上 下
184 / 495
チャプター9:キラー・クイーン

ブレイク・アップ・ウィズ・フレンド

しおりを挟む
再誕歴7701年ディセンバー2日。

白熱した議論の末に【Nature Guard Army】【Avenger wise man】【Noreturn Yesterday】
【I,m Intelligence】【CurePretty】【AtoZアタック・ザ・ズー】の6団体トップと
アーベントロートによる多数決の結果、 反対5, 賛成0、 棄権2と言う結果になり
ハウバリン公爵殺害は見送られた。

「我々は俗に言えば少数派では無いか、 その少数派が多数決を取ると言うのは
聊か納得しがたい」

ダブルプラスディザスターは不満気にする。

「確かに私達は少数派マイノリティだけども流石に厳しいでしょう」
「と言うかハウバリン公爵を殺すのに何の意味が有るんだ?」
「そうそう、 ベネルクス政府の不評を買うのは必至だろう
テロリストになるつもりはない」
「まぁすべてぶちこわしたいきもちはわからなくもない」
「確かにそうだ・・・だが・・・」
「世間では【Nature Guard Army】はエコテロリストと呼ばれている、 今更だ」
「ダブルプラス、 あんまりそう言う事は言わないでくれ」

ダッグが溜息を吐く。

「結果としてテロになるのとテロを目的に行動するのは違うだろう」
「・・・・・ちょっと良いかダッグ」

ダッグを連れて少し離れた所で語り掛けるダブルプラスディザスター。

「何だよ」
「幾ら何でも人数が多過ぎるだろ」
「・・・・・何の問題が有る?」
「こんな大人数を動かした経験は?」
「・・・無い、 俺達の【Nature Guard Army】は500人位だ」
「甘く見積もってもこいつらは5,6000人は軽く超すぞ?
そんな大人数を動かせるのか?」
「いや、 それは」
「無理だ、 こんな大人数直ぐに瓦解する
だったらハウバリン公爵に当てて数を減らして貰おう
半分以下位にはなるだろう」
「・・・仲間を殺そうと言うのか?」
「仲間? ふん、 互いに利用し合っている間柄だろう
こんな大人数の集団100日もかからず崩壊するだろう
何れにせよ、 速攻でやるしかない」
「・・・・・」

汗を流すダッグ。

「良いか、 ここでハウバリンを殺して政治的混乱を起こし
政治的空白を作り出して我々の特区を作れば良い
後は順次浸食して行けば良いだろう、 連中の中には腹を括っていない者も多い
ここで腹を括らせろ」
「・・・・・いや、 流石に無理だ、 駄目だ
利用し合っている間柄とは言え仲間を犠牲にしたくはない
ダブルプラスだって元々は仲間の為に・・・・・戦っているのだろう?」
「あぁ、 その通りだ
だがお前も仲間だ、 だからこそ負ける戦いはさせたくない」
「・・・・・」

瞑目するダッグ。

「すまない、 無理だ」
「もしもハウバリン襲撃をしないと言うのならば私と実働部隊は抜けさせて貰う」
「なっ・・・」

ダッグがダブルプラスディザスターを見やる。

「負け戦に娘達を連れて行く訳にはいかない」
「・・・・・分かった、 だがこの戦いが終わり解放特区が樹立したのならば
戻って来てくれるだろうか?」
「いや、 多分お前は負ける、 牢屋に捕まるか
ベネルクス王国か他の五団体あの連中の誰かに殺されるかのどちらかだよ」
「・・・・・」


画して【Nature Guard Army】リーダーダッグと
実働部隊とそのリーダー、 ダブルプラスディザスターは今生の別れとなったのだった。
後にダブルプラスディザスターとその実動部隊は【赤嵐連盟】と呼ばれる武装勢力になり
後世に影響を残すのだがそれはまた別の話である。

【Nature Guard Army】【Avenger wise man】【Noreturn Yesterday】
【I,m Intelligence】【CurePretty】【AtoZアタック・ザ・ズー
この6つの団体は各地に散らばり活動を始めたのだった。

【ハウバリン公爵門閥内同時多発的抗議活動】と呼ばれる事件の始まりである。
後にこの面子が協力し合っていると聞いた者の中には
本気でベネルクス王国がひっくり返される危険性があると感じたと言う。
【Noreturn Yesterday】【I,m Intelligence】は大手新聞社や貴族とのコネクションがあり
【Nature Guard Army】【Avenger wise man】は実働戦力が有り
【CurePretty】にはアーベントロート、 そしてベネルクス王国の民部大臣※1 とのコネクション
AtoZアタック・ザ・ズー】には亜人権力者へのコネクションがそれぞれあった。


※1:ベネルクス王国の大臣職の一つ、 主に民間への支援を決定する。
近年新設された大臣の一つである。


コネをフル活用し相手を攻撃し
新聞社で自分達の批判を封じて逆に批判し返す
そう言うロジックで戦えば本当に国家転覆迄成し得たかもしれない。
しかしながら彼等は一枚岩では無かったのだ、 それが彼等の運命を大きく分けたのだった。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

職業・「観客」ゥ!?

花山オリヴィエ
ファンタジー
主人公「イツキ」はマンガやアニメ、小説などみることが大好き。ある日、舞台を見ている最中の事故で異世界へ。そこはファンタジーの世界で、与えられた職業は戦士でも魔法使いでもなく「観客」ゥ!? 実際に生きていくのは大変で…… でも気のいい仲間と共に生活すると、幻想の動物や魔物、剣と魔法の世界で、見るものは新しく、食べるものは美味極まりない! そして見ているだけですべてが完結って本当ですか!?  注意)本作では主人公のチートスキルによる無双は登場しません。 第1部完了。 物語はまだ続きます。 鋭意執筆中で御座います。 ◆皆様からのご支援を頂き感謝しております。◆ いいね や エール機能は非常に有難く、モチベーションの向上につながります。 誤字脱字や指摘に関しては近況ボード等でご指摘いただけますと幸いです。

スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活

昼寝部
ファンタジー
 この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。  しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。  そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。  しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。  そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。  これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。

11 Girl's Trials~幼馴染の美少女と共に目指すハーレム!~

武無由乃
ファンタジー
スケベで馬鹿な高校生の少年―――人呼んで”土下座司郎”が、神社で出会った女神様。 その女神様に”11人の美少女たちの絶望”に関わることのできる能力を与えられ、幼馴染の美少女と共にそれを救うべく奔走する。 美少女を救えばその娘はハーレム入り! ―――しかし、失敗すれば―――問答無用で”死亡”?! 命がけの”11の試練”が襲い来る! 果たして少年は生き延びられるのか?! 土下座してる場合じゃないぞ司郎!

異世界でぺったんこさん!〜無限収納5段階活用で無双する〜

KeyBow
ファンタジー
 間もなく50歳になる銀行マンのおっさんは、高校生達の異世界召喚に巻き込まれた。  何故か若返り、他の召喚者と同じ高校生位の年齢になっていた。  召喚したのは、魔王を討ち滅ぼす為だと伝えられる。自分で2つのスキルを選ぶ事が出来ると言われ、おっさんが選んだのは無限収納と飛翔!  しかし召喚した者達はスキルを制御する為の装飾品と偽り、隷属の首輪を装着しようとしていた・・・  いち早くその嘘に気が付いたおっさんが1人の少女を連れて逃亡を図る。  その後おっさんは無限収納の5段階活用で無双する!・・・はずだ。  上空に飛び、そこから大きな岩を落として押しつぶす。やがて救った少女は口癖のように言う。  またぺったんこですか?・・・

スキル間違いの『双剣士』~一族の恥だと追放されたが、追放先でスキルが覚醒。気が付いたら最強双剣士に~

きょろ
ファンタジー
この世界では5歳になる全ての者に『スキル』が与えられる――。 洗礼の儀によってスキル『片手剣』を手にしたグリム・レオハートは、王国で最も有名な名家の長男。 レオハート家は代々、女神様より剣の才能を与えられる事が多い剣聖一族であり、グリムの父は王国最強と謳われる程の剣聖であった。 しかし、そんなレオハート家の長男にも関わらずグリムは全く剣の才能が伸びなかった。 スキルを手にしてから早5年――。 「貴様は一族の恥だ。最早息子でも何でもない」 突如そう父に告げられたグリムは、家族からも王国からも追放され、人が寄り付かない辺境の森へと飛ばされてしまった。 森のモンスターに襲われ絶対絶命の危機に陥ったグリム。ふと辺りを見ると、そこには過去に辺境の森に飛ばされたであろう者達の骨が沢山散らばっていた。 それを見つけたグリムは全てを諦め、最後に潔く己の墓を建てたのだった。 「どうせならこの森で1番派手にしようか――」 そこから更に8年――。 18歳になったグリムは何故か辺境の森で最強の『双剣士』となっていた。 「やべ、また力込め過ぎた……。双剣じゃやっぱ強すぎるな。こりゃ1本は飾りで十分だ」 最強となったグリムの所へ、ある日1体の珍しいモンスターが現れた。 そして、このモンスターとの出会いがグレイの運命を大きく動かす事となる――。

絶対防御とイメージ転送で異世界を乗り切ります

真理亜
ファンタジー
有栖佑樹はアラフォーの会社員、結城亜理須は女子高生、ある日豪雨に見舞われた二人は偶然にも大きな木の下で雨宿りする。 その木に落雷があり、ショックで気を失う。気がついた時、二人は見知らぬ山の中にいた。ここはどこだろう? と考えていたら、突如猪が襲ってきた。危ない! 咄嗟に亜理須を庇う佑樹。だがいつまで待っても衝撃は襲ってこない。 なんと猪は佑樹達の手前で壁に当たったように気絶していた。実は佑樹の絶対防御が発動していたのだ。 そんな事とは気付かず、当て所もなく山の中を歩く二人は、やがて空腹で動けなくなる。そんな時、亜理須がバイトしていたマッグのハンバーガーを食べたいとイメージする。 すると、なんと亜理須のイメージしたものが現れた。これは亜理須のイメージ転送が発動したのだ。それに気付いた佑樹は、亜理須の住んでいた家をイメージしてもらい、まずは衣食住の確保に成功する。 ホッとしたのもつかの間、今度は佑樹の体に変化が起きて... 異世界に飛ばされたオッサンと女子高生のお話。 ☆誤って消してしまった作品を再掲しています。ブックマークをして下さっていた皆さん、大変申し訳ございません。

性的に襲われそうだったので、男であることを隠していたのに、女性の本能か男であることがバレたんですが。

狼狼3
ファンタジー
男女比1:1000という男が極端に少ない魔物や魔法のある異世界に、彼は転生してしまう。 街中を歩くのは女性、女性、女性、女性。街中を歩く男は滅多に居ない。森へ冒険に行こうとしても、襲われるのは魔物ではなく女性。女性は男が居ないか、いつも目を光らせている。 彼はそんな世界な為、男であることを隠して女として生きる。(フラグ)

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

処理中です...