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チャプター6:ぺドルズ・クライミング・ゼアー・シェア
ミーティング・オブ・ユニバース・アンド・アース
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暗い暗い宇宙。
通常の通信モノリスの通信ルームでは無いEUDMO専用の通信ルームにて
1000人の立会人達が佇んでいる。
「ヨーロッパ連合じゃない所の決闘を我々が仕切るのは可能なのか?」
ルーム内の立会人№707が尋ねる。
「未開の文明人の決闘なんて見たくないね、 闘犬※1 と同じだ」
※1:犬を戦わせる事。
立会人№112が悪態を吐く。
「闘犬も闘犬で見所が有る」
「未開人にも見所が有る」
「そもそも我々からすればヨーロッパの連中も未開人だ」
立会人達が勝手に喋り始める。
「法的根拠として介入は出来るのだろうか?」
立会人№598が疑問を定義する。
「ヨーロッパ連合外との決闘においてヨーロッパ連合内で規定された決闘法を
ヨーロッパ連合外の国家が順守する義務は無いだろう、 立ち会う必要は無い」
立会人№009が見解を述べる。
「待て、 自称新制フランク王国はヨーロッパ連合への加盟を宣言している
それならば決闘法の範疇に入るのではないだろうか?」
「自称しているだけだ、 連合に入ったと確定していない」
立会人№007の見解を否定する立会人№013
「だがしかし」
立会人№001の言葉に注目する立会人達。
「戦争になってしまうのは面白くない、 そう思うだろう?」
「確かに」
「雑多な殺し合いは沢山だ」
「面白味が無いのは分かる」
「戦争も胸が透くと思うけど?」
「決闘での殺し合いの方が生物としての力量は上がるだろう」
概ね、 戦争になるよりは決闘の方がマシと言う考えになった。
「ここは我々が新制フランク王国とオーストリア帝国とリヒテンシュタイン公国の間に立ち
決闘の仲介を行い、 決闘後に結果を順守させる様に介入すれば良い」
「リヒャルト連合議長が良い顔しなさそうだけどなぁ?」
№002が茶々を入れる。
「奴なんて所詮は人間共の管理人に過ぎない」
「人間が居なかったらつまらないだろうが」
「だとしたら尚更、 決闘に持って行くべきだろう
戦争が起これば多くの人が死ぬぞ?」
「ふん、 まぁ調整を進めようか、 話を詰めるぞ」
あーだこーだ立会人達は話を詰め始めた。
「?」
立会人№999が不意にきょろきょろし始めた。
「如何した?」
「いや、 誰かに盗み聞きされている様な・・・」
「まっさかぁ、 この場所を盗み聞き出来る奴なんて
我々よりも高次存在位しか居ないじゃないか」
「それもそうか」
地上、 ベネルクス王国首都国王直轄領ブリュッセル。
とあるサロンにてカリオストロとカロリングが
電極が差してある一枚の模様が書いてある板の電極を持っていた。
「・・・・・如何やら立会人共はフランク、 オーストリア、 リヒテンシュタインの
決闘をさせる方向に進むようですな」
「そのようですね」
電極から手を離した二人。
この訳の分からん装置はヒエロニムスマシンである。
流石に注釈に任せる訳には行かないので解説するが
このヒエロニムスマシンはエロプティック・エネルギーと言う物質から放射されるエネルギーを
燃料として動く機械である、 機械と言っても彼等が使っている物には電極以外には
機械部品は使われていない、 基本的には模様の書いてある板である。
この小説を書いている私の頭が狂った訳ではない。
ヒエロニムスマシンは回路図だけでも動く代物である。
分かりやすくファンタジーで例えるのならば魔方陣の様な物と捉えると分かりやすいかもしれない。
彼等二人はエロプティック・エネルギーだけでは無くウィルパワーも注ぎ込む事で出力を上げ
立会人達の会話を盗聴する事に成功したのだった。
「・・・・・話を一旦整理しましょう、 私達の本来の作戦ではチーズの手下の決闘者に
ヘルヴェティア・・・いや、 フランク王国で決闘を行わせて
決闘に対して守る義務が無いと憤慨する連中に手下の決闘者を殺させて
怒ったチーズがフランク王国にケジメをつけて制圧する
という流れでしたね?」
「そうね、 その為にミソカにフランク王国内の資産を避難させた
チーズのフランク王国制圧はやや無理のある話だけども
ヨーロッパ連合に属さない国を制圧した所で連合には関係の無い話
最終的には色々と領土割譲はあるでしょうが最低限必要な土地は手に入る筈」
「しかしながら今回の出来事は貴女の息子がやらかしてしまった・・・
これは貴女の指示では無い?」
「当然でしょう、 アレは父親とは違って人を助けようと真摯に思える良い子ですが
ヴァカな上に反抗期、 私の言う事を聞きやしない」
「信じますよ、 あんなヴァカな演説をしたんですからね
貴女ならばもっとマシにやるでしょう、 しかしながら息子を見張る事も出来ないのは如何かと」
「貴方にも失点は有る、 そんなに責めないで下さい」
「失点? 私に?」
嗤うカリオストロ。
「エルダーストーンの回収を失敗したじゃないですか」
「工作員のマンティスを送り込みましたがまさか失敗するとは想定外でした
奴は始末しましたが」
「何と、 彼はそれなりに強かったと記憶していますが?」
「失敗した奴に席を譲るつもりはない
しかし背後にドラゴヴァニアやエルダーストーンの回収を邪魔したトリニティー一味が居るとは
想定外でしたな、 互いに」
「ロックとやらの目的も掴めない・・・一体如何するつもりだ?」
「ロックもそうですがチーズも勝手に動いたのが気になりますね・・・」
「アイツは好かぬ、 我々の目的を理解しているのか?
土地の取得に動いているのか?」
「私達も動くべきでしょう」
「だな・・・準備を始めようか」
通常の通信モノリスの通信ルームでは無いEUDMO専用の通信ルームにて
1000人の立会人達が佇んでいる。
「ヨーロッパ連合じゃない所の決闘を我々が仕切るのは可能なのか?」
ルーム内の立会人№707が尋ねる。
「未開の文明人の決闘なんて見たくないね、 闘犬※1 と同じだ」
※1:犬を戦わせる事。
立会人№112が悪態を吐く。
「闘犬も闘犬で見所が有る」
「未開人にも見所が有る」
「そもそも我々からすればヨーロッパの連中も未開人だ」
立会人達が勝手に喋り始める。
「法的根拠として介入は出来るのだろうか?」
立会人№598が疑問を定義する。
「ヨーロッパ連合外との決闘においてヨーロッパ連合内で規定された決闘法を
ヨーロッパ連合外の国家が順守する義務は無いだろう、 立ち会う必要は無い」
立会人№009が見解を述べる。
「待て、 自称新制フランク王国はヨーロッパ連合への加盟を宣言している
それならば決闘法の範疇に入るのではないだろうか?」
「自称しているだけだ、 連合に入ったと確定していない」
立会人№007の見解を否定する立会人№013
「だがしかし」
立会人№001の言葉に注目する立会人達。
「戦争になってしまうのは面白くない、 そう思うだろう?」
「確かに」
「雑多な殺し合いは沢山だ」
「面白味が無いのは分かる」
「戦争も胸が透くと思うけど?」
「決闘での殺し合いの方が生物としての力量は上がるだろう」
概ね、 戦争になるよりは決闘の方がマシと言う考えになった。
「ここは我々が新制フランク王国とオーストリア帝国とリヒテンシュタイン公国の間に立ち
決闘の仲介を行い、 決闘後に結果を順守させる様に介入すれば良い」
「リヒャルト連合議長が良い顔しなさそうだけどなぁ?」
№002が茶々を入れる。
「奴なんて所詮は人間共の管理人に過ぎない」
「人間が居なかったらつまらないだろうが」
「だとしたら尚更、 決闘に持って行くべきだろう
戦争が起これば多くの人が死ぬぞ?」
「ふん、 まぁ調整を進めようか、 話を詰めるぞ」
あーだこーだ立会人達は話を詰め始めた。
「?」
立会人№999が不意にきょろきょろし始めた。
「如何した?」
「いや、 誰かに盗み聞きされている様な・・・」
「まっさかぁ、 この場所を盗み聞き出来る奴なんて
我々よりも高次存在位しか居ないじゃないか」
「それもそうか」
地上、 ベネルクス王国首都国王直轄領ブリュッセル。
とあるサロンにてカリオストロとカロリングが
電極が差してある一枚の模様が書いてある板の電極を持っていた。
「・・・・・如何やら立会人共はフランク、 オーストリア、 リヒテンシュタインの
決闘をさせる方向に進むようですな」
「そのようですね」
電極から手を離した二人。
この訳の分からん装置はヒエロニムスマシンである。
流石に注釈に任せる訳には行かないので解説するが
このヒエロニムスマシンはエロプティック・エネルギーと言う物質から放射されるエネルギーを
燃料として動く機械である、 機械と言っても彼等が使っている物には電極以外には
機械部品は使われていない、 基本的には模様の書いてある板である。
この小説を書いている私の頭が狂った訳ではない。
ヒエロニムスマシンは回路図だけでも動く代物である。
分かりやすくファンタジーで例えるのならば魔方陣の様な物と捉えると分かりやすいかもしれない。
彼等二人はエロプティック・エネルギーだけでは無くウィルパワーも注ぎ込む事で出力を上げ
立会人達の会話を盗聴する事に成功したのだった。
「・・・・・話を一旦整理しましょう、 私達の本来の作戦ではチーズの手下の決闘者に
ヘルヴェティア・・・いや、 フランク王国で決闘を行わせて
決闘に対して守る義務が無いと憤慨する連中に手下の決闘者を殺させて
怒ったチーズがフランク王国にケジメをつけて制圧する
という流れでしたね?」
「そうね、 その為にミソカにフランク王国内の資産を避難させた
チーズのフランク王国制圧はやや無理のある話だけども
ヨーロッパ連合に属さない国を制圧した所で連合には関係の無い話
最終的には色々と領土割譲はあるでしょうが最低限必要な土地は手に入る筈」
「しかしながら今回の出来事は貴女の息子がやらかしてしまった・・・
これは貴女の指示では無い?」
「当然でしょう、 アレは父親とは違って人を助けようと真摯に思える良い子ですが
ヴァカな上に反抗期、 私の言う事を聞きやしない」
「信じますよ、 あんなヴァカな演説をしたんですからね
貴女ならばもっとマシにやるでしょう、 しかしながら息子を見張る事も出来ないのは如何かと」
「貴方にも失点は有る、 そんなに責めないで下さい」
「失点? 私に?」
嗤うカリオストロ。
「エルダーストーンの回収を失敗したじゃないですか」
「工作員のマンティスを送り込みましたがまさか失敗するとは想定外でした
奴は始末しましたが」
「何と、 彼はそれなりに強かったと記憶していますが?」
「失敗した奴に席を譲るつもりはない
しかし背後にドラゴヴァニアやエルダーストーンの回収を邪魔したトリニティー一味が居るとは
想定外でしたな、 互いに」
「ロックとやらの目的も掴めない・・・一体如何するつもりだ?」
「ロックもそうですがチーズも勝手に動いたのが気になりますね・・・」
「アイツは好かぬ、 我々の目的を理解しているのか?
土地の取得に動いているのか?」
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