狼街】に留まる事が出来る様になったのであった。

セイバーダーは【餓狼剣】を高く評価しており
【四狼街】にも惜しみない支援を行っていた。
これにより【四狼街】はかつての賑わいを取り戻していた。
しかしながら【餓狼剣】はまだ復興を見せていなかった。
ギルデロイは子供達にも積極的に【餓狼剣】を教えようと試みたが
義務教育が有るので無茶は出来ず、　セイバーダー直々に注意された
これで大人しくなると思わせておいてギルデロイは出生届け等の
書類を偽造し子供達が法的に存在しない事にして無理矢理剣を教え込もうとした。

セイバーダーがまたしてもキレたのは言うまでもない。