上 下
153 / 495
チャプター7:ファイブ・ZAMXaww・ストーリー

アンエクスパクド

しおりを挟む
闘技場の選手控え室にてエヴォルハウフトは思案していた。

自身が戦う相手マーマレードとの対決をシュミレートしていた。
社内決闘者序列9位【要塞縛り】S級決闘者マーマレード。
ブラック・シンゲツ・コーポレーションでは現状唯一のS級決闘者で
フェザーと共にシンゲツ・バロッグの薫陶を受けた孤児でもある。
ウィルパワーで操ったロープを使って相手を拘束すると言う戦術を使う。
ロープはウィルパワーを吸って伸びていき、 時間が立てば立つ程決闘場はロープ塗れになり
相手を拘束して勝つと言う戦術である、 拘束して動けなくなれば勝ったも同然。

「ふっ、 こんな戦術で私に勝てると思っているのか?」

エヴォルハウフトは1人笑った。
エヴォルハウフトは日本の風呂家と言う家系の生まれである。
とは言っても風呂家の分家の分家よりも遠い家系ではある。
しかしながら風呂家は特殊なウィルパワー運用法を持っており
平時は左程ウィルパワーは無く皆無と言って良いが戦闘時に徐々に増大するという
『風呂釜式意志力増幅法』と言う正に耐久戦に打ってつけの技を持っている。
時間が立てば立つ程有利に戦える点ではエヴォルハウフトもマーマレードも条件は一緒である。
更に言うのならばエヴォルハウフトの武器は剣である。
ロープよりも剣の方が強いのは明らかである。

「マーマレード相手に勝てば私の評価も上がる
更にビーストかフェザー、 勝ち上がった者と戦って勝てば序列入りも夢ではない」

ふふ、 と笑うエヴォルハウフト。

「風呂さん、 出番です」
「分かった」

係員の呼び声で控え室から出るエヴォルハウフト。

闘技場に出ると歓声が響く。

「さああああああああああああああああああああああああああああああ
第四回戦は意味の分からん苗字だが実力は折り紙付き!!
ブラック・シンゲツ・コーポレーション内では序列持ちに最も近いとされる男!!
風呂 エヴォォォォォォォォォルハウフトォォォォォォォォ!!
データ至上主義の彼に対するのは今トーナメントの紅一点!!
ブラック・シンゲツ・コーポレーション社内決闘者序列9位!!
【要塞縛り】S級決闘者マァァァァァァァァァァマレェェェェェェド」

マーマレードはその場に突っ立っていた。
ふわりとしたツインテールに貴族か何処かの姫が着る様な高価なドレスを見に纏いながらも
両手からロープが伸びて地面に垂れている。

「ふっ、 相変わらず良く分からない恰好をしている・・・」
「では試合開始イイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイ!!」

わああああ、 と歓声が響く。
エヴォルハウフトは剣を抜きマーマレードに向かう。

「参ります!! っ!?」

エヴォルハウフトは動けなかった。

「何だ!? こ、 これは!?」

地面からロープが生えて自分を縛っている!!
否、 これは!!

「地面からロープ突き出ている!? 何だと!?」

地面がバキバキと崩れロープが浮き上がる。
マーマレードはロープを操って地面にロープを潜り込ませて操ってエヴォルハウフトを縛ったのだ。

「こんな物!! っ!!」

エヴォルハウフトはロープを切ろうとしたが時すでに遅く。
ロープは吊り下がる様にどんどん上に伸び、 エヴォルハウフトもどんどん上に上がり。
既に10mの高さにまでなっている。
この状態でロープを切るのは10mの落下と言う結果を産む。
10mからの落下で致命的なダメージにはならないだろうが
10m落下すると言う事は10m落下するまで無防備になると言う事である。
これほど長い隙を産む状況に追い込まれれば最早敗北したと言っても良いだろう。

「私の負けだ!! 【Fワード】!!」

呆気無い幕引きとなった。
エヴォルハウフトはこの後、 ロープを離され地面に激突したが事無きを得た。






カジノ・アタリメ本館闘技場VIP観客席。

「うーん、 あっさりと負けてしまったなぁ・・・」

ガトーはふわっ、 と欠伸をした。

「じゃあラストあの娘っ子とフェザーの勝負だけど、 俺は1000万賭けるよ」
「いや、 もう止めておいた方が良いでしょ」

エイミーが制止する。

「ほぅ、 怖気づきましたか?」
「侯爵令息!! 異国の姫君に無礼ではありませんか!?」

サンが制止する。

「構わないよ、 そもそもだ賭け事と言う物は初体験故に色々遊んだが・・・
やはり音楽とか歌劇の方が私は好きだな、 と思う訳だ」
「はぁ・・・」
「今回は賭けずに見て楽しむ事に注力してみるのは如何だろうか?
そうすれば賭けずとも楽しめると思う」
「そうでしょうか?」
「S級決闘者同士の戦いだ、 軟弱な事にはならないだろう」
「・・・・・確かに見世物としては最上ですな」

サンは見世物と言う発言に対して不快に感じたが突っ込むことはしなかった。

「良いでしょう、 今回は黙って見る事にしますか」
「で、 ですが私は如何しましょうか・・・補填をしなければならないですし・・・」

マーブルが狼狽える。
勝たなければ損失は埋まらないのだ。

「じゃあ適当に誰かと賭けて来れば良いのではないです?
決勝戦ですし受ける奴は多いでしょう」
「そ、 そうします・・・」
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活

昼寝部
ファンタジー
 この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。  しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。  そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。  しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。  そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。  これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。

異世界でぺったんこさん!〜無限収納5段階活用で無双する〜

KeyBow
ファンタジー
 間もなく50歳になる銀行マンのおっさんは、高校生達の異世界召喚に巻き込まれた。  何故か若返り、他の召喚者と同じ高校生位の年齢になっていた。  召喚したのは、魔王を討ち滅ぼす為だと伝えられる。自分で2つのスキルを選ぶ事が出来ると言われ、おっさんが選んだのは無限収納と飛翔!  しかし召喚した者達はスキルを制御する為の装飾品と偽り、隷属の首輪を装着しようとしていた・・・  いち早くその嘘に気が付いたおっさんが1人の少女を連れて逃亡を図る。  その後おっさんは無限収納の5段階活用で無双する!・・・はずだ。  上空に飛び、そこから大きな岩を落として押しつぶす。やがて救った少女は口癖のように言う。  またぺったんこですか?・・・

スキル間違いの『双剣士』~一族の恥だと追放されたが、追放先でスキルが覚醒。気が付いたら最強双剣士に~

きょろ
ファンタジー
この世界では5歳になる全ての者に『スキル』が与えられる――。 洗礼の儀によってスキル『片手剣』を手にしたグリム・レオハートは、王国で最も有名な名家の長男。 レオハート家は代々、女神様より剣の才能を与えられる事が多い剣聖一族であり、グリムの父は王国最強と謳われる程の剣聖であった。 しかし、そんなレオハート家の長男にも関わらずグリムは全く剣の才能が伸びなかった。 スキルを手にしてから早5年――。 「貴様は一族の恥だ。最早息子でも何でもない」 突如そう父に告げられたグリムは、家族からも王国からも追放され、人が寄り付かない辺境の森へと飛ばされてしまった。 森のモンスターに襲われ絶対絶命の危機に陥ったグリム。ふと辺りを見ると、そこには過去に辺境の森に飛ばされたであろう者達の骨が沢山散らばっていた。 それを見つけたグリムは全てを諦め、最後に潔く己の墓を建てたのだった。 「どうせならこの森で1番派手にしようか――」 そこから更に8年――。 18歳になったグリムは何故か辺境の森で最強の『双剣士』となっていた。 「やべ、また力込め過ぎた……。双剣じゃやっぱ強すぎるな。こりゃ1本は飾りで十分だ」 最強となったグリムの所へ、ある日1体の珍しいモンスターが現れた。 そして、このモンスターとの出会いがグレイの運命を大きく動かす事となる――。

性的に襲われそうだったので、男であることを隠していたのに、女性の本能か男であることがバレたんですが。

狼狼3
ファンタジー
男女比1:1000という男が極端に少ない魔物や魔法のある異世界に、彼は転生してしまう。 街中を歩くのは女性、女性、女性、女性。街中を歩く男は滅多に居ない。森へ冒険に行こうとしても、襲われるのは魔物ではなく女性。女性は男が居ないか、いつも目を光らせている。 彼はそんな世界な為、男であることを隠して女として生きる。(フラグ)

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

女神から貰えるはずのチート能力をクラスメートに奪われ、原生林みたいなところに飛ばされたけどゲームキャラの能力が使えるので問題ありません

青山 有
ファンタジー
強引に言い寄る男から片思いの幼馴染を守ろうとした瞬間、教室に魔法陣が突如現れクラスごと異世界へ。 だが主人公と幼馴染、友人の三人は、女神から貰えるはずの希少スキルを他の生徒に奪われてしまう。さらに、一緒に召喚されたはずの生徒とは別の場所に弾かれてしまった。 女神から貰えるはずのチート能力は奪われ、弾かれた先は未開の原生林。 途方に暮れる主人公たち。 だが、たった一つの救いがあった。 三人は開発中のファンタジーRPGのキャラクターの能力を引き継いでいたのだ。 右も左も分からない異世界で途方に暮れる主人公たちが出会ったのは悩める大司教。 圧倒的な能力を持ちながら寄る辺なき主人公と、教会内部の勢力争いに勝利するためにも優秀な部下を必要としている大司教。 双方の利害が一致した。 ※他サイトで投稿した作品を加筆修正して投稿しております

2年ぶりに家を出たら異世界に飛ばされた件

後藤蓮
ファンタジー
生まれてから12年間、東京にすんでいた如月零は中学に上がってすぐに、親の転勤で北海道の中高一貫高に学校に転入した。 転入してから直ぐにその学校でいじめられていた一人の女の子を助けた零は、次のいじめのターゲットにされ、やがて引きこもってしまう。 それから2年が過ぎ、零はいじめっ子に復讐をするため学校に行くことを決断する。久しぶりに家を出る決断をして家を出たまでは良かったが、学校にたどり着く前に零は突如謎の光に包まれてしまい気づいた時には森の中に転移していた。 これから零はどうなってしまうのか........。 お気に入り・感想等よろしくお願いします!!

神速の成長チート! ~無能だと追い出されましたが、逆転レベルアップで最強異世界ライフ始めました~

雪華慧太
ファンタジー
高校生の裕樹はある日、意地の悪いクラスメートたちと異世界に勇者として召喚された。勇者に相応しい力を与えられたクラスメートとは違い、裕樹が持っていたのは自分のレベルを一つ下げるという使えないにも程があるスキル。皆に嘲笑われ、さらには国王の命令で命を狙われる。絶体絶命の状況の中、唯一のスキルを使った裕樹はなんとレベル1からレベル0に。絶望する裕樹だったが、実はそれがあり得ない程の神速成長チートの始まりだった! その力を使って裕樹は様々な職業を極め、異世界最強に上り詰めると共に、極めた生産職で快適な異世界ライフを目指していく。

処理中です...